Kちゃん。5

2020-09-25 07:20:17 | 日記
また、Kちゃんの話しです。

Kちゃんが高校生時代、野球部の合宿であった体験談です。

合宿のスケジュールのひとつに、Kちゃんの苦手なイベントがあります。

それは、合宿醍醐味のひとつ、肝試し…。


野球部の肝試しなんて男ばかりで、なんにも楽しい事なんてない…💧

しかし、男ばかりだからこそ、肝試しの勢いが半端ない…💦

先輩が幽霊役をして後輩を驚かす…と言う歴史が続いていて、

毎年、先輩達は、ここぞとばかりに張り切る。


去年ハンパなく先輩に驚かされて、2年目のKちゃんは、今年は後輩達を驚かす番。

しかし、Kちゃんは、怖がりなので、おどかされるのも幽霊役も嫌い。

何と言ったって、暗闇の気味の悪い場所に、幽霊の格好をして、
後輩を待たなければならないなんて、嫌で仕方が無い…💦


昼間は役者のKちゃん、…なのに、こんなに気の乗らない役は無い…。

しかも、罰当たりな事に、今年はなんと、本物の墓地で肝試しを決行すると言う…💦

Kちゃん。4

2020-09-24 07:44:28 | 日記
Kちゃんは、気になって、
もう一度、その人を見掛けた場所へ引き返してみた。

“どうか、いません様に…”と祈りながら…。



…いない…。

…まさかね…💦

廊下の一番端は、窓があり、夜景が見える。

都会の夜は星は見えないが、街の光がキラキラと輝いている。

Kちゃんは、この景色が好きだ。

一息つけて、Kちゃんは、引き返えすことに…。


夜間のホテルの廊下は、誰一人歩いていない。

絨毯の上を歩く音がサッサッと聞こえる。

温かい珈琲でも飲んで、早く帰ろう❗



カチャ…カチャ…。

…ん?何の音?

カチャ…カチャ…。


少し離れた場所で扉を開け様とノブを回す様な音…。



廊下を見渡す限り、ドアノブに手を掛けてカチャカチャしている人などいない。

…部屋の中から?

なにか、トラブルだろうか…💦

音のする方に行ってみた。

あ、そうか、非常階段に出る扉だ。


…何だよ、こんな時間に💦


男が非常口の扉を開けようとしてる。

「そこ、今は開きませんよ」

あ、例の男だ💦💦

男性は、振り返りゆっくりと頭を下げる。

「ちょっと事情があって封鎖中なんです。外へ出たいなら…」

男性は、話しも途中で立ち去った。

「え💦💦今の人って💦💦」

Kちゃんは、息をのんだ。



至って冷静を装って、スタッフルームへ駆け込むと、
今あった出来事の一部始終を仲間に話した。

そこに居た仲間達も、ソレを聞いて、ショックで、言葉も出なかったそうです。

それから、仲間たちも何人か"その人"を目撃してしまい、

夜間のシフトを外して貰ったり、辞めた仲間もいたそうです。

怖がりのKちゃんも、勿論、夜間のシフトを外して貰ったそうです。

Kちゃんが見た男性は数年前に、そのホテルで飛び降りてしまったある有名人だそうです。

Kちゃん。3

2020-09-23 07:59:09 | 日記
少し前にも見掛けた男性。


前の時と同じように、元気なく肩を落としてトボトボと歩く…。


前回は、迷ってるのかと思って、思わず声を掛けてしまったが、どうやら、この歩き方は、この人の癖らしい…。


そして、3度目にその人を見掛けた時…、
おかしい…と思った。


その日は、そのお客様が向かう先には、泊まり客はいないはず…。


自分が知らなかっただけかも知れないし…、確認のために、仲間に聞いてみた。




「803号室より先に泊まり客はいたっけ?」

「いや、今日はいないよ」

「え?…あのさ…」

言い掛けてやめた。


迷っててうろうろしているお客様かも知れない…。


ただ、
そのお客様を見掛ける場所はいつも同じだ。



Kちゃんは、気になって、
もう一度、その人を見掛けた場所へ引き返してみた。


“どうか、いません様に…”と祈りながら…。

Kちゃん。2

2020-09-22 08:43:20 | 日記
Kちゃん。

昼は役者、夜はホテルマン。

かなりハードなスケジュールをこなしていました。

夜のホテルの仕事が終わるのも、深夜12時が回ってから…。



ある日の事…。

Kちゃんのホテルでの仕事も終わり、時計を見ると深夜12時をまわっている。

そろそろ帰ろうかな…と、

スタッフルームへ向かっていた。


すると、、、

ひとりの男性がホテルの廊下を歩いている。


都心のホテルなので、地方出張の人などが、遅くまで仕事をこなし、疲れはててホテルに帰ってくる…なんてことはよくある光景だ。

…こんな時間までお疲れ様。

…ん?

ふと見るとそのお客、荷物を持ってない。

とりあえず、チェックインを済ませ、一度部屋には入ってるのか…。

だけど、どうしたんだろう…。

すごく疲れている様子だし…、

迷ってるのかな?

…それとも、

何か仕事で失敗でもしたんだろうか?



「…あの…」

心配になって思わず声を掛けた。

「どうかしましたか?」


背後から声を掛けたが、男性は振り返りもせずに、少し早足になった。

…そうか、声を掛けられたくないのか…。

余計なことをしてしまった💦

男性は、振り返りもせずにそのまま去って行った。




Kちゃんは、その事を気にする事もなく、過ごしていたのですが、
数日後、また、その元気の無い男性の姿を見掛けた。

あの人、今日も泊まったんだ…。

その日も男性は、背中を丸めて、トボトボと歩く…。

あの歩き方って、あの人の癖なのかな…?


そう思って、その日は軽く会釈をして追い越した。


Kちゃん。

2020-09-21 08:22:28 | 日記
だいぶ涼しくなってきましたが、
もう少しコワイ話しを。

昔…私が芝居をしていた頃の話し。。。

仲間に、Kちゃんと言う2才年上の楽しい男性がいました。

この人、優しくて明るくて、なかなかのイケメンで、かなりモテます。

お人好しで、人が嫌がることを率先してやってくれる人なので、先輩方やスタッフさんからもかなり人望を集めていました。

このKちゃん、頭も良くて、いつも前向きで、欠点なんて無さそうなんですが、

ひとつ上げるなら、かなりの怖がり。

…なのに、なんと、霊感体質…と言う厄介な人なんです。



そんなKちゃんから聞いた話しを書いてみようと思います。


Kちゃんの本業はホテルマン。

…でしたが、いつの間にか役者業の方が本業になってしまって、
ホテルマンの方をアルバイトにしてしまった人でした。


Kちゃんのホテルマンの仕事(シフト)は、比較的夜間。

昼は役者、夜はホテルの仕事と、日々、くたくたになりながら仕事も順調にこなしていました。