弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

陸山会事件の政治資金規正法違反について

2012年03月10日 | 裁判・法律

9日、検事役の指定弁護士が論告求刑をしました。禁錮3年ということです。

共謀の立証は十分ということです。

こういう仕事をしていると、とりわけ、双方の言い分が全く異なることが
あります。
神でないものにとって、何が真実か見極めるのは極めて困難です。

中でも誰かが意図的に何かを企んだときは、真実が見えてくるのは
難しいです。
神のようにはるか上から全体を見渡せれば、それほど難しくないかもしれませんが、
普通の人間は極めて狭い世界を生きています。
ちょっと離れたところの動きすら知りえません。
謀られてしまうと、当事者ですら、何が何だかわかりません。
そして、人が第三者にどのような思いを抱くかも、これは本当にわかりません。

小澤事件については、裁判所に公正な判断をお願いするしかありません。
国民を納得させるものであってほしいです。

 


陸山会、田代検事作成捜査報告書の虚偽記載問題

2012年02月27日 | 裁判・法律

東京地検が市民団体の告発に対し、任意聴取など調べを始めたということ
です。

徹底的に取り調べをし、その結果を広く国民に公表してほしいと思います。
何があったか、何が起こっているかがわかるように詳細な報告が必要です。

政治が機能不全に陥っています。
社会の悪と戦うべき検察で、どうやら日常茶飯事的に供述調書や捜査報告書
の記載が捻じ曲げられていたようですが、
国民の目が届かないのをいいことに、あり得ないことが日常的あったというのは
本当に恐ろしいことです。
検察も機能不全に陥っています。

つい最近、裁判官が自ら過ちを認め、再考のうえ更正したことを書きましたが、
裁判所のコソコソした様子に、何度もおかしいのではないかと
うちうちでは抗議していたのです。
裁判所もいい加減です。
いずれどこかで明らかになることを期待しています。
裁判所も機能不全に陥っていると思います。

日本中で、無責任が横行しています。

今、希望が持てるのは、橋下氏の動きです。
ただ問題は関係者が多くなればなるほど、質が低下するということです。
政治は数ですが、まずは精鋭部隊の中核をしっかりと作ることだと思います。

まずはあらゆるところにある馴れ合いを止めなきゃいけないと思います。
その最初として、検察の無法状態の実態を明らかにし、
その抜本策を講じ、正常化に向けた一歩を進めることです。

公正社会の実現が今一番求められています。

     

    
 どこにいっても緑があります。見かけだけは快適になりましたが、
中身はどろどろ、ぼろぼろが今の日本です。

 

 


法廷から「どうぞお好きにツイートしてください!!」

2011年12月16日 | 裁判・法律

といっても、これは日本のことではありません。

イギリスでは、昨年から、試行的に、担当裁判官の許可を得て、ツイートできる
こととし、その間、マスコミ関係者や法律関係者や一般市民の意見を聴取
していましたが(以前にブログに書きました)、
12月14日、正式に、ガイドラインが発表されました。

これによると、ノートパソコンやスマートフォンからライブのテキスト形式の
報告ができることになりました。
マスコミ関係者の場合は、特に許可も必要ありません。
一般市民の場合は、許可が必要です。
ただし、審理に障害があれば、判事はいつでも、使用を停止させることが
できるというものです。

ただし、写真撮影はこれまでどおり禁止です。

一番の懸念は刑事事件で、法廷外で待機している証人が、中で
起こっていることを知って、影響される可能性があるということなどです。

ですから、現実には、無制限に法廷からのツイターやブログによる生中継
が許されるというわけではないとは思います。
特に、一般市民による利用は、事実上認められることは少ないのでは
と予想されます。

なお、不都合が生じると、法廷侮辱罪に問われることになります。
日本と違って、法廷侮辱罪が発動されることが多いようなので、
乱用の歯止めになるのでしょう。

裁判に対する考え方は、イギリスやアメリカと日本は、大きく異なっており、
パブリックによる監視は当然と認められているようです。
陪審による裁判を受ける権利というのは同じ発想によるものです。

公正・適正な審理というのは、基本的は公開裁判の原則にあり、
審理の様子を公正に正確にレポートするというのは、公開の原則の
一部分だという考えです。

小澤裁判のような場合、イギリスならどうなるのでしょうか?

 

 


日本女性がアメリカからの長女連れ去りを認める(ウィスコンシン州)

2011年11月23日 | 裁判・法律

渉外結婚が離婚に終わったとき、日本の女性は大抵こどもを
連れて日本に帰ることが多いです。
アメリカでどのような判決が出ようが、女性たちが日本にいる限り
あまり関係がありません。

このいわゆるウィスコンシンの事件は、たまたま女性が永住権の更新の
ためにハワイに戻ってしまい、そこで逮捕されたものです。
かなり前に三浦氏がやはりグアムに行ってアメリカ側で逮捕されたことが
ありました。
アメリカというのはそういう国ですから、本来はハワイなどに行くべきでは
なかったのですが、軽率だったのか、あるいは逮捕の危険を冒してでも
アメリカの永住権がほしかったかです。

いずれにしても、21日、ウィスコンシン州の裁判所で親権妨害罪の裁判が
あり、当初は、女性は、無罪を主張していましたが、裁判になれば有罪となり、
最大7年半の懲役刑の可能性があるので、
有罪を認め、司法取引することにしたとのことです。
長女をクリスマスまでにアメリカに戻すこと等が条件です。
その場合には、未決勾留期間程度ですむということですし、また、アメリカに
居住することもできるということです。
アメリカの永住権に対するこだわりを考えると、司法取引しかあり得なかった
と思います。

さて、現地の報道によると、日米間で同様の連れ去りのケースは300件ほど
あり、本件はアメリカに戻すことを認めて解決した初めての事例ということで、
この9歳の少女は円満解決事例のシンボル的存在になるのではと期待されて
いるようです。
現地の報道はここをどうぞ。

アメリカの永住権がほしいのなら、やはりアメリカの法律を尊重するのは
当然のことです。

今まで日本は特別だからという理由で、G7の国のうち、ヘーグ条約を批准
していない唯一の国です。
しかしながら、子供にとっては、どちらも親です。
洗脳して父親を遠ざけるというのではなく、それぞれの法律制度の違いや
親権についての考え方の違いを認めつつも、
可能な限り譲歩・妥協し、子供のために一番いい方法も見つけるよう
工夫すべきです。

そういう意味で、今回のケースは有意義な先例と評価したいと思います。

最近のTPPもそうですが、零か100かではない現実的な解決点を見出すための
努力、そこに着地させるための努力や工夫をもっとすべきだと思います。


小沢一郎氏の裁判について

2011年10月15日 | 裁判・法律

14日、2回目の公判がありました。

法廷の傍聴はしていませんが、インターネット等を見た限りで
意見を述べたいと思います。

買主が代金を完済しながら、移転登記を遅らせるというには
基本的にはあり得ないことなので、異常です。
二重売買をさせれると先に登記をした方が(代金に支払いは後でも)
所有権を取得することになるからです。
登記を遅らせたい何か理由があったと考えるのは常識的でしょう。

また、録音テープの音声を再生したことは賛成です。
反訳だけではわからないことがときにはあります。
普通は生のテープは反訳が正確かどうかを担保するためにあるのですが、
まれに反訳と生のテープで全然意味が違うことがあります。
私もそういう経験をしたことがあります。
民事でしたが、法廷で再生はしませんでしたが、
裁判官に、実際に再生して聞くようお願いしたことがあります。
判決はそれが反映されていたと思いました。
どうやら全部ではなかったようですが、雰囲気はわかったのでは
ないでしょうか。

勝負はこれからでしょうが、裁判所の訴訟指揮が大いに影響が
あるように思います。
弁護人は異議を連発しているということですから。

そもそも政治資金規正法はザル法です。
そういうザル法を作ったのは、適用される本人である国会議員です。
そういう人を守る必要性はそれほどありません。
だとすると、厳格な訴訟指揮は、そういう政治家を守ることになる
だけです。
むしろ真実発見のために、明らかに問題がある場合以外は異議を認める
ことなく、証言させるべきと考えます。

そういうことで、今回の裁判は指定弁護士とともに
裁判所も試されているということではないでしょうか。

ウオッチングしていきたいですね。