ホテルの部屋に入るなり、ブラインドのカーテン生地のえんの繰り返し模様が目に飛び込んできた。
悪くはない。今風である。カラーも含めて。
えんは決して無造作に描かれたものではないはず。
パターン探しをした。こういうことには気になるからである。見つけたと思う。
廊下には壁掛け額があった。額の中には、
大きさ、形の異なる6つのえんが描かれている、一つだけ塗りつぶされている。
2種類あった。絵というべきかどうかわからない。やはり絵かな。
手書きなのか、アプリを使ったものか、判断できない。
ただ、カーテンの模様と統一性があるとみた。
そうすると、テーマはなんだろう?
部屋の中には、横長の額が掛かっていた。何か文章が書かれているようだ。
近寄ってみると、点線が描かれているだけである。
更に目を凝らしてみると、紙にえんの地模様がある。カーテンの模様と似ている(同じではない)。
何かテーマがあるはず、思いたくなる。
それとも、絵や図を描く一等最初は、えんを描くことから始まるからだろうか。
そういう気がしないでもない。
書かれた文章も遠方から見れば、点線にみえる。
なんとなく意図が、真意が見えてきた。
もともと、日本の文化は、簡素をよしとする。
現在のホテルには、廊下には額を、部屋にも額があった方が、落ち着く。
基本の図形は線と円と角である。落ち着くのは円形である。
日本文化の伝統と洋風文化(ホテル)とを経済合理性を考慮しつつうまく融合したのであろう。
謎解きが出来たせいか、熟睡した。