サムライの意地のお話の後は、人間のほこりのお話です。
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人間のほこり・・・。こんな話を聞きました。
人間のほこりが消えてしまった労働者のお話です。
熊本市のシルバー人材センターに登録し、
ある病院の夜間受付業務で働いていた人のお話です。
夜間受付業務を病院の職員さんが交代でされていたそうですが、
夜間の仕事が終わって、そのまま日勤の仕事が続きます。
ハードな仕事です。
病院の職員さんの希望で、シルバー人材センターに仕事の依頼があったそうです。
病院の若い職員さんがお一人は残られ、
シルバーさんが5名の合計6名体制の仕事だったそうです。
シルバーさんが仕事に付いた頃は、診療時間外の受付対応、
救急車の夜間対応など非情に忙しい仕事だったそうです。
しかし、1年もすると、
夜間の受付業務は、シルバーさんが担当している事が知れ渡ったようで、
急激に夜間受付業務が減ってきて、楽になったそうです。
そんな中、病院内部の人事異動があったそうです。
シルバーを担当されていた方が移動され、新しい担当者が入社されたそうです。
新しい担当者に代わったら、病院の職員さんがドンドン夜間受付業務に付くようになったそうです。
それと同時に、病院の職員さんがドンドン辞めていかれたそうです。
新しく担当された職員さんは、小泉改革が作り出した 【人間の情がない】、
弱肉強食の【弱者切り捨て主義者】 の人だったようです。
小泉改革以後、こんな人ばかりが増えました。
夜間受付業務も最初一名だった病院の職員さんが、2名になり3名になり、
とうとう、6名もの病院の職員さんが夜間受付業務に付くようになったそうです。
当然、シルバーさんの仕事が減り、稼ぎも減ります。
病院職員さんの夜間業務が2~3名までは、
病院の給料が安いんだろう!シルバーの稼ぎが減るけど仕方ないなぁ~!
と、シルバーさん達も思っていたそうです。
シルバーさんは、労働法の労働者ではありません。
個人事業主です。したがって、最低賃金の保証もありません。
シルバーさんの時給は、最低賃金以下の時給だったそうです。
個人事業主ですから、最低賃金以下でも仕方ありません。
ところが、
病院の職員さんの時給は、シルバーさん以下の時給だったそうです。
病院は、シルバーさんより、職員さんを働かせた方が、安上がりだったそうです。
とうとう、6名もの職員さんが夜間業務に付き、
シルバーさん達は一週間に、日曜日、一日だけの夜間受付業務になったそうです。
シルバーさんにも、【人間のほこり】 があります。
あまりの病院のやり方に、この病院からシルバーは引き上げよう!
と、熊本市役所のジルバー人材の担当者に言ったそうです。
市役所の担当者が病院に、シルバーは引き上げますと伝えると、
それは困る、引き上げる2ヶ月前に言ってください! との病院の返事だったそうです。
病院は、病院の職員を夜間受付業務に付かせるときは2日前に言って、
シルバーさんが引き上げると言うと、2ヶ月前に言ってください! だったそうです。
一週間に、日曜日、一日だけの夜間業務を、
最低賃金以下の時給で、4名のシルバーさんで行います。
シルバーさんは、労働法の労働者ではありません、個人事業主です。
労働者の権利である、最低賃金制度はシルバーさんには適用されないのです。
最低賃金以下で、一週間に一日だけの夜間業務をシルバーさんにお願いする。
最初、病院からの依頼は、夜間勤務をシルバーさんにお願いしたい、
但し、職員が一人、夜間勤務に付きます。
あと6日間の夜間勤務をシルバーさんにお願いしたい、との依頼だったそうです。
病院の担当者が代わったら、
一週間に一日だけをシルバーにお願いしたい、と変ってきたそうです。
この話を聞いただけでも、
この病院の担当者は、シルバーさんをあまりにも見下していますね。
シルバーさんも、稼ぐために働いているのですが。
弱者切り捨てです。
さて、4名のシルバーさんはどうなったのか?
結論から言いますと、70歳を超えた高齢者には仕事はありません。
人間のほこりを持っていた一人のシルバーさんだけが辞められたそうです。
お一人が辞められたので、他の方は『ラッキー』と喜ばれたそうです。
【病院の担当者は、人間の情がないが、私には人間のほこりがあります】
と言って、辞められたそうです。この人、男ですね!!
今の世の中、人間の情が消え、人間のほこりも消えたようです。
聞いたお話でした。