2006-0928-yms122
見ていても切れ目がなくて降り出した
雨はどんなに耐えたでしょうか 悠山人
○紫式部集、詠む。
○詞書は、平王クには単に「時雨する日、小少将の君、里より」。ところが新潮版には、冗長なほどに詳しく載る。理解を深めるために、原文を転記すると、<小少将の君の文おこせたまへる返り事書くに、時雨のさと[(里)]かきくらせば[(注記)]、使も急ぐ。「空の気色も心地さわぎてなむ」とて、腰折れたることや書きまぜたりけむ。立ち返りいたうかすめたる濃染紙(こぜんし)に>。つまり、小少将(「給ふ」と、紫が敬語を使っている)から、どうしようもなく恋しくて、と便りがあったが、使いの者が、天気も怪しいから急いでご返事を、と催促する。紫も、推敲もそこそこに返したら、雨の中を折り返して返事が来た、という次第らしい。日記から、十月時雨の季節の往復。平王ク歌番号116。
¶かきくらす(掻き暗す)=「①雲が空一面を暗くする。雨や雪などがあたり一面を暗くして降る。②心を暗くする。悲しみにくれる。」(古語辞典)
□紫122:くもまなく ながむるそらも かきくらし
いかにしのぶる しぐれなるらむ
□悠122:みていても きれめがなくて ふりだした
あめはどんなに たえたでしょうか
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