■このブログの読者ならどう翻案・口語詠とするだろうか。「夏が来て」「衣替え」「名残の
桜」・・・。いくらでも出てきそうな気がする。
【略注】○着て=「来て」との掛詞。
○幾日=小学版以外では「いくか」。さすがに現代の文語詠でも a few days を「い
くか」とはしない。
○残れる花=「残花」(小学版、岩波版)。「遅桜」(新潮版)。
○源道済(みちなり)=筑前守。友人に公任、能因。
【補注1】「花」は、歌本体・詞書(ことばがき)に明示されない場合、どこで梅・桜とするか。
誰からも教わらなかったこの疑問に対して、私はこう思う。①文意文脈から ②作
者の日記・随筆あるいは屏風・扇面などから ③作者の身内・友人知人の文書(も
んじょ)から ④行事・有職故実(ゆうそくこじつ)から ⑤(歌集では)巻立て・部立て
(grouping)の配置から。これら多くは研究者の仕事である。
【補注2】悩んだ末にパスしたが、このあとの和歌集0179も秀歌なので、覚え書きとする。
折ふしも移れば替へつ世の中の 人の心の花染めの袖
「当代随一の女流歌人」(新潮版)、藤原俊成の娘(実は孫)の作。心変わり・移ろ
いを花に託す巧みさ。それが、現代の先鋭歌人たちに疎まれるところでもある。
* きのうのpv(表門からのアクセス数)136! 私は裏門(編集メニュ)から出入りするの
で、この数は自分以外ということか。ほんとに、こんなに? 3桁は初。中学生のときに
国語の教科書で「金色のちひさきとりの」とか「われてくだけてさけてちるかも」とかに出
会って、強烈な衝撃を受けた。古典短歌の入口は、気楽な口語から・・・ですね。
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