Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
2/1宵 金星と細い月と土星が接近

アルデバラン食(2017/01/10)

2017-01-10 22:05:00 | 天文現象

1月9日の深夜から翌10日未明にかけて、おうし座の1等星アルデバランが月に隠される
様子が日本各地で見られました。いわゆる「星食」という天文現象になります。
一般に月は明るいので、隠される星が暗いと観測しづらいものですが、
今回は隠されるのが1等星ということで、見映えの良い映像が撮れそうだったので、
焦点距離の長い望遠鏡にデジイチを接続して撮影してみました。
食が起こる10分ほど前に撮ったスチル写真がこちら↓

アルデバラン食20170109.JPG

 キヤノンEOS60Da+口径18cmカセグレン系反射望遠鏡(補正レンズ併用で焦点距離1762mm),
 ISO200,F9.8,1/80秒,中型赤道儀使用

隠れる瞬間は動画で狙いました↓

フレーム中央左寄りの小さな光点がアルデバランです。その前面を月が右から左へ横切っていき、
見掛け上、光があたってない月面の暗い縁に同星が潜入していく様子を捉えたものです。
アルデバランは遠くにある恒星のため点光源に過ぎないので、一瞬で隠れてしまいます。
隠れてから1時間ちょっと後には月の反対側から見掛け上、出現する現象も見られたはずですが、
今日の仕事に差し支えるといけないので、潜入の撮影だけにとどめました。
なお、日本で見られる次回のアルデバラン食は4月1日の日没直後になります。


2017年 正月の初☆撮り

2017-01-09 00:05:00 | 遠征日誌

しぶんぎ座流星群の記事と前後しますが、2日の夜に伊豆稲取まで遠征し、☆撮りしてきました。
穏やかな天候に恵まれ、東伊豆名物(?)の強風も吹かず、好条件下で4対象を撮影。
本年最初の撮影対象はコレ↓

Leo-I_17.jpg

【しし座の矮小銀河 Leo Ⅰ】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間50分(5分×10コマ加算合成),中型赤道儀使用,トリミングあり

フレームの下方でドギツイ光を放つ輝星は1等星レグルスです。
Leo Ⅰはそのすぐ傍にあるため撮影や観測が難しい天体だったりします。
そのせいか、発見されたのは1950年と比較的最近のこと。
現在、この銀河は我々のいる銀河系の伴銀河の一つということが判明しています。

続いて狙ったのはコレ↓

ngc4395_17.jpg

【りょうけん座の銀河 NGC4395】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間50分(5分×10コマ加算合成),中型赤道儀使用,トリミングあり

一応、渦巻き銀河なんですが、巻き方がユルーい上に枝分かれした腕が淡過ぎて
捉えどころのない恰好をしてます。んー、どうやら露出不足だったようです。

次は久々に期待できそうなこの彗星↓

2015V2-01.jpg

【ジョンソン彗星(C/2015 V2)】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間48分(3分×16コマ,彗星の動きに合わせて加算合成),中型赤道儀使用,
 トリミングあり

2015年11月に発見された新彗星です。地球からかなり遠いところで発見されたので、
太陽系の深くに入り込んで明るくなるまで随分と月日が必要になってます。
撮影時の予報光度は約11等級ですが、立派に尾を伸ばしているのが分かりますね。
5~6月に双眼鏡で見えるレベルになる見込みで、日本からは非常に好条件で観測できるので、
これからが楽しみな彗星です。予想以上に明るくなってくれるとイイんですが・・・?

最後は太陽に接近中のこの彗星↓

2016U1-01.jpg

【ネオワイズ彗星(C/2016 U1)】
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
 総露出時間18分(3分×6コマ,彗星の動きに合わせて加算合成),中型赤道儀使用,
 トリミングあり

昨年10月にNASAの赤外線天文衛星が見つけた新彗星です。今月14日に太陽最接近となります。
その頃は水星軌道の内側に入るため、太陽に近過ぎて観測不能になるということで、
今月初め頃までが観測好期でした。撮影時の予報光度は7等台ぐらいですので、
あまり大型の彗星とは言えませんが、イオンテイルがそこそこ伸びているのが分かります。
この彗星については、個人的に今回が最初で最後の撮影となりそうです。


しぶんぎ座流星群撮影で新年の運試し

2017-01-04 22:00:00 | 天文現象

1月3日深夜から翌4日未明にかけてしぶんぎ座流星群が極大を迎えました。
今年は月明かりの影響もなく、活動ピークが日本時間で3日23時ごろとの予想があり、
かなりの好条件とされていました。また、太平洋側で好天が期待できそうということで、
これはもう撮りに行くしかないと思い、山梨県北杜市某所まで出掛けました。

今年はコンデジとデジイチの2台を赤道儀に載せて星空の一角を切り取るようにして撮る
いわゆる星野写真の形で流星群を迎撃。
デジイチの方で捉えた最も明るかった流星がこちら↓

しぶんぎ座流星群2017.jpg

 キヤノンEOS60Da+28-75mmズームレンズ(@28mm),F3.5,ISO1600,60秒露出,赤道儀使用

北斗七星の方向を写野にして400コマ以上連写しましたが、暗めの流星が多かったのか
はっきりと写ったのはこの1ショットだけでした。んー、今年の運勢はイマイチかも?

一方、コンデジ(ソニーRX100M3)では「スタートレイル」を使って微速度撮影動画を撮りました↓

昨年夏のペルセウス座流星群では三脚にカメラを固定して星の日周運動と一緒に写しましたが、
「スタートレイル」機能の残像効果により流星が動画上で確認しやすくなる一方で、
光跡残しのパラメーターを低めに設定しないと星像が長く伸びてしまって見映えが悪くなるという
デメリットがありました。今回は赤道儀に載せて電動追尾することで星像が伸びたりしない筈なので、
流星の残像を長く見せようと思って光跡残しのパラメーターを高く設定してみました。
ところが途中から雲が流れてきて、それが写野から消え去っても残像がなかなか薄くならず、
思わぬ逆効果になってしまいました。いやー、なかなかうまく事は進まないものですねぇ。
それでも数個の流星がはっきり分かる動画が得られたのは収穫でした。
この後、しばらくはメジャーな流星群活動はなさそうですが、
また同様な撮り方で目論見どおりの動画をものにできる日が来ることを夢見てます。