崩れる裏山、流れ込む土砂-。前線の影響で記録的豪雨となった新潟県と福島県で29日、勢いを増した雨粒が住民に襲いかかった。全域に避難勧告が出た新潟県三条市では、平成16年にも五十嵐川が決壊、多くの人が亡くなる惨事を経験している。「また氾濫するのでは」。住民らは不安を募らせながら、小学校などに次々と避難した。
◇ 三条市では2つのダムが増水し、下流の信濃川水系の五十嵐川に放水するため同市が午後6時すぎ、市内全域に避難勧告を出した。
約170人が身を寄せた三条市立月岡小学校の体育館。バケツをひっくり返したような雨の中、五十嵐川近くを通って逃げてきたという主婦の渡辺節子さん(75)は「あと数十センチであふれそうだった」と恐怖に顔をこわばらせた。
体育館などに約320人が避難した市内の大崎中学校では、渡辺テイさん(73)が「16年も、これだけの水はなかった」と驚いた様子。中学校に向かう途中の道路も膝まで水があふれ「流れが速くて怖かった」と振り返った。
夜になって雨脚が弱まると、避難した住民らはややほっとした表情に。蒸し暑い体育館内で少しでも涼を取ろうと扇風機の周囲に集まったり、ゴザを敷いて体を休めたりしていた。
三条市の災害対策本部によると、16年の豪雨で死者も出ただけに防災意識は高く、高齢者や障害者は勧告前の段階で避難。「避難所に行く途中で巻き込まれることもある」(市の担当者)として、自宅2階に「避難」する“垂直避難”の考え方も導入している。
職員の一人は「7年前でも避難勧告は一部だった。市民を安全に避難させつつ、雨が収まるのを待つしかない」と声をこわばらせた。
三条市上保内では至る所で側溝などから水が濁流となってあふれ出し、生活道路が冠水。車が低速で水しぶきをあげながら走り抜けていた。水につかって立ち往生する車もあり、マイカーで帰宅中の30代の女性は「どうやって家に帰ればいいのか…」と困惑した表情を見せた。
新潟県南魚沼市土沢では豪雨で民家の裏山が崩壊。木造2階建ての住宅には木の枝や砂利が押し寄せた。
新潟県では、魚沼市のダムも満水となったほか、加茂市のダムでも放水を検討している。新潟県によると、豪雨でのダムの放水は16年の豪雨の際、2カ所で実施している
MSN産経ニュース
◇ 三条市では2つのダムが増水し、下流の信濃川水系の五十嵐川に放水するため同市が午後6時すぎ、市内全域に避難勧告を出した。
約170人が身を寄せた三条市立月岡小学校の体育館。バケツをひっくり返したような雨の中、五十嵐川近くを通って逃げてきたという主婦の渡辺節子さん(75)は「あと数十センチであふれそうだった」と恐怖に顔をこわばらせた。
体育館などに約320人が避難した市内の大崎中学校では、渡辺テイさん(73)が「16年も、これだけの水はなかった」と驚いた様子。中学校に向かう途中の道路も膝まで水があふれ「流れが速くて怖かった」と振り返った。
夜になって雨脚が弱まると、避難した住民らはややほっとした表情に。蒸し暑い体育館内で少しでも涼を取ろうと扇風機の周囲に集まったり、ゴザを敷いて体を休めたりしていた。
三条市の災害対策本部によると、16年の豪雨で死者も出ただけに防災意識は高く、高齢者や障害者は勧告前の段階で避難。「避難所に行く途中で巻き込まれることもある」(市の担当者)として、自宅2階に「避難」する“垂直避難”の考え方も導入している。
職員の一人は「7年前でも避難勧告は一部だった。市民を安全に避難させつつ、雨が収まるのを待つしかない」と声をこわばらせた。
三条市上保内では至る所で側溝などから水が濁流となってあふれ出し、生活道路が冠水。車が低速で水しぶきをあげながら走り抜けていた。水につかって立ち往生する車もあり、マイカーで帰宅中の30代の女性は「どうやって家に帰ればいいのか…」と困惑した表情を見せた。
新潟県南魚沼市土沢では豪雨で民家の裏山が崩壊。木造2階建ての住宅には木の枝や砂利が押し寄せた。
新潟県では、魚沼市のダムも満水となったほか、加茂市のダムでも放水を検討している。新潟県によると、豪雨でのダムの放水は16年の豪雨の際、2カ所で実施している
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