みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

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夢の跡

2008年05月27日 18時58分35秒 | 気ままにお出かけ
italiamura064.jpg: 散乱する空き箱。ガラス窓に通行人が映り込む
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Aperture priority AE (F=7.1, SS=1/800s), +0.7EV (Matrix metering), ISO1250, WB=Sunny (+0), f=70mm (35mm-equivalent: 105mm)

ガラス工芸品店のショーウィンドウ。無造作に開けられて放り出された空き箱と商品が散乱していました。

この日はイタリア村在庫処分セールの2日目。以前はこのショーウィンドウも鮮やかにディスプレイされていたものですが。

italiamura065.jpg: 飲食店のガラスに映り込む通行人
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Aperture priority AE (F=9.0, SS=1/400s), -0.7EV (Matrix metering), ISO1250, WB=Sunny (+0), f=24mm (35mm-equivalent: 36mm), Contrast increased

ひと気のないレストランのテーブル。ピンと張られた白いテーブルクロスの上には、食器が整然と並べられています。誰も来ませんが。

撮影後記


ふとガラス越しに見かけたのが、散乱する空き箱と商品。無造作に開けられて放り出された空き箱を通して、イタリア村の盛衰を見るようでした。

うん、いい被写体だ。

しかし、通行人の姿がガラスに映り込んでしまい、散乱する空き箱を思うように撮れません。あいにくPLフィルターは用意していませんでした。この日に限らず、長期の旅行でない限りPLフィルターは持ち歩いていません。普段使わないからと言って持ち歩かないでいると、必要な場面に出くわすものです。さて、どうするか。

映り込むなら、写し込んでしまえ。

開き直れば話は早いです。通行人の姿がはっきりと映る場所まで回り込むと、どうでしょう。無造作に放り出された空き箱と商品に、大勢の客の姿が多重露光のように重なって、まさに盛衰を象徴するような雰囲気に仕上がりました。

それが1枚目の写真 (italiamura064.jpg) です。

その場の条件に逆らわずに素直に撮ると、意外といいものが撮れます。(いいと思っているのは私だけ?) ISO感度を戻し忘れているのが難点ですが。

人間の想像力なんてたかが知れています。「事実は小説より奇なり」と言います。撮影者が個人的に信奉する理想を被写体に押し付けたり、特定のイメージを追いかけたりしていると、自分の想像力の範囲内の写真しか撮れません。

撮影者がどれだけ色やら形やら構図やらを深く追究したとしても、この世界で次々に生み出される偶然にはかないません。人間の頭が作り出したものは、しょせん、その人の知識や経験の半歩先にしか到達できないのです。

その場の条件が語りかけてくる声を素直に受け止めることができれば、自分の知識や経験をはるかに、しかも軽々と越えた世界を見ることができます。

ファインダーから見えるものに邪魔なものなんてありません。邪魔だと感じるのは未熟な証拠だと自分を戒めています。

1枚目の写真は、今回イタリア村で撮影した中でも出色の1枚だと満足していますが、痛々しい。できれば、こんな写真は撮りたくありませんでした。

1枚目の写真は空き箱にピントを合わせましたが、通行人にピントを合わせるのも、ひとつの考えです。

italiamura066.jpg: 散乱する空き箱。ガラス窓に通行人が映り込む
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Aperture priority AE (F=7.1, SS=1/1000s), +0.3EV (Matrix metering), ISO1250, WB=Sunny (+0), f=70mm (35mm-equivalent: 105mm)

3枚目 (italiamura066.jpg) のほうが痛々しさは抑えられています。どちらの写真を掲載しようか迷いに迷って、私は1枚目 (空き箱にピントを合わせた写真) を選び、この記事のトップに据えました。



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