悠山人の新古今

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和泉式部集046 亡くなって

2006-12-16 00:30:00 | 和泉式部集

2006-1216-yis046
亡くなって惜しまれるでもないこの身
いま言いましょう「いい人でした」と   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○「あはれ」を古語辞典であらためて確かめると、実に多義にわたる。類似語の「をかし」と比べると、前者は「悲哀につながるしみじみとした趣」、後者は「明るい趣」とする場合が多い。(旺文版「古語辞典」) しかしここで私が「あはれあはれ」を、「いい人でした」と現代詠に移したのは、和泉の作意を受け取ったからであり、本来の語義に背くものではない。
□和046:しのぶべき ひとなきみには あるをりに
      あはれあはれと いひやおかまし
□悠046:なくなって おしまれるでも ないこのみ
      いまいいましょう 「いいひとでした」と


短歌写真269 眠られぬ

2006-12-16 00:00:00 | 短歌写真
2006-1216-yts269
眠られぬ夜の想ひのツィスモルを
海辺に立ちて波音に聞く   悠山人

○短歌写真、詠む。
○想定歌。「夜の想ひ」は「nocturne」(ノクテュルヌ)、「ツィスモル」は「cis-moll」(嬰ハ短調)。ピアノの詩人に思いを馳せて。un travail, surnommé  <Posthume>。
□短写269 ねむられぬ よるのおもひの ツィスモルを
        うみべにたちて なみおとにきく
【写真】湘南海岸では、師走に入っても、元気なサーファーが見られる。