電車に乗って30分ほどしたところで気づきました。
忘れた!
前日の夜遅くまでメールで打ち合わせをしたり、その結論を議事録にまとめたりしていました。終わったら、すぐに布団を敷いて倒れ込み。布団を敷く手間さえ惜しくて、ベッドだったらどれだけ楽かと思いました。
4~5時間寝た後、早起きして、いまひとつ調子のさえないお腹に食べ物を押し込んでいきます。
食べたのは
養々麺。温かい素麺は、食欲がないときにも食べやすいです。
そうこうしているうちに、昨夜の打ち合わせへの返信メールが。パソコン開いてる時間はないよー。メールは携帯で読みます。
身支度を整えて家を飛び出し、電車に乗って「間に合った」と一安心。行き先は
税理士事務所。30分ほど揺られたところで、ハッと気づきました。
忘れてた!
食後に薬を飲むのを忘れていました。大事な薬。女性ホルモン剤。
うわわーっ! どうしよう。
ホルモン剤はずいぶん前から処方してもらっていますが、飲み忘れは初めてです。
ガーン……
今さら家に戻るわけにもいかず、そのまま税理士事務所へ。
必要な書類を作成した後、税理士先生に、ここ1ヶ月の近況をご報告。急に忙しくなって、ホルモン剤を飲むのを忘れたことも白状しました。
「飲まないといけないの?」
「飲むと体が女性的になるんです」
「あなた、飲まなくてもいいじゃん」(飲まなくても女性に見えるという意味?)
「イヤですよー! 私、男じゃないもーん」
その税理士センセは、私が性同一性障害 (GID) であることを知っています。GIDにも理解があり、いろいろなことを気軽に話せます。
「ニューハーフのお店に行ったこともあるよ」
「そうなんですか。私は、客としてもホステスとしても入ったことがありません」
「お店のママが、すごいキレイだったよ」
とても残念なことですが、GIDの人が望みの性別で仕事に就こうとすると、ほとんどの場合、夜のお店で働く以外に選択肢がないのが実情です。法的には人を差別してはいけないことになっていますが、現実は違います。ほとんどの人は、普通の企業に就職することができません。
私はたまたま恵まれていたのでカタギな昼の仕事をしていますが、その運がなければ、夜の仕事以外に選択肢はなかったでしょう。こうして税理士事務所に出入りできるのも、幸せのひとつです。
わいわいとGIDの話をして解散。また来ますね。