東洋のレタス“麦菜”の謎 Ⅱ⑦
広東省センツェン市2011.10.2
翌朝の帰国に備え、センツェンのY.H.の隣にあるスーパーで、お土産の「麦菜」を買って置くことにしました。
「苦麦菜」「油麦菜(屋外栽培)」「油麦菜(温室栽培)」「生菜(レタス)」の4点セットです。
左から、苦麦菜、油麦菜、温室油麦菜。各500gの値。1元ずつ高くなります(レタスは500g約3元)。
左から、生菜(レタス)、温室栽培油麦菜、油麦菜、苦麦菜(2束)。質感や光沢を表したかったので、自然光撮影とストロボ撮影を並べて紹介しました。油麦菜の茎の切り口が緑色なのは、店長さんが新しく切ってくれたごく新鮮なものだから。
左から、生菜(レタス)、温室栽培油麦菜、油麦菜、苦麦菜[上・自然光、下・ストロボ同調]。
(左)温室栽培油麦菜、(右)苦麦菜。
さて、Y.H.に持ち帰って、一応ベンチで撮影しておきます。ロビーにいた宿泊客達が、なぜ野菜を撮影しているのか?と次々にやって来て質問を浴びせます。普段は、日本人や欧米系の宿泊客と会話を交わすことはあっても、中国人の宿泊客とは、まず積極的に話すことは無いのですが、この機会に彼らの意見も聞いておかねばなりません。地元広東省の男性「どれも美味しいよ!最近人気が出たのかって?そんなことは無い、昔から食べていたもの」と。山東省からの旅行者男性「“苦麦菜”というのは存在は知っているけれど、食べたことは無い、油麦菜は以前から食べていた」等々。
今回の中国での活動は、これで終わりです。苦麦菜・油麦菜の実態は、8割がた見えてきたような気がします。あとは油麦菜の花と、実際の栽培地で得た種子の写真を撮ること。種子があるということは、どこかに塔の立った株に咲く花を残して栽培している所があるはずです。種子の販売店で聞けば分かるかも知れないので、今日はそれにトライしようかとも思っていたのですが、短い時間と少ない予算では、充分な活動は出来ません。それに、皆「花を見るのは難しいし、いずれにせよ今は花の時期ではない」と口を揃えて言います。今回はここまで。麦菜の花の撮影は、次回です。ところが、、、、、。
僕のテーブルの隣で、読書をしていた大学生らしい女性が、ずっとこちらに注目して、聞き耳を立てていたようです。一通り撮影が終わり、テーブルに戻ると、話かけて来ました。
《“麦菜”の話、とても興味があります。私は先月大学を卒業したばかりで、生物学・農園学を勉強していました。レタスや麦菜のことも、ある程度は分かります。“油麦菜”の花の生えている場所も知っています。よろしければ、ご案内しましょう。いろいろとお手伝い出来れば、と思っています。》
とても有難い話です。でも今日はもう夕方だし、明朝の帰国便搭乗に向けて、香港空港に移動せねばなりません。丁重に“お申し出は有難いのですが、時間がありません、次回に中国を訪れた時は、何かレクチャーをお願いするかも知れませんので、よろしく”と今回は辞退し、その張さんという方に、メールアドレスを渡しておきました。
香港国際空港に到着して、ネットを開くと、張さんから、写真が転送されて来ていました。
これぞ“油麦菜”の花。最後の最後で、はじめて確認出来た、油麦菜の花です。もう一日早ければ、その場所に案内して貰うことも可能だったのに、と思うと、少し残念ではあります、、、、、でも、楽しみは、次回にとっておきましょう。
張さんです
張さん自ら撮影の“油麦菜”の花。バリエーションが、かなりあるようです。左端は苦麦菜の花に似ています(苦麦菜かも知れない)。3枚目はレタスそっくりだと思う。
僕は、油麦菜はレタスそのもの、あるいは限りなくレタスに近い中国独自の作物で、苦麦菜&アキノノゲシとは、没交渉なのかも、と最近思いかけているのですが、張さんの意見では、「油麦菜はレタスよりも苦麦菜に近いと思う」とのこと。やはり、一筋縄ではいかない、様々な問題が含まれているようなのです。