柏葉紫陽花

 「かしわばあじさい」と読みます。ユキノシタ科ですので、間違いなく紫陽花の仲間なのですが、葉も花も、見慣れた紫陽花とは随分と違っていますが、花の咲く時期は、ほぼ同じです。
 
 「柏葉」の名は、葉が柏(かしわ)の葉に似ていることからのようですが、柏葉紫陽花の葉がはっきりと分裂(紅葉や八手(やつで)のように葉が深い切れれ込みがあること)しているのに対して、柏(かしわ)の葉は、確かに縁が波打ってはいるのですが、これは丸い鋸歯(きょし。葉の縁のトゲのこと)であると解され、「不分裂」に分類されています。ですから、葉の形から名前を付けるのならば「紅葉紫陽花」や「八手紫陽花」あるいは「無花果紫陽花」などの方が相応しかったかも知れませんね。
注:樹木の葉は不分裂、分裂、掌状(トチノキなど)、羽状(ナナカマドやサンショウ)、針葉(杉など)に分類され、樹木の種類を特定する大切な要素となります。

 花の付き方も「紫陽花」とは少し変わっていて、写真からはわかり判りにくいのですが、ブドウの房のような形(花穂)に花を付けます。花穂の形からは「葡萄紫陽花」とか「虎の尾紫陽花」という名前でも良かったのかも知れないな、と思ってしまいます。

コメント ( 2 ) | Trackback (  )