悠山人の新古今

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156 まだかしらもう

2006-02-09 06:00:00 | 新古今集

 『新古今和歌集』も巻第十九。神祇歌(じんぎのうた)。歌番号1852~1916。
 天神地祇(てんじんちぎ)、すなわち天の神、地の神を合わせて神祇という。神詠・神徳・神社などの関連歌が納められる。巻頭13首は神詠歌(神が乗り移って詠んだ歌)ということで、略注にも書いたとおり、作者欄は空白になっている。したがってこの場合に限り、実作者はひとまず詞書や家集に拠る。
 作者の歌は、神祇歌に入れてあるが、内実は恋歌との境目なので、現代詠も曖昧模様にした。
 ひらかなy156:まだかしら もうきたかしらと ときがすぎ
          いつのまにやら おいがみさまに
 ひらかなs1858:ひとしれず いまやいまやと ちはやぶる
          かみさぶるまで きみをこそまて
【略注】○ちはやぶる=(千早振る)「神」の枕詞。また、「千」(たくさん)「はや
    はや(早早)」(早く早く)「振る」(と動く)が、二句の「今や今や」と合わせ
    て、気持ちが激しく急いている様子を表わす。
    ○神さぶるまで=「年老いた神の姿になると思うまでに。」(小学版)
    ○待賢門院堀河=煩瑣を避けて肩書きをつけた。待賢門院(たいけん
    もんいん)は、鳥羽天皇の中宮(白河天皇の養女璋子)の女房。神祇伯
    顕仲の娘。なお本集には作者名が空白であるが、詞書によりここでは
    堀河を作者と書く。


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