日立が「キメクル」ってサービスの実用化に向けてモニター実験を開始するんだって (日立ニュースリリース→
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/11/1115.html)。キメクルは、簡単に言うと「欲しい情報をユーザーの希望する時間、場所で携帯電話の待ち受け画面に配信する情報配信サービス」(同ニュースリリース)。
これを見て、パッと連想したのがボーダフォン (旧Jフォン) のステーションサービス。ステーションと違うのは、キメクルでは商店街などと緊密に連携を取ることみたいね。これは重要なポイントだと思うよ。ステーションはサービスとしてはほとんど失敗してるけど、私が原因として感じてるのは、地域ごとに情報を配信するとうたいながら、実際には地域に密着したキメ細かいサービスを提供せずに、これといって魅力のない情報を垂れ流すだけだったこと。キメクルがどう成長するか楽しみ。時間ごとに内容を変えながら情報を配信していくには (質・量ともに) 相当の人的資源も必要なはずだけど、「見たい」と思うコンテンツがなければ誰も見ないもんね。
キメクルでは、フリークーポンペーパーの代替としてクーポン券の配布も想定してる。将来的に小売・外食産業とも連携したいと構想してるけど、クーポン配布が成功するかどうかは新しいお店をどこまで開拓できるかにかかってる気がするよ。
ステーションにはグルメクーポンを配信するチャンネルがあるんだけど、紹介されるお店がほぼパターン化しちゃってるのよね。しかも、「携帯の位置情報を利用して地域ごとに違う情報を配信する」のがステーションの売りのはずなのに、私の家からかなり遠くて交通の便の悪いお店のクーポンが来ることもあるし。位置情報に応じてキメ細かくクーポンを流すには、その情報を準備する人員も大量に必要になるはず。キメクルはこの問題をどう解決するかな? やっぱり、「今度のお出かけに使いたい!」と思わせるようなクーポンがどんどん流れてこないと、クーポン配布は成功しにくいと思うの。
あとは、お出かけ中に配信されてきたクーポンを衝動的に利用したくなるかどうかかな? カフェみたいにあまり高い飲食をしないところでは「ちょっと入ってみようか」ってお店に入ることも多いと思うけど、ディナーの場合はそれなりのお金を使うわけだから、たまたま配信されてきたクーポンで衝動的にディナーを決める人がどれくらいいるかな。デートのときなんかは、事前にグルメ雑誌やネットでお店を調べてデートコースを計画する人も多そうだし。
いろいろ厳しいことばかり書いてきちゃったけど、雑誌感覚のコンテンツがあると待ち時間を潰すのに便利なのは確か。キメクルの今後が気になります。ステーションの失敗を教訓に、ぜひぜひ頑張って欲しいです。
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ボーダフォンのステーションサービスに思ふ