ということで、また上海B株。
今日の日経にも記事がありましたが、中国株とひとまとめに言って種類がいろいろあります。
香港市場上場銘柄については外国人も自由に売買できます。
H株、レッドチップ等の違いはありますが、基本的には通常のオープンなマーケットと考えていいでしょう。
これに対して本土市場は通常のオープンなマーケットとは異なる面がいろいろあります。
A株市場は基本的には中国国内の投資家向けのマーケット。最近は一部、外国人投資家も参加できるようになっており、投信も設定されているので、日本の個人投資家も参加できないこともないですが、やはり制限が大きい。逆にB株は外国人投資家向け。こちらは中国国内の投資家も参加できるようになっているようです。ということで、本土系のA株・B株市場はオープンなマーケットではないということになります。
実態はどうなのかわかりませんが、中国国内の投資家は個別銘柄のファンダメンタルズ分析などほとんどしないということがよく言われます。いけいけドンドン的に短期で売買を繰り返すということも言われます。A株については参加も制限されている市場ですので、効率的な株価形成がなされていないとも考えられます。が、株価がどう動くかということはわかりません。
で、このA株・B株の市場規模ですが、上海A株の時価総額に対して上海B株の時価総額は1/100程度。これは2005.12時点ですが。同じく、シンセンA株に対してB株の時価総額は1/30程度。つまり、市場規模そのものが極めて小さい。変なマーケットです。
内藤証券にA株B株の株価のPER比較のデータが掲載されています。それによれば、
上海海欣集団 B株PER150.98 A株PER259.4
オルドスカシミアB株PER 38.99 A株PER60.44
中国元を0.13083米ドルとすると、上海海欣集団のA株株価12.97元 B株株価0.981USドル。A株株価をUSドルになおすとは12.97×0.13083で、1.69USドル。つまり、国内市場向けのA株の方が約2倍。同様にオルドスカシミアについては1.6倍弱。つまり、A株は割高。
このA株B株の株価の差から、いずれB株はA株に統合されていくため、株価がA株の方にさや寄せされるという期待感が語られることがあります。
まあ、極めて市場規模の小さい妙なマーケットであるB株市場がこのままずっと存続するというのは考えにくいところはあります。が、そもそも、上記のように、A株のPERは通常許容される範囲を逸脱したようなものになっており、このA株の株価そのものが今後も現状の水準で維持されると考えるのは基本的に無理があるとも考えられます。
なお、上海Bのもうひとつの保有銘柄である内モンゴル伊泰石炭についてはA株は未上場となっており、B株のPERは18倍程度と、まあリーズナブルなところです。
値動きを見てみると、最初の2銘柄がB株指数とほぼ連動して大きく上下するのに対して、内モンゴル伊泰石炭の動きはやや穏やかなことが多いです。
なお、オルドスカシミアは内モンゴル自治区を拠点とするカシミア製品の世界最大。手伊泰コール (イータイコール)は石炭の生産、運送、販売。上海海欣は紡績業のベルベット製品の製造、販売ほてがけ、ブラッシュ生地では世界トップの企業です。
結論としては、既に上海B株については利益確保を優先して対処してきているところですが、この方針を維持していきたいと思います。
個別3銘柄の中では、とりわけ上海海欣集団については目先の業績も厳しく、基本的に輸出に依存した企業のため、今後、人民元高の方向がさらに進めば、業績面での環境は厳しさを増すことになります。輸出ということではカシミアもそうです。これに対してイータイコールは株価形成も相対的にまともであり、今後、業績改善がさらに進む可能性があるように思えます。つまり、上海海欣は売却しての利益確定。残すか下落時の買い戻しを考えるのはイータイコールということになります。
今日の日経にも記事がありましたが、中国株とひとまとめに言って種類がいろいろあります。
香港市場上場銘柄については外国人も自由に売買できます。
H株、レッドチップ等の違いはありますが、基本的には通常のオープンなマーケットと考えていいでしょう。
これに対して本土市場は通常のオープンなマーケットとは異なる面がいろいろあります。
A株市場は基本的には中国国内の投資家向けのマーケット。最近は一部、外国人投資家も参加できるようになっており、投信も設定されているので、日本の個人投資家も参加できないこともないですが、やはり制限が大きい。逆にB株は外国人投資家向け。こちらは中国国内の投資家も参加できるようになっているようです。ということで、本土系のA株・B株市場はオープンなマーケットではないということになります。
実態はどうなのかわかりませんが、中国国内の投資家は個別銘柄のファンダメンタルズ分析などほとんどしないということがよく言われます。いけいけドンドン的に短期で売買を繰り返すということも言われます。A株については参加も制限されている市場ですので、効率的な株価形成がなされていないとも考えられます。が、株価がどう動くかということはわかりません。
で、このA株・B株の市場規模ですが、上海A株の時価総額に対して上海B株の時価総額は1/100程度。これは2005.12時点ですが。同じく、シンセンA株に対してB株の時価総額は1/30程度。つまり、市場規模そのものが極めて小さい。変なマーケットです。
内藤証券にA株B株の株価のPER比較のデータが掲載されています。それによれば、
上海海欣集団 B株PER150.98 A株PER259.4
オルドスカシミアB株PER 38.99 A株PER60.44
中国元を0.13083米ドルとすると、上海海欣集団のA株株価12.97元 B株株価0.981USドル。A株株価をUSドルになおすとは12.97×0.13083で、1.69USドル。つまり、国内市場向けのA株の方が約2倍。同様にオルドスカシミアについては1.6倍弱。つまり、A株は割高。
このA株B株の株価の差から、いずれB株はA株に統合されていくため、株価がA株の方にさや寄せされるという期待感が語られることがあります。
まあ、極めて市場規模の小さい妙なマーケットであるB株市場がこのままずっと存続するというのは考えにくいところはあります。が、そもそも、上記のように、A株のPERは通常許容される範囲を逸脱したようなものになっており、このA株の株価そのものが今後も現状の水準で維持されると考えるのは基本的に無理があるとも考えられます。
なお、上海Bのもうひとつの保有銘柄である内モンゴル伊泰石炭についてはA株は未上場となっており、B株のPERは18倍程度と、まあリーズナブルなところです。
値動きを見てみると、最初の2銘柄がB株指数とほぼ連動して大きく上下するのに対して、内モンゴル伊泰石炭の動きはやや穏やかなことが多いです。
なお、オルドスカシミアは内モンゴル自治区を拠点とするカシミア製品の世界最大。手伊泰コール (イータイコール)は石炭の生産、運送、販売。上海海欣は紡績業のベルベット製品の製造、販売ほてがけ、ブラッシュ生地では世界トップの企業です。
結論としては、既に上海B株については利益確保を優先して対処してきているところですが、この方針を維持していきたいと思います。
個別3銘柄の中では、とりわけ上海海欣集団については目先の業績も厳しく、基本的に輸出に依存した企業のため、今後、人民元高の方向がさらに進めば、業績面での環境は厳しさを増すことになります。輸出ということではカシミアもそうです。これに対してイータイコールは株価形成も相対的にまともであり、今後、業績改善がさらに進む可能性があるように思えます。つまり、上海海欣は売却しての利益確定。残すか下落時の買い戻しを考えるのはイータイコールということになります。