みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

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夜に響く光の雨

2010年02月04日 20時22分13秒 | 光と空間
唯洋画展を見てきました。

いつものごとく、仕事に向かう途中での寄り道です。鑑賞にあてられる時間は20~30分ほどですが、この程度の時間でも、小さな展覧会であれば、気に入った絵1枚にターゲットを絞ってじっくりと味わうことができます。

今回は、光を描いた作品にひかれました。

●「サクレクール寺院」 画: 村田延誉 氏

壁も柱も屋根も真っ白な寺院。柱はコロッセオのようなアーチを描いて立ち並び、屋根を支えています。屋根はドーム形をしており、イスラムのモスクを彷彿 (ほうふつ) とさせます。

時は夜。寺院を取り巻く木々は眠りに落ちたまま、夜の空気に身を任せています。

空は澄み、深海のように静かな群青色をしています。青い空には三日月 (厳密には二十六夜の月) が浮かび、煌々 (こうこう) と輝いています。一面青い空も、ひとり夜を照らす月も、夜明けが訪れようとしていることに まだ気づいていません。

明るい月夜です。弓形の鋭い姿からは想像もつかないほど明るく、神々しい月夜です。まるで満月の夜のよう。清らかな夜だからこそ、月の光で満ちるのでしょう。

月の光が、夜の表情を残したままの空の青を溶かして緑色になり、滴となって寺院の白い壁に降り注ぎます。

青と緑が雨あられと白肌を染める夜。音もない夜に響き渡る光の雨。

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