上図は、二年ほど前に岡山市内のブックオフで購入してきた、イタレリの38(t)戦車のキットです。中古品だったためか、値段は800円でした。普通は通販価格でも3000円前後はする製品です。これは破格的に安いんじゃないか、と驚いて嬉しくなって、衝動的に買ってしまったのでした。
ですが、その後で、買った事を後悔しました。このキットの38(t)戦車はたぶんD型以降のタイプで、ガルパンに登場するB型とは各所で異なります。ガルパンに登場する38(t)戦車は、最近までずっと、アニメ、コミックを問わずB型で表されていたため、トライスターおよびホビーボスの同型車キットのみが適応キットでありました。
ところが、今年2019年からコミックウォーカーさんにて公開連載がはじまった上図のガルパンコミック「樅の木と鉄の羽の魔女」が、私の過去の後悔を吹き飛ばしてくれました。
作中に登場している伯爵高校チームの戦車の幾つかが38(t)戦車で、とくに上図の7号車は形状から見てB型ではなく、E型以降の特徴が随所に看取出来ました。しかも、大洗女子学園カメさんチームの38(t)戦車とは明らかに異なるタイプでした。
そのことを把握した途端、あのイタレリのキットが活かせるのではないだろうか、との思いに至りました。
早速、押し入れから例のイタレリ製品を引っ張り出して開け、パーツを色々見て、何型であるかを確かめようとしましたが、製作ガイドにも明確な記載が見当たらず、型を特定出来ないままに終わりました。前掲の作中車7号車にピッタリかというとそうでもなく、幾つかのパーツを調達補充しないと作中車にならない、という点も判明しました。
それならば、足りないパーツをジャンクから色々取り出して使えばよい、以前にカメさんチームの搭乗車をドラゴンのG型のキットで製作した際に生じた沢山の不要パーツのなかにそれらしい物があったな、と考えました。
とりあえず、このイタレリキットを有効に生かしてガルパンの作中車に仕上げてみることにし、その製作過程の楽しさに胸を躍らせたことでした。
製作ガイドの図面を開いてみると、上図の5ステップが全てでした。カメさんチームの搭乗車をドラゴンのG型のキットで製作した時は色々と手間がかかって大変だった記憶がありますが、こちらのイタレリキットはパーツ数も少なく、楽に作れそうでした。自然に気合が入ってまいりました。
ステップ1です。イタレリスタンダードのガイド図は、相変わらずゴチャゴチャと複雑に描きこまれていて、幾つかのパーツの取り付け位置が分かりにくかったりします。そのへんは実際にパーツを仮組みしながら全体の姿をチェックして、接着位置を見極めるしか対処法がありませんでした。
今回は、インテリア部分は省きましたので、車内に組み込む16から22までのパーツは不要となりました。またガイド図ではパーツ14を熱したドライバー先で焼き止めする旨の指示がありますが、下手すると溶かしてしまいかねないので、普通に接着剤で固定しています。
なお、転輪だけは、塗装後に履帯とともに取り付ける予定です。
車体の組み立てからとりかかりました。
組み合わせに支障はなく、カッチリと組み合わさってスムーズにまとまりました。
サスペンションのパーツも最低限の数なので、ドラゴンの時とは全然違って、気楽に組めました。
組み上がりました。シンプルな出来上がりですが、転輪を付ければ殆ど見えなくなりますので、何ら問題はありません。
片側が終わったので、もう片側も組み立ててゆきました。
仕上がりました。ここまで15分ぐらいでした。
起動輪のパーツです。
組み付けました。もちろん接着していませんので、回転しますし、取り外しも可能です。こうしておくと、履帯パーツをかませてはめ込む事が出来ます。
誘導輪のパーツです。誘導輪の穴は、型によって異なっており、A型からE型までが卵形、F、S、G型がダルマ形です。今回のキットの誘導輪の穴は卵形でしたので、E型までの各型に相当します。これによって今回のイタレリ製品の38(t)戦車は、D型もしくはE型の初期タイプを再現しているのだろうと推察しました。
誘導輪をセットしました。これも接着していませんので、回転しますし、取り外しも可能です。 (続く)