既婚者と独身者の間にある「広く深い溝」

 「SMAP解散。既婚者と独身者の間にある『広く深い溝』を埋めるものとは?」
 いまだに絶大な人気を誇るアイドルグループの解散について、某フリーライターが書いた記事のタイトルである。郷秋<Gauche>としては記事の中身には何の興味もない。そのタイトルで使われた「既婚者と独身者」が気になっただけのことである。

 ライターは「既婚者」と「独身者」を対義語と捉えているようだが、これは違うんじゃないかと思うぞ。既婚者と対を成す、つまり「婚」ではない状態の者を表す言葉は未婚者でしょう。そして独身者と対を成すのは妻帯者。

 既婚者と妻帯者はどちらも結婚している者を、独身者と未婚者はどちらも結婚していない者を指すのでそれぞれ同じ意味ではあるけれど、既婚者と未婚者は結婚しているかしていないかと云う視点、独身者と妻帯者は妻がいるかいないかと云う視点からの云い方だ。

 対義語としては「既婚者と未婚者」「妻帯者と独身者」であって、厳密な意味では「既婚者と独身者」は対義語ではないと思うぞ。そう云う意味では、「広く深い」程ではないと思うけれど、確かに「溝」がある。郷秋<Gauche>はフリーライターではなく「ライターのフリ」だから間違っているかも知れないけれど・・・。

 しかし日本語は面白い。「既婚者と未婚者」は男女どちらにも使える云い方だが、「妻帯者と独身者」は男についてのみ成り立つ云い方で、女性には使えない。妻帯と云う言葉があっても夫帯と云う日本語はないのだ。夫は外で働き妻は家を守るのが当然のことであった時代に作られた言葉なのだろう。そういう意味で妻帯は、いまや差別用語と云えるかも知れない。近頃では主婦ではなく主夫と云う言葉があるくらいだから、「夫帯者」があっても良さそうだけれど、聞かないね。


 と云う訳で、記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、今どき道端でたくさん咲いている蔓穂(つるぼ)。名前に「蔓」の字が当てられているが、蔓性と云う訳ではない。

 毎週撮影し掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは8月15日に撮影した写真を5点掲載いたしております。秋の足音が聞こえ始めた森の様子をどうぞご覧いください。
blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori

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