IRセミナー 7701島津製作所(2)
IRのプレゼンテーションの中身ですが、何が課題というか改善点としてあるかというと、
私は一つは具体性が乏しいということだと思います。
島津は計測機器が利益の中心になっています。売上もこのセグメントの比率が高い。
ただ、計測機器といってもいろいろありますし、単に機械の写真なり動画を示してもらっても、それがいったい
どんな場所でどう使われ、それが私たちの生活にどう関わっているかというのはイメージしにくいです。
例えば「液体クロマトグラフ質量分析計」などは主力の製品でしょう。
単にイメージ的な動画でなく、実際に顧客の現場でこれがどう使われているか、紹介できない場合もあるでしょうか
具体事例を紹介できるところもあるはずです。
食品?、医薬品?、京都大学?、環境保護?、言葉だけでなく、実際の典型事例あるいは、今後伸ばしていきたい
分野等は具体的にイメージできるように示すのがいいと思いました。
それから、まだ収益に貢献してくるとかいうことまで至らないけれど、基礎研究の方向性とか、未来の「夢」とか、
特に研究が重要視される技術力が生命線の会社の場合は、そういうところを語ることも工夫があるとよいですね。
癌の発見云々のところで関連するような内容は少しありましたが。
私自身イメージしたのは、例えば「科捜研の女」てす。京都ということもあるしね。沢口靖子さんのあれですね。
なんか分析機器を利用して含まれている成分なんかを明らかにするようなシーンとか、よくあるでしょ。
実際、どうかはしらんよ、あくまでイメージですが(^_^;)。
さてと、業績の方ですが、全体としては最高益更新ということで、株価の推移も、およそ日経平均連動とはいえ
堅調です。
で、セグメント別の収益を見てみましょう。実際の配布資料のコピーなのでちょっとメモとかしてあります。
これ、よく見てください。よく見なくてもすぐわかりますが。
セグメント別で営業利益のほとんどを稼いでいるのは計測機器の分野で、他のところはほとんど利益につながって
いません。極端に言えば「異常な一本足打法」的です。
・「計測」と大きくまとめられていますが、ここの内容、実際の主力製品別なり、地域別なり、どこが大きな利益
につながっているのでしょうか。
・「医用」「航空」などは9ヶ月実績では、利益どころか赤字です。
なぜ、ここの部分は赤字、あるいは利益が非常に少なくなっているのか。
ここのところは、なんらかの構造的な特徴なり問題があると思うのですが、質問への具体的な回答、言及はなか
ったです。なので、またメールで聞いてみましょう。
医用は、X線関係の製品に注力しているが、海外ではGE、シーメンス、フィリップスなどの「強者」との競合
があること、航空機の国内の売上は防衛関係の比率が8割あり、今後、海外の民間向けのものを増やしたい等のコメ
ントはあり、これらは上記の疑問への回答のヒントにはなるとは思いますが。
医用では東芝メディカル・キヤノンや富士フィルム等は競合相手か、協力してすすめる部分は?とかも聞いてみま
した。
部分的に重なるところがあるというようなことで、東芝メディカル・キヤノンは今後の動向を注視しているとも。
航空の部分で利益が出ないのは、納入する部品、システムなどの求められる品質と納入価格との関係なのかなぁ。
どうなんでしょう、三菱重工とかに納めている?。
航空の方は赤字幅は縮小してきているというコメントもありました。それにしても利益にはなってない。
だとしたら、この儲からない医用なり航空の事業は、もう事業としては例えばキヤノンとか三菱重工とかに売ってしまう。
で、部品の供給とか技術開発とか、そういうことに特化し、デバイス屋さん的な事業にシフトする、
で、強い計測機器部門により注力していく、そういう経営の効率性というような事業再編の視点というのもあるのか
もしれません。医用なんかは売らないまでも、共同開発の会社設立などはありうるかな。
ソニーとオリンパスなんか一緒に医療機器開発の会社をつくったりしてますよね。
とかいうようなことを思いました。なかなか面白かったです。
次は同じ野村支店で、3154メディアスホールディングスです。