毎日暑いですね。
下の写真は、大工さんの道具です。 といってもこの道具を使っている大工さんは少なくなってきました。
何の道具かといいうと、柱や梁にホゾ穴を開ける機械です。 ホゾ穴というのは、柱と土台をつなぐときに掘る穴なんです。詳しく知りたい方は検索してみてください。
最近はプレカットといって、あらかじめ工場で材料を切ってきますので、このような道具を使って加工することはほとんどないのです。今回は、改装の現場ですので、新たに柱を建てるため現場での加工をしてもらっています。そのために使用しています。
このように、現場で加工できる大工さんは貴重な存在になってきました。
さて、その現場での写真をもう一枚。
解体したときに発見した柱の状態です。完全に朽ちていました。 まだ、建てられてから20年も経っていないのに。
原因は雨漏れです。上部のバルコニーから少しづつ雨漏れしていて、そしてこのような状態になってしまっていました。
このようなところを発見すると、ゾッとします。
もし、タマゴグミで建てた家がこんなんになっていたらと思うとゾッとするのです。
私は、設計事務所にいたときよりも今、タマゴグミで造っている家を考えると、本当に無難な家を造るようになりました。要は普通の家になったということです。
軒を沢山出す。屋根の形は基本的には切妻で複雑な形にはしない。防水を使用したバルコニーは使わない。デザインが良いからと、木造での真四角な家は造ってはいけないとタマゴグミの理念書にも書いてあります。
建物とは、もともとおかしなものなのです。
落ちてくる雨を防ごうとしていたり、吹いてくる風を入らないようにしたり、温度を保ったり・・・
自然へ思いっきり逆らっているものが「家」といっても良いほどです。
それを長持ちさせようとしたら「自然に逆らっているんだ」ということを、作り手が認識して、屋根とかの部材の役割分担をきちっと決めて、出来る限り部材に無理をさせないように造ることだと思います。
そしてデザインは、上記の条件を満たした上で美しく仕上げる努力であって、決して主張であってはいけないと思っています。
うん、久々にいいこと言ってしまったな・・・