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障害者自立支援法の対象になるためには、年収制限があります。以前の制度より厳しくなって、助成を受けられる層がかなり狭まりました。住民税を年間20万円以上払っている「世帯」には、「1割負担」そのものが適用されません。 「1割」で前より負担が多くなるといっても、医療費が高額な心臓病治療などでは、「上限約4万円」は安心の目安です。ところが除外されると、負担増は3万どころでは済みません。「高額医療」の上限は1ヶ月1疾病1診療科で約8万円です(それも医療費のみが対象)。これはあとから差額が返還されるしくみで、医療機関には先にお金を払わなければなりません。 このように、自立支援法の内と外では、負担に大きな差があるのです。もっとも打撃を受けるのは、住民税の納付額が20万円をちょっと越えてしまった、という家庭。従来からの利用者には、急激な変化を避けるため、5年間の経過措置があります。また、「継続的に相当額の医療費負担が発生する場合」は、医療費の上限額が決められていますが、指定の疾患のみとなります。 たくさんの人々が、これまで国から支援される中で安定した家庭を築き、障害児者を守りながら働き、相応の税金を払ってきました。かろうじて成り立ってきた彼らの「自立」を新しい法律は「支援」してくれません。この法律の「外」におかれることになった人々への対応を誤ると、家族の就労が妨げられ、障害者のケアにも手が回らず、障害者とその家族の環境は悪化して、大きな問題になっていくでしょう。 今後は、一定の所得幅(たとえば住民税20万円超50万円以下の場合)で、大幅減税や特別控除などの対策を考えていく必要があります。 同じホームヘルプでも、社会福祉法人のホームヘルプ(社協など)を使ったら、24,600円と15,000円の階層の人(ただし、資産350万円以下)は、この自己負担の上限額が半額になる場合がある。NPO法人(ILセンターなど)のホームヘルプを利用したら、基本的には半額にならない。ただし、その地域に利用者が必要なサービスを社会福祉法人が提供していない場合は、市町村はNPO法人も減免にすることができる。(ここは重要なので、下記の解説を参照)<o:p></o:p> ・ たとえば、本来自己負担上限額が24,600円の人は、12,300円になる。残りの12,300円は本人に代わって社会福祉法人が負担する。ただし、社会福祉法人が12,300円負担すると、国・県・市から社会福祉法人に補助金がでる。実質的には社会福祉法人の負担は月3,000円程度(24,600円の場合)となる。<o:p></o:p> ・ 複数の社会福祉法人からサービスを受けている場合は、それぞれのサービスに1割負担が生じ、その負担に対して社会福祉法人減免が適用される。全部を足すとサービスを受ける本人は上限の15,000円・24,600円まで払わなければならないことがある。実質的には、1つの社会福祉法人で全部のサービスを使わないと半額にはならない。<o:p></o:p> ・ この減免を受けられる利用者は資産が350万円以下で、15,000円・24,600円の階層の人が対象。37,200円の人は対象外である。<o:p></o:p> ・ アンダーラインのところをもう少し詳しく書こう。1/16の全国大行動と厚労省との交渉で明らかになったのだが、厚労省は社会福祉法人以外を減免として認める場合は、個別1つ1つの内容は問わず、このように説明すると言うことである。例をあげると、まず1つは、①地方なのでその地域に社会福祉法人でホームヘルプサービスを提供しているものがなかった場合は、NPO法人なども減免の対象として認められる。また、②都市部で事業所が多いところでも、夜間の介助派遣を社会福祉法人でやっているところがなければ、NPO法人で夜間派遣を行っている事業所は減免の対象となる。こういった例が考えられる。しかし、これはほとんどの自治体は知らない。都道府県と交渉を行って、情報を提供し、厚労省に問い合わすなどして確認をしてもらい、認めさせていくということが必要である。<o:p></o:p> 大まかな負担の話しをしてみました。 |