ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者差別の東横インに対して企業は社会的責任としてどう対応したか

2008年11月29日 23時54分47秒 | 障害者の自立
 建築基準法やハートビル法に違反し、さらに障害者差別発言を繰り返した東横インは、全国ビジネスホテルチェーンと名乗っている。とすれば、利用者は民間会社に勤務している従業員が大半であろう。東横インが障害者差別であることはすでにこのページでも触れてきた(「2006.02.12 東横インの違反事件を日本の企業社会改革の視点から見直す」や「2006.04.23 障害者市民を差別してきた東横インに対する地域の取り組み」など)。このたび、多くの従業員が利用しているのであろう民間企業の対応について、社会福祉法人大阪ボランティア協会が、ボランティア協会と関係がある企業にアンケートを実施した。その概要が社会福祉法人大阪ボランティア協会の機関誌「Volo(ウォロ)」(第416号、2006年06月)に掲載されている。興味深い点を紹介する。

■ CSR報告書は公表しつつも企業の差別問題に鈍い感性
 調査は大阪ボランティア協会がCSR(企業の社会的責任)報告書を受領している企業を対象に行った。CSR報告書を発行している企業だから、企業の社会的な役割について敏感な企業であると思う。

 調査は2006年02月15日から02月28日にかけて、質問紙によるアンケート方式で実施された。対象企業数はCSR報告書を大阪ボランティア協会に贈っている会社248社である。ところが回答した企業数は47社、回収率は18.9%である。2割未満である。この回収率をどう評価したらいいのだろうか?低いと思う。

 CSRに取り組んでいる企業は、実際には少ない。数少ない企業を対象にしていたにもかかわらず、20%未満の回収率である。回答期間が2週間と短かったとはいえ、東横インの不正事件が大きな問題になっていた時期であるだけに、企業は高い関心を寄せていると思いこんでいたが。

 多分、マスコミや投資会社などのCSR調査やSRI(社会的責任投資)の調査であれば、もっと多くの企業の実務担当者は、「忙しい時期に、こんなアンケートに答える時間はない」とか言いながら対応するはずである。調査依頼を放置しておけば、その会社がCSRに積極的に取組んでいない証拠と評価されるのを恐れて、であったとしても。

 CSRに取組んでいると自賛している民間企業も、この件については動きが鈍かった。会社が掲げているCSRを社員の行動で示すという発想は少なかったといえる。なぁんだ、日本のCSRは環境や人権とか立派な建前を掲げながらも、実際の企業行動や社員の問題として具体的に考えていなかったのだと決めつけたくなる。

■ 社員の出張時に東横インの利用を認めない企業は数社
 不正改造も問題だが、障害者差別を起こした東横インホテルを、社員が出張で利用することを規制する企業は、わずか数社でしかなかった。事件を起こした東横インについて「社員の利用を認めないことを決め、通知した」企業は回答社47社中で4%、「利用を控えるよう通知した」企業も4%である。出張時の利用を認めない決定をした企業はあわせて8%しかない。これにくわえて「利用規制の検討を始めている」が2%ある。

 回答を寄せた企業のうち10%が、社員の利用を規制しているか、検討しているという。CSR報告書を公表している企業を対象とした調査であっても、この程度の低い数値である。日本の企業社会では、この数値をどう評価するのだろうか。もっと広く一般の企業を対象にした調査では、さらに低い数値がでるであろう。

 大阪ボランティア協会の機関誌の記事は、明確な評価を下していない。企業の社会貢献活動とつながりの強いはずの大阪ボランティア協会であるからこそ、判断結果を示してほしかった。回答を寄せた企業の中で「とくに利用規制などはしていない」という回答が74%にものぼったことは、私にはかなりさびしい結果と思える。

■ 東横インの法令違反ビジネスを放置している日本の企業社会
 このデータは2006年05月16日に大阪NPOプラザで開かれたCSRを応援するNPOネットが主催した「これからの『CSR購入』について考える――組織の<社会的責任>と個人(社員)との関わりを考える――」と題したシンポジウムで発表されたそうだ。企業の社会的責任と東横インの法令違反事件とを結びつけて考える催しは、貴重だ。こうした調査も他に類がない。主催者の問題意識は鋭い。

 しかし、対する企業は、社会的責任について鈍感だということだろうか。企業がうたい文句として流行させているCSRと、実際に社会的な役割を企業が果たすかどうかの間には、かなり高い壁がそびえていると受け取った。

 こうした懸念は大阪ボランティア協会の機関誌「Volo(ウォロ)」の記事からも伺えると思う。記事の最後には「法令違反の状態にあるホテルを『便利だから』『安いから』といった理由で利用することは、積極的にバリアフリー化を進めるホテルなどの利用が減ることにもつながる。これでは、社会的なCSR向上の意欲を削いでしまいかねない」と書いている。記事を書いた筆者の危機感というか、残念な気持ちが滲み出ている。

 CSRといいながらも、企業はやはり自社の利益だけを基準に考えて行動している。社員にも主張旅費を節約するように迫っている。こうした行動が続いた結果、社員やその家族も、自分の選択基準を「安い」という価格だけに固定している。社員の選択範囲を狭めている。こうした企業社会であれば、東横インなどの社会的な基準に違反した企業も、今後も企業活動を続けるであろうし、より大きな収益をあげ続ける結果にもなる。

 社会的には縮小につづくさらなる縮小が社会の主流になる。その集大成は「小さな政府論」であろう。支援が必要な未知の人への出資や拠出、寄付金であっても、あるいはボランティアとしての労力提供であっても、利益として評価されない限り、すべてムダと切り捨てる。そうした個人営利主義的な私人を育成している企業社会が見える。企業の営利行動の強さと市民社会性の弱さが、明確である。NPOも事業規模は大きくはなったが、こうした企業社会のあり方に手をつけられない社会的力量の弱さとも関連していると、私は思う。

■ CSR定着に向けてメリハリのある対応を
 バイコットが推奨されている。ボイコット(boycott)、つまりCSRに反する行動をとった企業の製品やサービスを買わない不買運動と対比する言葉として、使われている。CSRに熱心な企業の製品やサービスを積極的に購入(buy バイ)して、その企業を支援する消費者や市民社会の行動である。

 現在の人々の不正を憎む感情は、企業の不正を警察や検察などの強権力による取り締まり強化に委ねる危険性がある。そうではなくて、市民社会が社会的基準を守り、より水準を高め育てていく自主性を強調する問題意識から生み出されたものであろう。

 アメリカの運送業界の場合、保険の掛け金と事業評価とが連動し、インセンティブを図っていると言われる。事業者のリスクが大きいほど、保険料を高く設定する仕組みだという。リスクが限界を超えると運賃収入と見合わないほどに保険料も高くなるという(運輸労連委員長・片山康夫さんの発言『月刊自治研』自治労中央本部、2006年06月号)。リスクを下げる努力を実施している企業に対しては、低い保険料というインセンティブが働く。逆に、リスクを放置していれば、企業運営ができないほどの高額保険料になる。事実上のボイコットである。

 ここから広げると、事業運営を不可能にするほどの厳しいボイコットと、優良企業の商品やサービスをより多く購入して支援するバイコットとは、両輪だと思う。そうしたメリハリのある市民社会の行動によって、CSRや社会的標準を実現している企業をより伸ばしていく必要があると思う。


ともに進む明日:障害者週間記念事業・補助犬シンポに寄せて/5止 /兵庫

2008年11月29日 23時51分24秒 | 障害者の自立
◆介助犬エルモと生活する、木村佳友さん(48)=宝塚市

 ◇改正補助犬法完全施行元年、誓い新た「さらなる普及に努めたい」
 99年の第1回シンポジウムから毎回パネリストを務め、介助犬を取り巻く問題について発言してきた。「ペット同様に見られがちだったが、障害者の生活を支える介助犬としてようやく社会に認知されてきているのでは」と実感する。

 すべてが初めての挑戦だった。96年に訓練を受け介助犬となったシンシア(06年3月死去)と共に、行く先々のスーパーや飲食店で、同伴受け入れを申し出た。しかし「犬は苦手」といった理由で断られることさえあった。その経験が法的認知を求める活動につながり、講演活動などを通じ、02年の身体障害者補助犬法成立に貢献した。一連の経過は、毎日新聞の連載「介助犬シンシア」(98年9月~06年2月)でも、523回にわたり報告した。

 2代目のエルモと暮らし始めて丸3年になる。「シンシアのころと違い、同伴拒否も格段に減り、盲導犬と間違えられることもなくなった」と振り返り、「介助犬がいなくては、今のように仕事に励み、充実した生活は考えられなかった」と改めて思う。

 シンポジウムでは、10回目を記念し、新たなスタートを誓うつもりだ。今年は、一定規模以上の民間企業で同伴受け入れを義務化した改正補助犬法が施行された「完全施行元年」でもある。法的整備は進んだが、介助犬は全国42頭と、約1000頭いる盲導犬の20分の1以下だ。「潜在的なユーザーはもっともっと多いはず。介助犬はなくてはならないパートナーであることを知ってもらい、普及に努めたい」と語った。

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 ◇第17回障害者週間記念事業 第10回身体障害者補助犬シンポジウム
 30日午前10時から宝塚市山本南2の市立東公民館。同市や障害者団体、毎日新聞社などでつくる実行委主催。午前は「おあや座」の演劇や障害者の座談会など、午後は補助犬シンポジウム、病気で左手だけの演奏を続けるピアニストの智内(ちない)威雄さんのミニコンサート。各団体のパネル展示もある。無料。問い合わせは宝塚市障害福祉課(0797・77・2077)。


道:身障者医療助成、91人に支給漏れ--小樽など /北海道

2008年11月29日 23時49分31秒 | 障害者の自立
 道は28日、身体障害者などの医療費を助成する道独自の「重度心身障害者医療給付事業」で、小樽市など4市町が認定基準を満たす91人に助成金を支給していなかったと発表した。道の担当者が認定基準を誤って説明していたためで、道と4市町は過去にさかのぼって支給する方針。

 認定ミスがあったのは小樽市61人▽釧路管内標茶町12人▽伊達市9人▽胆振管内洞爺湖町9人。同事業は軽い障害が複数ある場合も対象となるが、4市町は個々の障害の等級だけで判断し、対象外としていた。小樽市は05年9月に身体障害者手帳の様式が変更された際、認定基準を道に確認したところ、担当者から個々の障害等級で判断するよう指導されたという。同市に転入した助成対象者からの問い合わせで発覚し、道が全180市町村を調査した。

 小樽市の61人のうち国民健康保険に加入している27人の未支給額は約600万円となる見込み。道と4市町はほかの64人の未支給額の算定を急いでいる。道障害者保健福祉課は「担当者の誤解や説明不足があった。迷惑をかけ、非常に申し訳ない」と釈明している。

ウェルコンサート:子連れや障害者もOK あす、高崎シティギャラリーで /群馬

2008年11月29日 23時47分41秒 | 障害者の自立
コンサートでは入場を断られることが多い未就学児や障害のある人も一緒に楽しめる「ウェルコンサート」(NPO法人ミュージック・フォー・チルドレン主催)が30日午後2時から、高崎市高松町の高崎シティギャラリー・コアホールで開催される。

 コンサートは2部構成で、子どもも集中して楽しめるよう比較的短い曲を集めている。第1部は「楽器のヒミツ大公開!」で、よく知られた名曲を演奏し、楽器ついて解説する。第2部は「音楽物語~キミがいないと~」。「いろんな色のクレヨンたち。使わない色は本当にいらないの?」をテーマに、ミュージック・フォー・チルドレン理事長、朴敬二さんが作曲した音楽にあわせ、障害のある人たちの芸術作品(エイブルアート)の映像を映し、清水和子さんがオリジナル童話を朗読。「本当は、みんなだれかに必要なんだ」と訴える。

 朴さんは「感動して声を出してもかまいません。健常・障害の区別なく誰でも楽しんでもらいたい。障害に対する偏見は、障害者との出会いの機会が少ないことが大きな要因となっており、その出会いの機会にもなれば」と話している。

 入場料は当日800円(前売り500円)全席自由。問い合わせはミュージック・フォー・チルドレン(027・353・8189)へ。


障害者雇用状況:公的9機関で未達成 トップに指導の方針--徳島労働局 /徳島

2008年11月29日 00時20分06秒 | 障害者の自立
◇民間の達成率は47.2%
 徳島労働局は、県内の障害者の雇用状況(6月1日現在)をまとめた。公的機関では県教委や県、市町村などで法定雇用率未達成が9機関あった。一方、民間企業(56人以上規模)も実雇用率は1.53%と一定の改善があったが、全国的には36位と依然低位のまま。徳島労働局では「民間に率先垂範して法定雇用率を達成するべき立場にある公的機関の未達成について、労働局長や幹部がトップに対し指導を行う」などとしている。【◇民間の達成率は47.2%
 徳島労働局は、県内の障害者の雇用状況(6月1日現在)をまとめた。公的機関では県教委や県、市町村などで法定雇用率未達成が9機関あった。一方、民間企業(56人以上規模)も実雇用率は1.53%と一定の改善があったが、全国的には36位と依然低位のまま。徳島労働局では「民間に率先垂範して法定雇用率を達成するべき立場にある公的機関の未達成について、労働局長や幹部がトップに対し指導を行う」などとしている

 発表資料によると、法定雇用率を達成できなかったのは、県教委▽県病院局▽徳島市病院局▽鳴門市▽美馬市▽那賀町▽北島町▽つるぎ町▽徳島市教委--の9機関。不足数では県教委が最大で18人、実雇用率で見ると徳島市教委が0・44%で最低だった。北島町は9月2日現在で不足数を回復したという。

 一方、民間企業で雇用されている障害者は前年比6・1%(51・5人)増え890・5人に。実雇用率も0・04ポイント上昇して1・53%に、法定雇用率達成企業の割合も1・9ポイントアップし47・2%(341社中、161社)となった。しかし、実雇用率で見るとまだ低い水準のようだ。

 障害者雇用促進法では、1人以上の身体、知的障害者の雇用を義務付けている事業主などから、毎年6月1日現在で身体、知的、精神障害者の雇用状況について報告を求めており、労働局が取りまとめている。重度身体、知的障害者は1人の雇用で2人分とカウントされる一方、短時間労働者は原則カウントされない。ただし、重度身体、知的障害者は1人分、精神障害者の場合は0・5人分とカウントされる。

深尾昭寛】

 発表資料によると、法定雇用率を達成できなかったのは、県教委▽県病院局▽徳島市病院局▽鳴門市▽美馬市▽那賀町▽北島町▽つるぎ町▽徳島市教委--の9機関。不足数では県教委が最大で18人、実雇用率で見ると徳島市教委が0・44%で最低だった。北島町は9月2日現在で不足数を回復したという。

 一方、民間企業で雇用されている障害者は前年比6・1%(51・5人)増え890・5人に。実雇用率も0・04ポイント上昇して1・53%に、法定雇用率達成企業の割合も1・9ポイントアップし47・2%(341社中、161社)となった。しかし、実雇用率で見るとまだ低い水準のようだ。

 障害者雇用促進法では、1人以上の身体、知的障害者の雇用を義務付けている事業主などから、毎年6月1日現在で身体、知的、精神障害者の雇用状況について報告を求めており、労働局が取りまとめている。重度身体、知的障害者は1人の雇用で2人分とカウントされる一方、短時間労働者は原則カウントされない。ただし、重度身体、知的障害者は1人分、精神障害者の場合は0・5人分とカウントされる。