業平の古今・恋歌を、深養父は加齢の嘆きに読み替えた。現代詠の前半は、全くそのまま。後半はいろいろに読み替えて、楽しめそう。新古今は、相当部分が本歌取りで成り、そのいくつかはこの歌のように、換骨奪胎とする。
ひらかなy116:むかしみた はるはむかしの はるだけど
わたしはめっきり おいてしまった
ひらかなs1449:むかしみし はるはむかしの はるながら
わがみひとつの あらずもあるかな
【略注】○あらずもあるかな=昔の自分(の肉体)のようではない。
○清原深養父(ふかやぶ)=清少納言の祖父(曽祖父?)。洛北補陀落寺を創建。
なお補陀落を名乗る寺(廃寺を含む)は、京都だけでなく、全国各地に散在する。