■ここでも、元歌を意識しながら、自由連想で詠んでみた。
【略注】○別れん春=別れることになるだろう春。小学版・新潮版が、私の死後の春、とす
るのに対し、岩波版は単に花の「散りゆく春」とする。
○思ひいでよ=思い出してくれ。
○心づくし=気遣い。
○大輔=小学版・新潮版は「たいふ」、岩波版は「たゆう」。藤原信成(のぶなり)の
娘。殷富門院(後白河院の皇女亮子[りょうし])に仕えたので、和歌集では殷富門院
大輔。殷富門院の読みは、「いんぷもんいん」のほか、岩波版は「いんぷくもんいん」
もありとする。(いずれも新仮名遣い表記で) 百人一首「見せばやな」の作者。