2006-1023-yms130
どんどんと叩く戸口を情に負け
あけてしまえば悔いるでしょうね 悠山人
○紫式部集、詠む。
○返し。結局、紫は通用扉を開けなかった。この歌の真意、いずれの解説も通り一遍である。私は、このとき紫やいかに、と忖度しばし。現代詠初句に、珍しくも擬音(洛京連想?)。はじめに思い付いた「ただならず」では、文語に傾きすぎ。別案に、「激しさに負けて戸口をあけたあときっと後悔するのでしょうね」。これだと、許した、とも取れる表現になる。昼か夜かと言えば、「とんとん」は昼、「どんどん」は夜中の印象。「情」は「錠」を連想させたか。平王ク076。
¶とばかり=「というふうな様子で」「(懸命に)戸だけを」と懸ける。
¶あけては=「開けてしまっては」「(夜が)明けてみれば」と懸ける。
□紫130:ただならじ とばかりたたく くひなゆゑ
あけてはいかに くやしからまし
□悠130:どんどんと たたくとぐちを じょうにまけ
あけてしまえば くいるでしょうね
【memo】余一首。詠み緩きは、離れ難きゆゑなるか・・・。
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