神戸・灘の日本酒を使い、障害者らが手作りする2種類のパウンドケーキ「Japanese SAKE cake」の販売が、神戸市役所2号館1階の「神戸ふれあい工房」で始まった。県中小企業団体中央会や酒造会社、洋菓子店などが協力し、海外にも売り込める付加価値のある一品を、と考えた。
障害者の自立支援に向けた商品を企画する「神戸ブランド土産開発プロジェクト」を同会が中心となって昨年8月に始めた。剣菱酒造(同市東灘区)と、洋菓子店を運営するシンケールス(同市中央区)が協力し、素材提供とレシピ開発、技術指導に携わった。
「灘の生一本 くり」は、女性の知的障害者が通う神戸市須磨区の友が丘作業所で生産する。古酒ならではのこくが生地に溶け込んだ上品な風味に、クリの優しい甘さが重なり合う。むぎのめ作業所(川西市)が手掛ける「瑞穂黒松剣菱 けし」は、同酒造ならではの円熟の味わいが特長で、ケシの実の食感がアクセントになる。
同会によると、日本酒を生かした味を追求する一方で、障害者が覚えやすい作り方を考えるのに苦労したという。友が丘作業所の支援員は「プロのパティシエに指導してもらったことで、(障害者の)意識が向上した」と話す。
障害福祉施設が出品する昨年12月の「スウィーツ甲子園関西大会」では、準グランプリを獲得した。各1490円(税込み)。
神戸ふれあい工房TEL078・334・2011
障害者が手作りする日本酒の風味を生かしたパウンドケーキ=神戸市役所
2015/1/29 神戸新聞