2005-0810-yts016
遠つ時埃及びとに愛されし
薄練色のオクラ楚楚たり
○遠つ時(とほつとき=遠い昔)。埃及(エジプト。私はよくアイギュプトスと使う)。
ささやかな畑で収穫中のオクラ。撮影の時とPC処理のときに、初めてじっくりとお
顔を拝見。勢いのいい雑草に紛れて、うっかりすると見逃しそうな花だけれど、画面
いっぱいに広げてあらためて観察すると、完璧なまでに美しい。見ているこちらが恥
ずかしいくらい。クレープを螺旋状に重ね巻きした五弁の花。専門的にはどう呼ぶ
のか。
色の名付け方。前出伝統色(短歌写真2005-0724)で思うように見つけられなかっ
たので、今回は別の伝統色名(しきめい)チャートから選んだ。(開設者名なし)
http://www.tcn.zaq.ne.jp/melting-point/private/color-cha/color-top.html
この「雌黄色(しおういろ)」か「練色(ねりいろ)」か。語感・字数で、一字加えて「薄
練色」に決める。
○きのうは長崎の祈りの日。その夕方のTVは、イランの核開発成功の公開映像の中で、国民の誇りとのナレイションをしていた。(要旨、断片的、局名未確認)
□短写016 とほつとき エジプトびとに あいされし
うすねりいろの オクラそそたり
■朝露に濡れるのを、服が汚れるから、ではなく、花の香が移るから、と楽しむ。「秋の
千草を分けて野遊びをする人の心。」(新潮版) 風雅の極み。
【略注】○露=「袖を濡らす花の露。」(小学版)
○衣手=小学版は「袖。」 岩波版は「袖または衣全体。ここは後者で『露分け衣』
(…)に同じ。」
○花=多くは花一般とするが、萩花説も。「花の香」は「萩などを中心とした秋の千草
の花の薫り。」(新潮版) 萩は香る?
○凡河内躬恒=悠 008 参照。