私立大学の44.5%が定員割れ

 日本私立学校振興・共済事業団が今年実施した「学校法人基礎調査」の結果をまとめた「2016年度私立大学・短期大学等 入学志願動向」を公表した。
http://www.shigaku.go.jp/files/shigandoukou283.pdf

 大学全体に占める入学定員未充足校の割合は44.5%(前年比1.3ポイント増)となった。一方、集計対象となった577校全体の定員充足率は104.4%と100%を超えている。「ねじれ」にも見えるこの矛盾の原因は大都市圏の大規模大学に入学者が集中し、地方に多い小規模校の入学者が大幅に減少しているところにある。

 短期大学は集計対象の311校全体の定員充足率は90.07%(前年比2.71ポイント減)で、入学定員未充足校が66.9%(前年比5.9ポイント増)もある。ただし、東京・神奈川の短期大学の入学定員充足率は100%を超えており、大学同様地方の短期大学に入学定員未充足校が集中していることが伺える。

 例えば、大学設置基準(この基準が満たされていないと大学を設置することが出来ない)により入学定員100人(収容定員400人)の大学には10人の教員が必要だとする。大学を設置する学校法人は10人の教員に支払う給与と学校運営に必要な諸経費を400人の学生が納入する授業料から支払う。所謂利益はほとんど無いと考えて良い。この大学のある年の入学定員充足率が50%、つまり入学者が50人になったとすると教員の給与など学校運営の諸経費支払いのための資金が1/8不足することになる。この状態が4年続くと必要な資金の半分が不足し支払いが滞り、これが続くと倒産することになる。大学も倒産するのだ。

 「動向」を仔細に見ていくと、入学定員充足率が50%未満の大学が13校、短大が11校あることがわかる。この24の大学・短大は既に倒産の危機に晒されているわけで、遠からず倒産の憂き目を見るのは必至。

 大学に入ろうとする高校生は、少なくとも在学中に倒産する心配のない大学を選ぶ必要がある。まず安心なのは大都市圏の大規模校(有名校でもある)である。ただし、この手の大学に入学するのは難しい(入学定員が400-500人の大学志願倍率は3.11倍、3000人以上の大学は12.08倍)。高校生の皆さん、ポケモンGOで遊んでいないで勉強しましょう。全国の高校生が大都市圏の大規模校を目指して一所懸命勉強して目標を達成すると、地方の小規模校の経営がますます厳しくなり倒産(経営破たん・閉校)となる大学が更に増えることにはなるのですが・・・。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続いて12年前に当時の最新鋭DSLR、Nikon D70で撮った凌霄花(のうぜんかずら)。

 横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影し掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは7月19日に撮影の写真を4点掲載しております。またまた梅雨晴れ間の猛暑となった森の様子をご覧いただければ幸いです。なお、先々週と先週の撮影&掲載は都合によりのお休みしました。今週末はいつも通りの撮影&掲載を予定いたしておりますのでどうぞお楽しみに。

blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori

 

 

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