きょう、午後6時から、分科会会長の尾身茂が東京オリンピックの新型コロナ(COVID-19)感染対策の提言を行った。
腰が引けていると思う。東京オリンピック中止が、感染対策上1番リスクが低い。それなのに、無観客が1番リスクが低いと提言している。無観客でも、海外から選手が来る、選手団関係者が来る、IOC関係者が来る、IOC関係者の家族が観戦や観光に来る。国内からも選手や大会関係者、ボランティアが来る。そして、彼らは再び戻っていく。感染拡大、また、新しい変異種の持ち込みのリスクは小さくない。
無観客が1番だという言い方は、政府が観客ありで開催することを想定している。実際、政府にお願いしているのは、政府の国内イベント基準、50%または1万人より、厳しい基準で、都道府県の境を越えないようにということである。
東京オリンピックをやってしまえば、お願いの後半なんて守られるはずはない。大会開催のため、大会関係者やボランティアは、都道府県の境を越えざるをえない。観客も、都道府県の境を越えて入場券を売ってしまっている。境を越えているか否かなど、守られるはずがない。
尾身会長を責めているのではない。責めるべきは、もっと腰が引けている日本のテレビ局であり、理由説明をしない菅義偉である。テレビの多くは、コロナ禍にもかかわらず、盛り上がれ、浮かれよ、とオリッピク特集をすでに放映している。
日本社会の問題点は、宇野重規が指摘するように、権力者が、理由を説明することもなく、同意を求めることもなく、既成事実を積み上げ、しかたがないじゃないか と 諦めさせてことをなすことである。日本国憲法は、国民が主権者としている。本来は、国民が権力を持っていなければならないのに、政府が東京オリンピックの開催を決め、国民への説明も国民の承諾もなく、東京オリンピックを強行する。
何のため、東京オリンピックを強行するのか。
国旗や国歌の前で国民がおいおいと泣くのを見たいからなのか。選挙のためなのか。
説明も同意もないオリンピック強行は、憲法に違反するのではないか。民主主義に反するのではないか。
こんなことを許して良いのか。いまこそ、憲法のいう基本的権利、表現の自由を行使すべきではないか。
[補遺]
ちょうど今、日本生命、SMBCは、東京オリンピック応援の広告をテレビで流していた。日本生命なんか入らないぞ。SMBCを利用しないぞ。