唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
終焉の時
カメラ映像機器工業会では月毎のカメラの出荷台数の統計を公表しているが、本年4月分を見て驚いた。デジタル方式カメラが前年同月比30.1%増の81.4万台(このうち一眼レフは前年同月比18.8%増の6万台)であるのに対してフィルム方式カメラは前年同月比54%減の9,839台である(いずれも国内出荷台数)。デジタル式とフィルム式の比率は82:1。
つい7、8年前には、カメラと言えばフィルムを使うのが当たり前で、デジタル方式のカメラは特殊なカメラであった。だから「カメラ」に対して「デジタル・カメラ」と呼ばれた。しかし今では完全に逆転。カメラはデジタル方式が当たり前で、フィルムを使うカメラが特殊な用途、あるいは特別な趣味を持つ人のものになった。
出荷台数では圧倒的にデジタル方式が多くなった昨今ではあるが、巷に出回っているカメラの数では、いまだにフィルム方式のものの方が多いのではないだろうか。しかし、その多くは引き出しの奥に仕舞われ、あるいは本棚の端で埃にまみれ、もはや出番はない。
年配の、所謂カメラマニアが集まる撮影会ではいまだにデジタル、フィルムが半々だと聞いたことがあるが、この分野でも徐々にデジタル方式が増えてゆくことになるのだろう。LPで音楽を聴くことが、ごく少数の人々の特殊な趣味となってしまったように、フィルムを使って写真を撮ることもまた、ごくわずかのマニアのものとなってしまったようである。
さて、使われなくなったカメラはどうなるのか。「バカチョン」と呼ばれたコンパクトタイプのカメラの多くは、引き出しの中で朽ち果ててゆくことと思うが、一眼レフは中古市場に流れてくる。中でも中~上級のものはそれなりの価格が付けられて、今でも買い手が現れる。
一眼レフ大手のNikonがフィルム方式カメラのラインナップの大幅縮小を打ち出した途端に、F3、F5、F100、FM3Aと言った中~上級機種の中古価格が一気に上がった。価格が上がるだけなら良いが、F100、FM3Aは売り物が極端に少なくなり、特にFM3Aはたまに見かけても現役当時(つい最近のことなのだが)の新品価格を上回る値札が付けられていることも珍しくない状況なのである。
かくいう私は、Nikonのフィルムカメラ事実上撤退報道の直前に、程度良好のFM3A(ブラック)を手に入れた。良い買い物であったといえる。実は、そのFM3Aがいよいよ来週、実戦デビューなのである。果たしてこのページで紹介できるほどのものが撮れるかどうか。「請うご期待」と書いておきましょう。
今日の1枚は、初夏の味、枇杷(びわ)。
[ 撮影 : いつもの東京都下某所 ]
つい7、8年前には、カメラと言えばフィルムを使うのが当たり前で、デジタル方式のカメラは特殊なカメラであった。だから「カメラ」に対して「デジタル・カメラ」と呼ばれた。しかし今では完全に逆転。カメラはデジタル方式が当たり前で、フィルムを使うカメラが特殊な用途、あるいは特別な趣味を持つ人のものになった。
出荷台数では圧倒的にデジタル方式が多くなった昨今ではあるが、巷に出回っているカメラの数では、いまだにフィルム方式のものの方が多いのではないだろうか。しかし、その多くは引き出しの奥に仕舞われ、あるいは本棚の端で埃にまみれ、もはや出番はない。
年配の、所謂カメラマニアが集まる撮影会ではいまだにデジタル、フィルムが半々だと聞いたことがあるが、この分野でも徐々にデジタル方式が増えてゆくことになるのだろう。LPで音楽を聴くことが、ごく少数の人々の特殊な趣味となってしまったように、フィルムを使って写真を撮ることもまた、ごくわずかのマニアのものとなってしまったようである。
さて、使われなくなったカメラはどうなるのか。「バカチョン」と呼ばれたコンパクトタイプのカメラの多くは、引き出しの中で朽ち果ててゆくことと思うが、一眼レフは中古市場に流れてくる。中でも中~上級のものはそれなりの価格が付けられて、今でも買い手が現れる。
一眼レフ大手のNikonがフィルム方式カメラのラインナップの大幅縮小を打ち出した途端に、F3、F5、F100、FM3Aと言った中~上級機種の中古価格が一気に上がった。価格が上がるだけなら良いが、F100、FM3Aは売り物が極端に少なくなり、特にFM3Aはたまに見かけても現役当時(つい最近のことなのだが)の新品価格を上回る値札が付けられていることも珍しくない状況なのである。
かくいう私は、Nikonのフィルムカメラ事実上撤退報道の直前に、程度良好のFM3A(ブラック)を手に入れた。良い買い物であったといえる。実は、そのFM3Aがいよいよ来週、実戦デビューなのである。果たしてこのページで紹介できるほどのものが撮れるかどうか。「請うご期待」と書いておきましょう。
[ 撮影 : いつもの東京都下某所 ]
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