進行性の難病と闘いながら車いす芸人として活動する男性が29日健常者と障害者の壁について語った。
講演会には約500人が参加。講師を務めた鳴沢村出身の小林俊介さんは脊髄性筋委縮症という難病と闘いながら車いす芸人として活動している。
小林さんは「健常者と障害者の壁をこわす」と題して講演し、「店などにスロープが設置されていても入り口に段差があれば意味がない」と実体験を交えて語った。
この上で「良かれと思ってしてくれたことも間違っていたり足りないことも多い、もう少しだけ障害者目線に立って考えて欲しい」と冗談を交えながら持論を語った。
手話を「言語」として普及させるための「手話言語条例」を制定する動きが広がっている。全日本ろうあ連盟(本部・東京)のまとめ(20日現在)では9県56市8町の73自治体で成立し、大阪府など19自治体が準備を進めている。制定を機に医療機関や観光案内で手話を取り入れるなど、独自の取り組みを始める自治体も出てきた。
受賞したのは、機械科2年、関根巧也さん(17)と電気科1年、根本尚弥さん(16)が開発した「リハビリ支援用車いすコントローラー『くるコン』」。街並みの画像を表示する米グーグル社「ストリートビュー」をモニターに映し出し、車いすに乗った人が車いすの車輪を手で動かしたり、座ったままももを上げる運動をしたりして、画面を操作する仕組みだ。自分の動きに合わせて画面の風景が変わるため、自力での歩行が困難な障害者や高齢者が、街中を散策しているような感覚で腕や脚のリハビリをすることができる。
開発のきっかけは昨年10月、車いすに初めて試乗した経験だった。「車いすの操作は思った以上に大変で練習が必要なことを知った。安全に楽しく訓練できるようにしようと考えた」
放課後や冬休みを使い、約2か月かけて完成した。関根さんは「ご近所や観光名所、思い出の場所など、世界中の行きたいところを散策する気分を味わえる。この装置で障害者や高齢者に楽しみながらリハビリに励んでもらいたい」と魅力を話した。
作品は3~4月に郡山市ふれあい科学館で展示されるほか、高齢者施設や養護学校などで体験してもらうことも検討している。
千葉市は新年度から、パラリンピックの競技を市立小中学校の授業に採り入れる方針を固めた。2020年東京パラリンピックでは、同市内で4競技が実施される。市は障害者スポーツへの理解促進を掲げており、大会に向け、授業を通じて子どもたちに競技の魅力を伝える。
関係者によると、小学校でゴールボールを、中学校でシッティングバレーボールをする。市内6区の小中学校から各1校をモデル校に選び、計12校で実施。専用の用具をそろえ、体育の授業として行うことを検討している。将来的には、モデル校以外の学校への展開も考えている。
ゴールボールは視覚障害の選手3人が1チームとなり、鈴の入ったボールを投げ合う。シッティングバレーボールは座ったままの状態で行う。両競技は東京パラリンピックの際、テコンドー、車いすフェンシングとともに市内の幕張メッセで実施される。また、車いすバスケットボールを市内の小中学校各1校で授業に採り入れる予定という。車いすバスケは、市内のアリーナ施設で国際大会などが開かれている。
市はこれまで、パラリンピック競技のアスリートたちが小中学校を訪れ、子どもたちに競技を体験してもらう活動を行ってきた。16年度は車いすバスケットと車いすラグビー、シッティングバレーを計20校で実施。東京パラリンピックまでに全校での実施を目指しており、新年度は「2倍以上の規模」(関係者)を予定しているという。
日本パラリンピック委員会の中森邦男事務局長は「障害者スポーツが授業に組み込まれるのは画期的なことだ」と期待する。各地で体験会は増えているが、授業で継続して学ぶことでより理解が深まるといい、「競技を楽しみながら、障害者や高齢者らへの理解も深めてほしい」と話す。
千葉市の職員研修でゴールボールを体験する熊谷俊人市長(左端)ら
小学校で行われた体験会でシッティングバレーボールに挑戦する児童たち
2017年1月30日 朝日新聞