みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

山あいの湖

2010年01月31日 23時22分09秒 | 気ままにお出かけ
昨日見てきたのは よってんですが、別の日に愛知県警察美術展も見ています。

愛知県警察美術展は、その名の通り、警察官の作品展。家族による作品も展示されています。点数が多いのは写真と書。私は写真も撮りますが、最近重点的に見ているのは絵画です。ほほえましい作品もあり、警察を身近に感じる作品展でした。

印象に残った作品:

●「春明」(しゅんみょう) 画: 吉田徹 氏

山あいの湖。水面は若草色のヨシで埋め尽くされています。湖のほとりには、葉をたっぷりとたたえた広葉樹。その中から、天を突かんとばかりに背伸びする針葉樹。

そんな針葉樹も、背後にそびえ立つ山々からすれば子供のようなもの。視界に立ちふさがる山々の肌は険しく、降り積もった雪もろとも彫刻刀で力任せに削られたかのよう。直線的な陰影は、緑豊かなふもととは対照的に、生命を拒絶しています。

しかし、ふもとの緑を潤すのは山々の雪解け水。山は山であり続け、何者をも寄せつけない厳しい表情はそのままに、黙ってふもとの緑を養います。

作者は捜査一課所属だそうです。仕事の合間に大作を手がけたのでしょう。警察官というカテゴリーでくくってしまうと表情が見えなくなりますが、警察官もやはりひとりの人間なのですね。この社会は、そんな人たちが集まって構成されています。忘れがちですが、重要な事実。

よってん2へ

2010年01月30日 19時27分50秒 | 気ままにお出かけ
よってん2を見てきました。よってんは、名古屋芸術大学の卒業生を中心とした作品展です。今回の展示作品は絵画、彫刻、工芸、インスタレーション。その中で、デザイン分野 (工芸) の作品に興味をひかれました。

●「kaguya #1」 作: ヨシダアキヒコ 氏

長さ30cmくらいの細長いランプ。蛍光灯かと思いきや、本体に節があり、竹の形をしています。内部には蛍光灯ではなく、LEDが組み込まれています。電極は片方のみに付いていて、天井から縦につり下げて使う様子が紹介されています。竹のイメージなので、縦にして使うのでしょう。

青竹踏みの竹みたいにもっと太くして、床に置く照明器具を作っても面白いかも。ほかに、ししおどし形ランプとか。竹筒形ランプの中の光が少しずつ明るくなっていって、ある程度の明るさになると竹筒形ランプが傾いて、下の器に流れ落ちるように光が移動するの。

●「Light Juice」 作: ヨシダアキヒコ 氏

ブリックパック (紙製の四角い飲料容器) を模したガラス製のランプ。隅からはストロー様の棒が突き出ています。ぼんわりとともった光が、時間とともにスーッと消えていきます。

カフェやレストランでテーブルに着いた後、メニューが運ばれてくるまでの短い時間に「心の一服」を提供することを目的としているそうです。よくお店のテーブルにキャンドルが置いてあり、その光を見つめながら話をすることがありますが、あんな感じなのでしょうね。

●「1ペア=1ラブ」 作: 斉藤壮 氏

2脚のイスが向かい合った白いロッキングチェア。通常のロッキングチェアはイスの下部が弓形になっていますが、この作品は2脚のイスが向かい合って、共通の弓形の部材の上に取り付けられています。ふたりで腰かけて揺らすことができるのでしょうか。腰かけたふたりがともに心地よいと感じるリズムで揺らすことができれば、言葉を交わさなくても、ただ座っているだけで満足な時間を過ごせそうです。

漆芸との出会い

2010年01月29日 19時21分33秒 | 気ままにお出かけ
日展では工芸作品も見たいと言いましたが、私は彫刻より書より、工芸に興味を持っています。

工芸品は昔から好きで、素材の風合いをそのまま残した素朴な茶碗 (ちゃわん) や繊細な蒔絵 (まきえ) に魅了されていましたが、ある漆芸に衝撃を受けたことがきっかけで、より工芸に関心が向くようになりました。

衝撃の出会いが訪れた場は、確か東京国立近代美術館だったと思います。
「ここに入ってみようか」
時間潰しのつもりで、特別な意図もなく立ち寄った作品展でした。

展示されていたのは、あるひとりの作家の漆芸作品十数点でした (残念ながら作家の名前は忘れてしまいました)。作品は食器が大部分だったと記憶しています。

来場者はほとんどいません。作品数も少なく、地味な工芸品の展示ですから、訪れる人が少ないのも無理はないでしょう。

ほとんどの器は、外側はもちろん、内側も黒漆で塗られています。形は簡素で、飾り気はまったくありません。朱漆を使っていたのは最後の2点だけ (だったと思います)。しかも朱塗りは内側のみで、外側はどれも黒一色。

外側も内側も真っ黒に塗られた椀 (わん)。何の飾りも施されていない、ただの丸いお椀。しかし、一目見ただけで釘付けになる椀。

漆の黒はなめらかで つややか。丹念に塗り込められた表面に刷毛 (はけ) の目はまったく残っていません。浮かぶのは、工房で一心不乱に刷毛を走らせる作家の姿。熟練した無駄のない手の動き。風のない冬の日のようにピンと張りつめた空気が、そのまま作品に染み込んでいます。漆黒は落ち着きと気品を兼ね備え、幾重にも塗り重ねられた層の奥に果てしない空間が広がっているようです。深い深い黒に見とれているうちに、中に吸い込まれ、いつしか我を忘れています。きっと宇宙はこんな感じになっているのでしょう。

衝撃的でした。このときを境に、いっそう工芸品が好きになりました。

日展に行きたい

2010年01月28日 22時38分25秒 | 気ままにお出かけ
第41回日展東海展が始まっています。

開催前には新聞紙面でコラムが連載され、毎日数点の作品が紹介されてきました。紙面1面を使った特集も組まれました。連載の中に、気になる作品がありました。

日展、行きたいなぁ。

ただし、日展は展示作品が500点を軽く超えます (東海展は570点に及びます)。見たいのは洋画・日本画・工芸ですが、それだけでもかなりの作品数になるでしょう。時間をかけて、途中休憩を挟みながらでも、じっくり見て回りたいです。気に入った作品をじっくり鑑賞するためにも、人の少ない平日を狙いたいです。

本業とバイトをかけもちしながら、しっかり3~4時間をどこかで取れるかな。どこかの金券ショップで日展の前売券を安く売ってないかな。