悠山人の新古今

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短歌写真013 夏さなか

2005-08-07 05:40:00 | 短歌写真

2005-0814-yts013
夏さなか百日の紅の花びらの
重なり合ひてあつく燃えたり

○短歌写真、詠む。
○百日紅(ひゃくじつこう。さるすべり)。Lagerstroemia indica。ときどき「ひゃくにちこう」と耳にするが、その発音は広辞苑にもない。わが家の百日紅は、去年の夏、ある祭の会場で苗木を買って来たもの。農業大学校のブースで300円だった。今はまだ20cmくらいで、鉢花として育て中。この花、いちどほとんど枯らしてしまったが、枯れる前に花を咲かせて種をつけた。多少の手入れをしたら蘇生して、幼木ながら連日の猛暑に精一杯、紫の花で楽しませてくれている。そう、紅ではなくて紫。もちろん百日紫などという名はないけれど、じつは百日紅という花(花木)、「紫」にまつわる悠久の伝説のあることが、あとで分かった。(機会があれば、そのときに紹介。)
○さて、採取した種をどうしたか。試しに鉢の隅へ、10粒ほどあったか、植えて、期待するほどでもなく、しかし水遣りは欠かさなかった。鉢とはいっても、いつの間にか雑草も仲間に入る。数mmの花がいくつか咲く。半信半疑で毎日観察していたら、なんとあの、紛れもない襞(ひだ)が見えてくるではないか。さすがに驚いた。身近な tiny wonderworld である。実生から二か月そこそこで、もう花を咲かせ、しかもいまは結実して青い種になっている。園芸の専門家からみれば、当然至極のことではあろうけれど、自ら育てている素人としては、大きな驚きというものだ。というわけで、幼木・嬰木?の親子が、築山もどき片隅で、揃って咲いている。百日紅の生命力は強い。
¶¶百日の紅(ももかのべに)=百日紅(ひゃくじつこう。さるすべり)。「¶¶」は悠山人の用法。
□短写013 なつさなか ももかのべにの はなびらの
        かさなりあひて あつくもえたり
【写真】先日、図書館で。