相模原市の知的障害者施設で起きた事件を受けて、重症心身障害者の保護者などで作る団体が、29日に都内で会合を開き、事件の背景には、障害者に対する社会の理解の不足があるとして、今後、障害者が一般の人たちとふれあう機会を増やしていく方針を確認しました。
身体障害と知的障害が重なった重症心身障害者の保護者などで作る団体は、相模原市の事件を受けて、29日午後に東京・世田谷区の事務所で緊急の会合を開きました。会合には、障害者の母親など6人が出席し、はじめに黙とうをして、事件で亡くなった人たちを悼みました。
会合では、「許せない」、「悲しい気持ちだ」など容疑者への怒りをあらわにする発言や、今回の事件をこのまま風化させることがあってはならないといった発言が相次ぎました。そして、事件の背景には、障害者に対する社会の理解の不足があるとして、今後は、障害者が一般の人たちとふれあう機会を、積極的に増やしていく方針を確認しました。
重症心身障害の29歳の娘を持つ50代の女性は「私たちは、どんな子どもも同じ命だと思って生活している。今回の事件を起こした容疑者はこうした施設に関わっていただけに、なおさら命の本質や重さを知って欲しかった」と話していました。障害者団体の秋山勝喜副理事長は「障害者を支えるためには、社会のみなさまの理解を深める必要がある。われわれの運動が足りなかったと反省し、理解を深めるための取り組みに力を入れていきたい」と話していました。
7月29日 NHK