薄もやのかかる中、小雨がしとしと降る
観光客もいない
ここ中城城跡は
大規模な沖縄石灰岩の石積みが
美しいカーブを描いて
寂しく
海に刺さり立っている
海風が石垣にあたり
500年経ったその風化が
痛々しい
首里城の様な完成形では無いが
かえって
古琉球時代の息づくロマンが
ひしひしと伝わり
哀愁をそそる
よく見るとその組積工法も
野面積み、布積み、相方積みと
工学的な知識の上に成り立って
昔の人の知恵と工夫が。
興味深い
米軍からも側面だけの攻撃で
一部破壊されたが
修復も世界遺産であるため
制約があって
思うようにはいかないそうだ
降りしきる雨の中
傘をさして早口で語る
ボランティアの人が足早に去って
辺りは静まり返り
無情な雨がカメラに降り注いだ