国籍については、大きく分類すると、血統主義と出生地主義の2つが
あります。
日本は血統主義で、どこで生まれたかではなく、父が日本人であれば
子供は日本国籍を取得します。
アメリカは出生地主義で、アメリカで生まれた子はすべてアメリカの国籍に
なります。
それは良くわかっていましたが、何となくイメージとして親が何らかの形で
居住している場合かなと思っていました。
ところで、アメリカも9・11の事件以降、不法滞在者の取り締まりが厳しくなり、
それをもとにしたドラマや映画が数多く作られています。
題名は忘れましたが、親が不法滞在者であっても、その間に生まれた子は
当然アメリカ国籍なんですね。ですから、家族のうち一人だけがアメリカ人
ということはしばしばあるということは理解するようになっていました。
ところが、旅行者であっても、たまたまそのとき産気づき、アメリカで出産する
と子供は、たまたま生まれたところがアメリカだったといだけですが、
アメリカ国籍を取得するのですね。
アメリカの法律は、今現在、そういうことらしいです。
そこで、それを逆手にとって、世界中の金持ちたちの間で、観光ビザで入力し
アメリカで出産する、出産ツアーというのがビッグビジネスになっているという
のです。
飛行機代、ホテル代、医療ケアがパックになり、出産後回復したらすぐ帰る
のですが、帰りは、アメリカ国籍を持った赤ちゃんが一緒というわけです。
中国人、メキシコ人、アラブ地域の人といろいろのようです。
こどもが大きくなってアメリカに行きたい、勉強したい、働きたいという場合に
備えての準備です。
日本でも生まれる前から有名私立校の入学準備というのを聞いたことは
ありますが、アメリカンドリームを夢見て、アメリカ国籍を取得するというのです。
教育熱もここまできたということでしょうか。
これは、今のアメリカでは、法律的には全く問題はなく、合法的なのです。
アメリカの国力は下り坂ですが、しかし、英語は世界共通語です。
それが母国語というのは何と言ってもメリットです。それはイギリスも同じです。
誰も中国とか日本の国籍をわざわざ子供のために取得しておきたいとは
思わないはずです。
ここまで簡単に取得できるにもかかわらず、オバマ大統領は、当選前も
当選後も、アメリカ国籍(Birthrights)がないのではといわれています。
逆にいえば、だからこそなのでしょう。
どうしてBirthrights(生得権)といわれるのか、ようやくわかりました。