きょうのTBS『報道19:30』は、東京オリンピックと新型コロナ感染対策でもちきりだった。
政治ジャーナリストの田崎史郎は、尾身会長が政府に押し切られて、もっともリスクの少ないのは「無観客」になったという提言になった、と証言した。もともとの予定した提言は、東京オリッピクの「中止」だったという。
コメンテーターの堤伸輔は、尾身会長が「中止」を引っ込めたため、言い訳や逃げ道が開かれ、 すべては、オリンピック実施組織のしたい放題になって、専門家としての責任を果たしていない、と批判した。
菅義偉の言う、観客50%か1万人の少ない方というのは、「一般観客」のことで、別枠で、それ以外の入場者があるという。VIPやその家族・付き添い者、スポンサーなどで、開会式には、「一般観客」以外に1万人が入場する見込みだと、スポーツジャーナリストの二宮清純がいう。小学校などの児童動員も別枠だという。
いま、なし崩し的に東京オリンピックの動員がかかりだしている。
もと柔道金メダリストの溝口紀子は、政府が民族主義の高揚をねらっているのだろうが、集まった観客は騒いで不測事態が起きるかもしれない、と心配していた。
今回、ウガンダ選手団の一人がPCR検査「陽性」だった件も不可解な扱いである。5月末、私のNPOの同僚が濃厚接触者になり、PCR検査で陰性であることが判明したにもかかわらず、2週間の自宅待機になった。ウガンダの他の選手8人は同じ飛行機に乗ってきたのだから、濃厚接触である。隔離されなければいけないのに、そのまま、大阪のホテルに移動した。どうして、彼らを特別扱いをするのか。
また、この件で発表されていないのは、ウガンダ選手がすべてワクチンパスポートとPCR検査陰性証明を持っていたのにもかかわらず、なぜ感染していたのかということである。ワクチンパスポートの信頼性の問題か、それとも、ワクチンが感染防止に役立たないのか、という疑問である。
国によっては、ワクチンがほかの人に横流しになって、ワクチン接種をしていないのにもかかわらず、ワクチンパスポートが出ている可能性がある。また、2回のワクチン接種が終わっても免疫ができないうちに、来日したのかもしれない。
ワクチンが感染予防になるというのは、必ずしも、正しいメッセージではない。多くの人はワクチン接種で感染を防止できるかもしれないが、一部の人は充分な免疫ができないというのが現在の一般的な理解である。9人のうち1人は感染予防とならないのは、変異株ではあり得ることかもしれない。
1万人の選手が来日するなかで、通常の検疫システムが機能すると思えない。
考えてみよう。新型コロナ感染拡大のリスクを冒して、オリンピックを「日本民族のお祭り」として盛り上げる必要があるほど、日本はすさんだ国なのか、日本は貧しい国なのか、日本は低能な国なのか。それとも、ただ単に自民党の票を死守するための、電通の仕組んだイベントなのか。
私は、新型コロナ蔓延のしっぺ返しがくると思う。