猫じじいのブログ

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外出自粛には反対!新型コロナでの買い占め騒ぎを煽るだけ

2020-03-26 22:11:40 | 新型コロナウイルス


3月25日、東京都の小池百合子知事は「このままでは《首都封鎖》になりかねない……週末は、不要不急の外出はぜひとも控えてください」と呼びかけた。翌日、神奈川県の黒岩祐治知事も、埼玉県の大野元裕知事も、千葉県の森田健作知事も今週末の外出自粛を呼びかけた。

しかし、「外出自粛」で新型コロナの流行が防げるのか。「首都封鎖」とは何を意味するのか。

私は戦後間もないときの生まれであるが、母親から戦後の経済混乱の話を聞いて育っている。戦争中は「欲しがりません 勝つまでは」といって、統制経済のなか、食べることも着飾ることも国民は我慢した。1945年8月15日、日本が戦争に負けたとたん、政府が統制経済を維持していたのにもかかわらず、経済混乱が起き、買い占め、買いだめが起き、闇屋が横行した。

私は闇屋が悪いと言いたいのではない。国民は、不条理な政府の言うがまま戦争中に我慢してきたからこそ、敗戦という瞬間に欲望を噴出させたのである。戦後の経済混乱は、物が不足したからではなく、政府が信頼されないから起きたのだ。

2月27日、安倍晋三は新型コロナウイルス感染症対策本部で、全国の小中学校と高校、特別支援学校に臨時休校を要請する考えを突然表明した。安倍は、期間は3月2日から春休みまでとし、「ここ1~2週間が極めて重要」だ言った。

3月19日夜の10時半からの記者会見で、新型コロナウイルス対策専門家会議が「感染流行の爆発がいつ起きてもおかしくない」と説明した。

ところが、驚いたことに、同じ日、厚労省大臣の加藤勝信が「新型コロナの流行は抑えられている」と言い、文科省大臣の萩生田光一が学校再開の方針を言った。
3月20日からの三連休には、これまでのうっぷんを晴らすように、人が外にでた。外に出るだけではなく、22日は、キックボクシング団体の「K-1」が、さいたまスーパーアリーナで行われ、観客6500人を集めた。

ところが、ところが、3月24日に東京オリンピックの1年延期が正式に決まると、急に感染者数が増え始めた。25日に東京都で感染者数41人、26日に感染者数47人の発表があった。

そしてである。3月26日、安倍は、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく対策本部を設置し、「緊急事態宣言」に踏み切る準備を始めた。

岩松潤内閣参事官によれば、新型コロナ感染の26日の野党との会合で、対策本部長の安倍が緊急事態宣言をする2要件のうち、「国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ」との要件は満たされているとの認識を安倍が示し、もう一つの要件「全国的かつ急速なまん延により国民生活・経済に甚大な影響を及ぼす恐れ」に関しては、「学識経験者の意見を聞きながら考えていきたい」と述べた、という。

安倍は、単に「緊急事態宣言」し、個人の人権・自由を制限し、経済の統制したいだけでないか。

冷静になって考えよう。政府が具体的にこれまで何をしたのか。

新型コロナの感染検査を押し進めたのか。発熱外来を広めたのか。韓国や欧米で見られる公共のオープンな感染検査所を作ったのか。治療を行う場所を設け、公開しているのか。
通勤ラッシュを解消したのか。公共交通機関を間引きすれば、もっと混むだけだ。
家で仕事ができる人がそんなにいるのか。ゴミを毎日集めないと都市機能は停止してしまう。物流が止まれば、物が商品棚からなくなる。人は色々な病気をするから、医師はその専門性におうじて患者と向き合って診療しないといけない。
マスク増産を政府が号令をかけても、マスクを生産する人は超過勤務をしてまでも働かなければ、増産できない。

「不要不急の外出を禁止する」なんて、無策な政治家の言い分である。バカが言うことである。

感染を広げるのを防ぐとともに、国民の日常生活、経済活動を維持できるよう配慮しなければ、買い占め、買いだめのパニックが起きるだけだ。

現在のところ、新型コロナ対策専門家会議は疫学上の立場からしか見ていない。

有効な治療法がないと、国民の大半が免疫をもつまで、国民の60%が新型コロナに感染しないと収束しないという。日本の人口は1億3千万人であるから、7800万人が感染する必要がある。

300日で60%に達するためには、1日あたり26万人が感染する必要がある。600日に延ばせば、60%に達するためには、1日あたり13万人が感染する必要がある。

感染者の増加が、現在の1日あたり100人以下ということは絶対ない。入国検疫での発熱者や病院での肺炎重症者とその濃厚接触者を対象とした感染検査による陽性者数にすぎない。限定されているのだ。きのうのBS TBS『報道1930』で、上昌広は発表数の30倍から100倍の患者が市中にいるという。それでも、1日13万人には程遠い。

これから、感染者がもっともっと増え、比例して重症者も増える。そして、疫学チームが長引かせようとしているから、1年を超えて、新型コロナの感染はつづく。

だから、「新型コロナに勝つまでは我慢しよう」では乗りきれない。

「行動変容」は必要だが、日々の生活を維持したまま、すなわち、買い物も仕事もしつづけ、しかも、感染のリスクを下げる行動の具体的ガイドこそが求められる。また、感染検査の普及、感染者の治療体制の確立という基本的なことを政府がしないといけない。「不要不急の外出自粛」ではなく、「人ごみの中にいけば感染しますよ」でいいのだ。

「非常事態の宣言」はバカな政治家のすることで、パニックを拡大するだけで、政府がなすべきことを黙々とすべきである。

最後に、買いだめに走る人々に捧げるトマス・ホッブズの『リヴァイアサン』の言葉。

「なぜ何を恐れるのか――それさえわからないままに恐れをいだくことを、《パニック》(Panique Terrour)という。……本当は、最初に恐れをいだく者はその原因を分かっているが、他の者たちは、《先に逃げ出した者がなぜかを知っているはずだ》と思い込み、みんなにならって逃げ出すのだ。」


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