唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
フォーミュラE、開幕
モータースポーツの歴史に新たな1ページを加えることになるフォーミュラE(FE)は、文字通り音も無く静かに始まった。
郷秋だけが知らなかったのかも知れないが、レースは北京市街地の3.44kmのコースを25周、つまり走行距離86kmで行われた。この86kmのレース半ばで一度マシンを乗り換えることがレギュレーションで決められているから、決勝レースにおけるバッテリーライフは43km+αと云う事になる。ドニントンパークをフルスロットルで走行したらバッテリーが3、4周しか持たなかったと云う事前情報があったが、それよりはかなく多くの距離を走ることが可能だったようである。
レースは深く静かにと云うのか、淡々と行われた印象だが、2台目のマシンに乗り換えた後半戦はそれなりにヒートアップし、オーバーテイクの見せ場もあった。上位陣ではそれなりのバトルがありながら、後方のマシンはただただ淡々と走ると云うモータースポーツ(文字通りモーターだ!)の伝統はここでも守られていた。更に残念だったのは、FEの国内の放送権を獲得したテレビ朝日が、レース最終周前で放送を終了してしまったこと。
ニコラ・プロストの優勝かと思われたレースの最終周の最終コーナーで、プロストをオーバーテイクしようとしたニック・ハイドフェルドの行く手をプロストが塞ぎ2台が接触、ハイドフェルドが宙を舞い、それまで3位を走行していたルーカス・ディ・グラッシ(アウディ・アプト)が漁夫の利を得ると云う結末を放送しなかったのは、歴史に残る「不祥事」と云える。FIAからのお叱りのみならず、局内での処分も必至だ。いや、身内の不始末に甘いマスコミだから、それはないか。
すべてが初めて尽くしのレースであった。シーズン中にはいろいろなことがリファインされるだろうし、来シーズンになればマシンは各チームが独自に製作(調達)することになっているので今シーズンよりも更にチーム間格差が広がることが予想される。電気自動車用のバッテリー開発のスピードも速いので、走行するマシンのスピードも上がりレース距離も伸びることも予想される。今日のレースを見る限りでは、市販2000cc(もしくは過給機付1400cc)クラスのノーマルカーによるレース程度の速さであるように思えたが、来シーズンには「大化け」していることを大いに期待したいものである。
「恩田の森Now」
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本日撮影した写真は明日掲載予定ですのでお楽しみに。