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青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

シルビアシジミ その後

2024-05-17 21:01:26 | 雑記 報告


東京滞在中は電車で移動していました。車内に貼りまくっている「無駄な体の毛を抜こう」みたいな脱毛クリニックとかのポスターの、気持ち悪い事ったら、ありゃしません。

ビッグモーターも同じですね。会社の前の余計な植栽を全て排除する。

日本の大衆に蔓延する、無意識的な同調思想の現われに他なりません。みな、ビッグモーターの社長と似たり寄ったりの意識を持っているのです。人間が一番尊い、という過信。



絶滅危惧種(1B類)シルビアシジミは、今年は、僕の部屋から徒歩2分30秒の、公団住宅中庭のミヤコグサ群落に発生しています。そのミヤコグサの駆除を先週の日曜日に行うとの情報を得たので、管理人の若いご夫婦と話し合う機会を持ち、資料をお渡しし、状況を説明しました。

>草刈りは仕方がありません。でも出来れば、せめて一角(1m四方ぐらい)でもミヤコグサを残しておいて貰えないでしょうか?

その僕の申し出に快く応じて下さいました。そして、どうせなら草刈りに一緒に参加して頂いて、残す部分を指示してくださっても良いのではないでしょうか?と言うことだったので、僕もそのつもりでいたのですが、あいにく日曜日は雨で中止。

一昨日、電話がありました。住民の人たちに説明したところ、ダメだ、受け入れられない、全て奇麗に刈り取らなければならない、とのこと。管理人の奥さんは、可哀そうなくらい申し訳なさそうに、自分たちは賛同しているのだけれど、住民の意見は聞かざるを得ません、と謝ってくださいました。

>いいですよ、野生の生き物はしぶといので、いなくなってしまうことはないと思います(どこかに移動する)。ただ、全部刈り取ってのっぺらぼうにしてしまうのは、ちょっと心配だったので、ワンステップとして、ほんのちょっとでも発生地を残しておいて欲しかったのです。たぶん大丈夫(どこかに移って生き延びる)と思うので、心配しないでください。

>ただ、とても残念です、

と一言付け加えておきました(お気持ちは良くわかります、今後も挫けずに調査や撮影を続けてください、と言ってくださったので、個人的にはそれで良しと思っています)。



去年の発生地(団地から20~30mほど離れた公園入口)でも同じことを繰り返してきました(7月上旬)。刈り取りを行っている業者の方にお願いして、産卵真っ最中のミヤコグサだけを刈り残して貰いました。もっとも、秋には再度刈り取りが行われて、丸裸の芝生状になってしまったのだけれど、今年もどこかに移って生き延びているはず、と信じてきました。

シルビアシジミの性質上、個体群を維持していくうえで、ある程度の棲息環境の攪乱が必要なのです。安定した環境ではなく、常に変動が成される空間(そのことはシルビアシジミに限らず、多かれ少なかれ、大多数の野生生物について言えることです)。

人為によって為された植生環境の返還は、蝶などの生物にとってマイナス要因ばかりとは言えません。移り変わることで、結果としてプラスに作用することがあります。ある場合には、人為に拠る圧力に拠って滅びてしまうだろうし、ある場合にはそれが功を奏して繁栄に結びつく。

人間が好適と思われる環境を用意しても(いわゆる保護活動)、ダメなときはダメですね。逆に、徹底開発を行っても、案外生き残ることもあります。

遷移を持続するためには、人為を介入しなければならない(いわゆる「里山」の概念)、というのだけれど、実のところ、それも本当かどうかは分からない。放っておいても(都市近郊などの限定された環境のなかでは)植生は大きく変わらない可能性もあります。

いずれにしても、どの生物も微妙なバランスの上に成り立っているのです。その中でも、シルビアシジミは、究極の微妙なバランス上に立脚している。

それやこれやで、シルビアシジミの実態(発生のメカニズム)を把握することから始めねばなりません(食草ミヤコグサともども)。

具体的には、草刈りが行われ丸裸の芝生状になった際、産み付けられた卵や摂食中の幼虫は生き残れるのか、ミヤコグサは再び復活するのか、それとも花も蝶も全滅してしまうのか。

仮にその空間から全滅したとしても、別の空間に移動することで生き延びる。じゃあ、その空間は何処にあるのか、どのようなタイミングで移り住んでいるのか。それらを実際にチェックしておく必要があります。



そのまえに、ひとつ別の話を挟んでおきます。

いわゆる絶滅危惧種の多くは、郊外の“豊かな植生環境”の地より、意外と町の中などで発生している種が多いのです。人為による圧力を、プラスに作用している傾向があります。たっぷりと好適な環境が保たれていることが、必ずしも生物たちの側にとって好ましい条件であるとは限らず、ギリギリの綱渡りの状況に置かれ続けていることが、むしろ好条件に作用する。

以下、全くの冗談ではありますが。

僕自身においても、あるいは高名な創作者の例(例えば斎藤茂吉の場合について以前このブログでも触れたことがあるはず)に於いても言えることなのですが、時間的、肉体的、精神的、経済的余裕があるときよりも、余裕がなく追い詰められていたような状況(とても創作活動に専念できないような状況下)にある時の方が、案外良い作品を生み出せている。

僕も、いつも思うのです。お金があったら、もっともっと良い成果(写真撮影、研究調査、作品制作)が残せているはずなのに、それを思うと残念で仕方がない、と。でも、経済的な余裕がたっぷりとあったなら、案外今よりもつまらない成果しか残せていないのかも知れません。

結果として、ギリギリの状態であることが、功を奏しているという場合もあると思うのです。



環境の整備とシルビアシジミの消長、という話に戻すと、ギリギリということはどういうことかというと、完璧に人為に制圧されるのではなく、隙間や抜け穴があるということです。

公園も公団住宅も、年に数度の一斉草刈りで、完璧に芝生状態になってしまいます。

正確には“ほぼ”一斉に、“ほぼ”完璧に、です。

空間のずれやタイムラグが伴うのです。

本当は、一斉に完璧に、無駄な空間(雑草やそれに伴う生態系)を排除し、雑草やそれに伴う虫の発生などが恒久的に見られなくなる、完全人間主導の環境造りを求めているのだと思います。

しかし、現実問題としては、それが完遂されることはない。予算と人手の問題です。予算と人手の不足により、どうしてもバラツキが生じてしまう。

そのために、時間的にも空間的にも、パッチ状の環境(常にどこかに刈り残し)が生じて、そのことで“ギリギリ”の条件を継続提供し続ける結果になる。

絶滅危惧種というのは、絶滅に至るわけでも、繁栄に向かうわけでもなく、常に危惧に面していることが“正常な状態”であるという、マゾヒステックな集団なのです。



まあそれが僕の認識なので、少々の外圧(発生地が丸裸の芝生状にされてしまう)があっても、トータルでは、種や個体群の継続に於いては、心配は杞憂である、、、、と言いたい所なのですが、本当に大丈夫?となると、確信は持てません。

彼ら(シルビアシジミやミヤコグサ)のアイデンティティを知ること(系統分類の認識に関わる問題)、実態を知ることに取り組む必要があります。

ミヤコグサ(非常に複雑極まりない)はひとまず置いて、シルビアシジミの実態。

周年経過を把握した上で、それぞれの世代の日齢ごとの終日行動の把握。いつどこで何をしているか、環境や天候の変動との兼ね合い。

そこいらの野良猫ちゃんだって、一日の行動は、他の個体との関わりも含め複雑極まりないと思います。それを把握するのは至難の業です(なんなら人間に当て嵌めても同じ)。

ちっぽけな、それも敏速に飛び回る蝶のこと、卵や幼虫はもっとちっぽけなわけですし、至難度は遥かに高くなってきます。

僕が出来ることは、花で吸蜜、雌雄の求愛、卵を産む、、、等々、個々の局面をチェック・撮影することぐらいです。上記のような観察を継続して行い、全体像を繋ぎ合わせるには、大変な気力労力時間を要します。その前にカメラが無い事にはミクロな対象の記録は出来ません。でも、それらをしなくてはならない。

それで、この間もちょっと書いたと思うのですが、隣接する高等学校のことを頭に浮かべました。たいていの高校には、生物研究クラブとかがあるのではないでしょうか。そこの指導教師や生徒さんたちに協力を求める。

人海戦術で調査が進むことに加えて、生徒の皆さんにも自然に興味を持って貰えるし、僕にとっても地域との繋がりが出来ます、地元にとっても将来の展望の糸口になるかもしれない。良い事ずくめではないですか。



早速、高校を訪れ、若い担当教師と面談しました。今は生物部とかは無いみたいですね。科学部です。生物といっても、単純な野生生物ではなく、(人類の役に立つ)応用生物。まあ、社会がそのような方向に進んでいるので、仕方ありません。

一応趣旨は受け入れて頂きました。協力は吝かではないと。ただ条件があって、高校としては個人(青山)との連帯は出来ない、間に行政が介入しないことには、動くことが出来ません、と。

これも仕方がないですね。ということで詳細は略しますが、昨日丸一日がかりで、市役所の様々な課に相談に赴きました。その結果、どこも見事に冷たくあしらわされて、うちはそんな案件には関われないと、門前払いです。

県のほうに行きなさい、との指示を受けて、県の機関にもちょうど用事があったので、そちらに向かいました。

去年の秋、某氏を通じて、県の飯塚支庁の環境ナントカという部署から、今年一年の地元の啓蒙活動への協力を求められて、承諾しました。

何人もの関係者に引き合わされ、ついては後ほど具体的な活動について連絡をするので、待機しておいてください、とのことで、それなりに準備してスケジュールも空けていたのです。しかし全く音沙汰がない。

それで、その後どのように進展しているのですか?と問い合わせました。すると、最初に引き合わされた時には、こちらが恐縮してしまうほど、不自然なほどに低姿勢だったのが一転、滅茶苦茶居丈高な態度で出てきたのです。そんな話は知らない、全て間に立った某氏に任せている、と。その某氏とは連絡もつかない状況です。で改めて進行状況の確認を問うと、うちは関係ないし、貴方に答える必要はない、の一点張り。

それはともかく、高校の件について問い合わせました。やはり、うちは関われない、の一点張りです。福岡の県本部の環境課とやらに電話連絡して貰ったのですが、そういう懸案には関われないし、貴方と話し合いもするつもりもない、と。



まあ、しょうがないです。

でも、(いろんな意味で)ひたすら情けなくなってきます。








シルビアシジミが発生している、公団住宅隅っこのミヤコグサ群落。






刈り取られたあと。








同上






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中国および日本のユリ科(狭義)植物 18 タケシマラン属(タケシマラン亜科)

2024-05-16 21:34:47 | 雑記 報告



正直、人間社会の中で生きていくことに、ほとほと疲れ果ててしまいました。どこか違う世界に行きたいです
まあ、やることをやってからね。



・・・・・・・・・・・・・



ユリ科の話

Streptopus タケシマラン属 扭柄花属



ユリ科、あと2回です。

狭義のユリ科は、これまでに述べてきた、ユリ亜科(ユリ連とツバメオモト連)のほか、2つのマイナーな亜科で構成されています。北米大陸にのみ繁栄するCalochortus属(約70種)から成る亜科Calochortoideae。タケシマラン連とホトトギス連からなるタケシマラン亜科Streptopoideaeです。


Scoliopus属、Prosartis属(ともに北米大陸)、Streptopusタケシマラン属から成るタケシマラン連も、日本列島を中心に繁栄するホトトギス属単独属から成るホトトギス連(次回紹介)も、“ユリ”のイメージからはかなり遠い植物です。


ホトトギスがユリに比較的近縁ということは、APG分類が確立する前から、それとなく知ってはいました。しかし、ぱっと見は、どう見てもAPG分類で“科”の段階で異なるイヌサフラン科のホウチャクソウ属や、“目”の段階で異なるアスパラガス科のアマドコロ属(ともに以前の分類システムでは同じ「ユリ科」に含まれていた)と同じ仲間にしか見えないタケシマラン属が、狭義のユリ科に属するとは、思ってもみませんでした。


他の多くのユリ科植物に比べ、花は極めて小さく華奢、対照的に色鮮やかな熟果が実ります。


タケシマラン属Streptopusは、ユーラシア大陸~北米大陸に10種が分布。日本にはタケシマランS.streptopoidesとオオバタケシマランS. amplexifolius。前者は周日本海地域からシベリアを経て北米西部、後者は全北区(ヨーロッパ‐アジア‐北米)に分布します。他に北米に固有の1種、中国には(日本産2種を含む)5種。大半の種では花弁が強く外側に巻きますが、中国西南部産の2種は花冠が鐘型です。うち四川省産は花がより小さく(径1㎝弱)、花被弁地色が白で紅色を帯びず、葯が短めであることなどからS.parviflorus小花扭柄花と同定しました。

非常に小さな花ですが、近寄ってよく見れば、なるほどユリに似ています。上記した2パターンの花型は、ツバメオモト/メデオラの場合同様に、花冠がテッポウユリのように受け咲きか、ヤマユリのように反り返るか、の違いですね。


*日本産2種は手許に花の写真が無く果実だけ、逆に中国(ベトナム)産2種は花だけしかありません。写真が見つかるまで、このまま仮アップしておきます。





















Streptopus parviflorus小花扭柄花

四川省ミニャゴンカ海螺溝(氷河下の冷温帯原生林内)alt. 3000m付近. Jul.2,2009








Streptopus simplex 脇花扭柄花

雲南省南部と紅河を隔てたベトナム最高峰ファンシーパン山頂から数100m下った熱帯雨林。Jun.25,2017

花被弁が強く背方に反り返らない2種のうち、四川省西南部~雲南省産S. parviflorusより花がやや大きく(花冠径1㎝以上)、花被弁地色が淡紅色を帯びる傾向があり、葯が長めの、雲南省南部‐インドシナ半島北部‐ヒマラヤ東部に分布する集団を、脇花扭柄花S. simplexとした。

*写真は左右が2分割されて表示しています。






タケシマランStreptopus streptopoides 果実

北アルプス蝶ケ岳 Aug.26,1999






タケシマランStreptopus streptopoides 果実

八ヶ岳美濃戸 Aug.1,1984






オオバタケシマランStreptopus amplexifolius 果実

北アルプス白馬岳 Aug.23,1993






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中国および日本のユリ科(狭義)植物 16 ツバメオモト連Medeoleae

2024-05-15 21:10:37 | 雑記 報告


西日本新聞で紹介してもらった「近所の森と道端の蝶(福岡編)」まだ一冊も購読問い合わせがありません。皮算用の10冊1万円どころか、水道代2420円も支払えない。明日から水道止まってしまうので、ちょっと辛いです。

現時点での残金3024円、水道代を支払うと、残り604円、まあ数日は大丈夫ですが、あと半月は持たないと思います。水道を止めて3000円を確保するか、水道を確保して600円で半月暮らすか、究極の選択ですが、見通しが立たないとなると、前者を選ぶしかありません。


それにしても、齢76歳の老人が途方に暮れていても、誰も見向きもしてくれませんね。大震災が起こると、挙って援助金の寄付を競う日本国民は、身近の困っている人に対しては、誰一人無関心なのです。


せめて一冊ぐらいは売れても良さそうなんですが、、、。同じような内容の本でも、有名出版社から刊行すれば、褒め称えられて、原稿料も100万円単位でゲット。個人で自主刊行した場合は、誰一人購入してくれず、挫けずに販売に努力を注ぐと、詐欺まがいの行為と、罵倒されたりする。


僕自身が苦しむ分には、まあしゃあないか、で済ましても良いのですが、日本人の薄情さを目の当たりにすると、とても哀しくなってきます😢。


・・・・・・・・・・・・・・




一平氏、大谷君の成り行き、今後も徹底して見据えて行きます。一平氏の為にも、大谷君の為にも、そして何よりも日本人の未来にとって、(これで一件落着というわけではなく)今後の展開が重要な意味を持ってきます。

僕はこれまで、香港デモ、コロナ騒動、熱中症問題、、、、大衆の見解(いわゆる正論)とは全く異なるスタンスで問題提起を呈してきました。


それに対して“逆張り”と言ったような捉え方をする人がいます(ほぼ全員?)。逆張り、ヤな言葉ですね。大多数にとっては逆なんでしょうが、結果として逆になっているだけで、しごく真っ当なことを言っているつもりなのです(僕が逆なのではなく向こう全員が逆)。「陰謀論」の解釈などとも繋がってきます。




一平氏事件をアメリカのTV局がドラマ化するとの情報。結構意味があるかも知れません。日本人の無意識同調崇拝集団から離れた、別の視点からこの事件を捉えるきっかけになるかも知れんですし。

大相撲に於ける白鵬と、大谷はどこが違うか。まあ白鵬がモンゴル人、と言う部分に、全てが収斂するのでしょうが。

大谷君は、謂わば“まともな”貴乃花ですね。貴乃花は、内から見た改革を推進しようとした。保守の立場に立っての改革です。(いかなる困難が伴なおうとも)本来のあるべき姿に戻す。良い意味での、典型的日本人。

白鵬は(好き好まざると)外から見た改革。拘りも忖度もなく、間違っていると思われる部分は変える。その際、日本人の心情は度外視します(というか、どだい分かるわけがないですし)。“バンザイ三本締め”とかも、本人は良かれと思ってとった行動です。でも大多数の日本人は、それが気に食わない。

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ユリ科の話

ツバメオモトとメデオラ(俗称“インドのキュウリ”)



APG分類が成される前から、旧来のユリ科を細分した場合には、ここまで紹介してきた、ユリ、クロユリ、カタクリ、チューリップなど、典型ユリ類が主体になるだろうことが当然視されてきました。

狭義のユリ科には、それら典型以外の少数の(予想外の)種も加わります。このあと紹介するタケシマランやホトトギスです。同じユリ科とはいえ、さすがにそれらは別の亜科に組み入れられています。

しかし、ユリ亜科には、ごくマイナーな予想外(予想していなかったのは僕だけなのかも知れないけれど)の一群が、据え置かれている。そして、大多数の種が所属するユリ連とは別に、もう一つの連Medeoleaeが提唱されているのです。


究極の小さなグループで、北米東部の1属1種Medeola virginianaに、北米中-西部産の3種と東アジア産の2種からなるClintonia属5種を加えた6種が、全メンバーです。



ツバメオモトClintonia udensisは、日本の山好きの方々には、馴染みの花でしょう。本州中部以北の高山や亜高山の中腹の森林林床に、奥ゆかしく咲いています。地味ながら、その佇まいには、存在感があります。

僕も沢山写しているはずなのですが、全てポジフィルム時代の撮影の為、手許に写真がありません(まだスキャンしていない)。それで、何かの雑誌に掲載した写真をコピーして載せておきます。

ツバメオモトは、本州の主に中部以北(関西にはごく一部)と、日本海対岸(ロシア沿海州、東シベリア、朝鮮半島、中国東北部)に分布していますが、手許にもう一枚、四川省北部の黄龍渓谷に於ける撮影品があります。どうやら中国西南部~ヒマラヤ地方に分布するツバメオモト属のもうひとつの種C.alpinaらしいのですが、中国植物志などではこの地域のものはツバメオモトC.udensisそのものとなっていて、日本産との関係は良くわかりません。



北米大陸には、紅花種と黄花種が各1種分布し、もう一種、この連の模式種でもあるMedeola virginianaが加わります。

ミズバショウLysichiton camtschatcense(東アジア)-キイロミズバショウL.americanus(北米西部)-ゴールデン・クラブOrontium aquaticum(北米東部)の関係と、同様のパターン。

東アジアと北米の生物相組み合わせの基本図式どおり、東アジア-北米西部の各種との共通祖先種を持つ、特殊な外観をした遺存的な種が、北米東岸(アパラチア山脈周辺域)に出現するのです。

テネシー州ル・コンテ山の中腹(日本の夏緑広葉樹林そっくりのブナ林の林床)で遭遇、むろん何枚もの写真を撮影しましたが、前回カタクリの項で記した不慮のアクシデントにより写真は消失、(別の著作に貼り付けて)僅かに残っていた写真をスキャンして掲載します。

非常に変わった花ですが、良く見ると確かにユリの花ですね。ツバメオモトが、花被弁がラッパ状に開くテッポウユリ・タイプなら、メデオラは、花被弁が反り返る壺状のオニユリタイプに相当する、ということだと思います。






タカネツバメオモトClintonia alpine

四川省黄龍渓谷 Jun.22,1989






ツバメオモトClintonia udensis

データ確認中






“Indian cucumber”メデオラMedeola virginiana

テネシー州ル・コンテ山 May 18,2005






花の拡大(ピンボケです)。確かに“ユリ”の花です。








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中国および日本のユリ科(狭義)植物 16 アマナAmana edulia、チシマアマナLloydia serotina

2024-05-15 07:46:57 | 雑記 報告


「困っている人を助けたのに…」パワーショベルで公道走行し運転免許取り消し 処分の撤回求めたが最高裁も訴え認めず…それでも男性は「これからも人助けをしていきたい」(MBSニュース)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース

概ね、夫々のニュースに対するヤフコメ民の反応は賛否10対1ぐらい(あるいはそれ以上の差)で、どちらかに極端に偏るのが普通です(時に半々で拮抗)。3対1ぐらいが最も正常なのではないか、と以前にも書いたように思います。この例では、それにほぼ当て嵌まります。

似たような例で、

「医療資格を持っていない人間は(いかなる状況でも)医療行為を行ってはならない」

というのもありますね。

上の例では、人の生死に関わるほどの緊急案件ではない、というところが、保守陣営が強く出る所以だと思う。



それはともかく、この問題を突き詰めれば、

ルールは、一体何のためにあるのか、ということに帰着します。

もうひとつ突っ込めば、

ルールとは、一体何なのか? 法とは、一体何なのか?

(結論を先に言っておくと、それらは責任逃れのためにある)

ルールも法も、

人間社会に於いて、絶対に必要な存在です。

それを守る、それに従うことは、絶対条件です。

しかし、

ルールや法が、全ての最上位にあるのではないはず。

あくまで、人間社会がスムーズに進行していくために存在するのです。

“それ自体”が絶対的なもの、というわけではありません。

「絶対に必要なもの」だけれど、「絶対的なもの」ではない。



・・・・・・・・



以下の話は、直接の関連はない(話の置かれた次元が異なる)のですが、

バスに乗ると、

「シートベルト必着」の文字が、座席の前をはじめとした車内のあちこちに貼り付けられています。車内放送でも「必ずシートベルトを着用してください」と何度も繰り返し放送されます。

でも、誰もしていません(僕もしない)。これまで、している人を誰一人見たことがありません。

「必着」の有無を言わせぬ強制と、それをまるっきり無視している乗客のコントラストが、笑えて来ます。そのことに対して、運転手も、乗客も、何とも思っていないのです。皆、大人です。実に平和な、穏やかな光景ではあります



そこに行くと中国のバス、これが日本とは正反対。一人でもシートベルトを着用していない乗客がいると、バスは発車しません。その結果、シートベルトを嫌がる乗客と、着用を強要する運転手の間で、応酬が始まります。時には、運転手と乗客が大声を張り上げて罵倒し合い、戦いが繰り広げられます。「平和」とか「穏やか」とかとは無縁の喧噪のなか、(運転手も乗客も気まずい思いを抱いたまま)やっと発車していくのです。まるで子供の遠足です。



日本の運転手は、中国のように民度が低くはないので、そんなことはしませんね。乗客がシートベルトをしていようがしていまいが、意に介せず、バスを発車させます。乗客と口論など、つまらんことはしないのです。どちらにとっても嫌な思いをするだけですし。

運転手がいちいち注意しなくても、座席の前をはじめあちこちに注意書きがあって、場内放送でも「必着」を繰り返している。乗客に対する責任は果たしているのです。万が一事故に有っても、責任を問われることは有りません。



どういうことか、というと、

万が一事故が起こった時、

全員がシートベルトをしている中国では、怪我人がより少なくて済む可能性がある。

一人もシートベルトをしていない日本では、より多くの怪我人が出る可能性がある。

けれど、日本の場合でも、張り紙と放送で注意を促しているので、シートベルト不着用は乗客の自己責任であり、バス会社に過失は課せられません。

本来、シートベルト着用は、乗客の安全を守るために成されるものです。

そして、中国の場合は(少々双方が嫌な思いをしようと)、『結果として』その(安全を守るという)目的が遂行されます。

日本の場合は、『結果として』遂行されるのは、1にバス会社に於ける責任の回避であって、乗客の安全は2の次なのです。



そう、日本では、「責任の回避」が、全ての事柄の最上位に位置しているのです(正負も、企業も、個人も)。



・・・・・・・・・・・・・



ユリ科の話 アマナ属Amana/チシマアマナ属Lloydia(キバナノアマナ属Gagea)



なんと、アマナAmana edulisの写真が一枚もない。シュンランとかセンボンヤリとかと一緒に、どこかで写しているはずなのですが、、、。

中国杭州の町の真っただ中の雑木林にチュウゴクギフチョウが沢山飛んでいて(1980年代末)、しかし訪花(在来種)植物がほとんどないのですね。帰化植物や栽培植物に吸蜜源を頼るしかありません。あんまり健全な状況じゃない、と思っていたら、数年も経たないうちに姿を見なくなってしまいました(この地域からは絶滅したらしいです)。

遭遇した数少ない在来野生種の一つがアマナ。いや、確かにアマナではあるのだけれど、僕の知識にインプットされているアマナとは明らかに異なります。と言って、(類縁的にかなり離れた)別属のチシマアマナ属の種ではなく、明らかなアマナ(の近縁種)です。

ということで、しばし文献類をチェックしたのですが、該当する種はどこにも見当たらない。後に、ちょうど僕がその花を撮影したのと同じ年に、ほぼ同じ場所で記録された個体を基に、新種Amana kuocangshanicaが記載されていることを知りました。もちろん全くの偶然です。ちなみに華東の浙江省や安徽省では、他にも数種のアマナ属の種が記載されているようですが、詳細については把握していません。

アマナが本州・四国・九州および朝鮮半島と中国大陸の一部地域、ヒロハノアマナA.erythronioidesが本州西半と四国、それに上記の華東地方産の数種でアマナ属を構成していることになります。

この分布パターンは、興味深いですね。いわゆるソハヤキ(襲速紀)分布要素の延長であり、日本の固有植物(あるいはそれに準じる種集団)に屡々見られる特徴的な分布パターンであります。

例えば、キレンゲショウマ。それから、中国華東地域に於ける分布は、在来なのか、日本からの移入なのか、よくわからないところがあるのですが、スギもそれに当て嵌まる可能性があります。同じようなことは、ヤマアジサイについても言えるし、そのほかにも、答えの出ていない「華東地域~日本列島」共通分布種が少なからずあります。

上海を中心に、北に南京、南に杭州を従えた華東地方は、昔も今も最も繁栄の極にある、中国の一大中心地です。日本とは、距離的にも近く、歴史的にも深い繋がりがあります。日本の生物相の成り立ちを考える上に於いて、非常に重要な地域なのです(実質的には天目山系がその中心)。なのに、意外なほど実態が分かっていません。



アマナ属のヒロハアマナと対に命名されているホソバアマナLloydia trifloraは、アマナ属ではなくチシマアマナ属Lloydiaです。両属は同じユリ科ユリ亜科ユリ連に属しますが、血縁的にはさほど近くはありません。

外観は似ていますが、アマナA.edulisとチシマアマナL.serotinaは様々な視点からも対極にある存在です。そのことは、このブログでの写真紹介にも現れています。アマナの写真が無い(見つからない)のに対し、チシマアマナは何枚も紹介している。

春の中間温帯林(いわゆる里山を含む)の林床にひっそりと生えているアマナのような植物は、意外に出会うことが少ない。それに対し、高山帯を含む寒冷地の草原に生えるチシマアマナには、出会うチャンス(頻度)がずっと多いような気がします(それとは別に写真の整理・保管に至るパターンが異なる)。

もうひとつ、キバナノアマナGagea luteaという種があります。キバナノアマナ属Gageaは、以前は狭義のユリ科ではなくネギ科(目段階でも異なるアスパラガス目)に含まれていました。印象的には確かにネギの雰囲気を持っています。しかし、最新のDNA解析に基づく分類では、ユリ科ユリ亜科ユリ連に含まれている。

それはまあ良いのですが、研究者によっては、チシマアマナ属Lloydiaとキバナノアマナ属Gageaが併合されていて(ともに全北区に分布し、それぞれ日本に2/3種)、その関係がよくわからない。

ここでは、中国植物志に沿って、全てを洼瓣花(キバナノアマナ/チシマアマナ)属Lloydiaとして一括しておきます(200種以上、ユリ科の最大勢力です)。

日本産のチシマアマナとホソバアマナが白花、キバナアマナと中国西南部山岳地帯産の複数種(正確な同定が出来ないでいるので暫定的な種名です)が黄花。系統分類に於いて、花色は余り関係ないようです。








括苍山老鸦瓣 Amana kuocangshanica

浙江省杭州市西湖畔 Mar.27,1989














チシマアマナ

北海道大雪山 Jul.6-7,1986








チシマアマナ

北海道大雪山 Jul.8,1993








ホソバアマナ

北海道礼文島 Jun.7,1993






キバナノアマナ(左はカタクリ)

山形県東根市大滝 Apr.21,1985










Lloydia tibetica 西蔵洼瓣花

四川省夹金山 alt.4100m Jul.19,2010






Lloydia tibetica 西蔵洼瓣花(右はケシ科Corydalis属)

四川省夹金山 alt.4100m Jul.19,2010








Lloydia flavonutans 平滑洼瓣花 or Lloydia oxycarpa 尖果洼瓣花

雲南省白馬雪山 Jun.14,2009














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中国および日本のユリ科(狭義)植物 15 カタクリErythronium japonicum

2024-05-14 08:25:39 | 雑記 報告


新聞広告、まだ一冊も注文がありません(むろんブログ経由も無反応)。10冊程度(純利1万円)は、と皮算用していたのですが、悲惨な結果に終わりそうです。

15日に水道が止まります(2420円滞納)。


本人確認不可によるアカウント消失のためほぼ全ての知人と連絡が取れなくなってしまっている中、辛うじて連絡の取れた東京の蝶友2人が購入して頂けそうで、なんとか危機を脱出できるかも知れません。


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去年のシルビアシジミ発生地(7月2日~9月28日)は、僕の部屋から徒歩5~8分の公園入口~池端の歩道脇だったのですが、今年の春は(去年の同時期よりも遥かに多くのミヤコグサが咲いているにも関わらず)シルビアシジミを一頭もチェックできませんでした。


今年は去年と異なり、ミヤコグサはあちこちに咲いています。部屋から徒歩2分半の公団住宅中庭には、カーペットを敷き詰めたように咲いている。こんな開け過ぎた環境にはシルビアはいないだろうとスルーしていたのですが、そこに居ました(雌雄とも)。次の日曜日に住民総出で草刈りを行うようです。1m四方ぐらいを残しておいてもらうことになっています。


草刈り後の、卵、幼虫、蛹は、どのようになっているのか?


成虫は、どのような環境へ、どのようにして移動を行うのか?

そういったチェックを行いたいのですが、個人では限度があります。

そこで、さっきふと思いついたのが、隣接した近畿大学の付属高校。大学の事務所には何度か訪ねたことがあるのですが、高校とはこれまで全くコンタクトを取っていません。もしかすると、生物研究部とかがあるかも知れません。


明日、本が2冊届く予定なので、それをサンプルに持って、生物部(があればですが)担任の先生を訪ねてみよう、と考えています。学校のグランド脇に発生しているクロマダラソテツシジミともども、シルビアシジミの動向を生徒たちに調べさせる、というのはどうでしょうか?地元のメディアでの発信もしやすくなるし、資料やパンフのコピーなどもしてもらえるかも知れません。


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ユリ科の話 

Genus Erythronium 猪牙花 カタクリ属



狭義のユリ科のうち、典型的ユリ類(ユリ亜科ユリ連)は、ざっと2つのグループに分けることが出来ます。ユリやバイモの一群と、チューリップやカタクリの一群です(一応それぞれを亜連としておきます、記載の有無はあとでチェック)。

ヨーロッパや中東などユーラシア大陸の西半部にはユリ属の種は少ないのですが、それに代わって繁栄しているのがチューリップ属Turipaです。アジアでは、天山山脈などウイグル北部に及びますが、極東地域には分布していません。

日本などに分布するアマナ属Amanaが、ユーラシア大陸東半部に於けるチューリップ属の代置群(Turipaに併合する見解も)とされてきましたが、最近のDNA解析によれば、AmanaはTuripaよりも、むしろErythoniumカタクリ属に近い位置に置かれています。

いずれにしろ、Turipa、Amana、Erythoniumの3属は、近い関係にあることは確かで、それぞれ独立の属として並列しておくのが妥当と思われます。ユーラシア大陸の西半部に繁栄するのがTuripa、北米大陸に繁栄し、ユーラシア大陸では東西に跨って少数の種が分布するのがErythonium、東アジアのごく少数種からなるAmana、という図式です。これに全北区に繁栄するGageaキバナアマナ属(Lloydiaチシマアマナ属)を加えたのが、この亜連のメンバーということになります。

日本(と日本海対岸地域)に於いては、カタクリとギフチョウ・ヒメギフチョウが概ねセットになって存在していますが、中国では東北部や北部を除きカタクリの分布を欠くため、ギフチョウ(オナガギフチョウ/チュウゴクギフチョウ)とカタクリの花という「定番」の組み合わせは見られません。

カタクリE.japonicumは、北海道から本州(西部の大半を除き四国の一部と九州中部のごく限られた地域を含む)にかけて比較的普通に見ることができますが、中国大陸にはカタクリと同一種が東北部(黒竜江省など)に産するほか、近縁別種E.sibiricum新疆猪牙花(紅白のツートンカラー)が、天山山脈周辺などに分布するだけです。

ユーラシア大陸全域を見てもカタクリ属の種は少数で、上記2種の他、ヨーロッパにE.dens-canis、ロシアに上記E.sibiricumほか数種(E.slevii, E.sajanense, E.krylovii)が分布するだけです。それら旧大陸産の各種(1種に統合する見解あり)は、カタクリ同様に全て赤花です。

一方、北米大陸には、20種ほどの種が繁栄し、そのほとんどが黄(~白)花です。



黄色いカタクリには、思い入れがあります。

もう30年ほど前のこと、北海道北部の歌登町(現在では合併のため町名廃止)に滞在中、たまたま目にした地元の新聞に「黄色いカタクリ」を見つけた方の話が載っていました。歌登町から、さほど離れていない別の町。

僕が歌登町を訪ねたのは、この地域の幾つかの特殊岩石の山に、それぞれその山にだけしか見られない固有植物(ポロヌプリ山のミヤマノギクなど)が分布していて、それらの花を撮影するためでした。

常識的に考えたならば、日本に「黄色いカタクリ」が自生していることなど、まず有り得ないのだけれど、この地域の特殊性を鑑みれば、頭から無視してしまうわけにもいかないような気もします(ちなみに赤いカタクリの日本での北限がこの地域の少し南方で、次の分布地サハリンまで空白区間がある)。

詳細はうろ覚え(一連の物語を書いた記憶があるので、そのうち探し出します)なのですが、おおよそ次の様な経緯だったと記憶しています。

複数の証言者を訪ねました。庭に植えていたというおばさんは、地元の花売りの人から買ったとのこと。他にも黄色いカタクリの事を知っている人がいる、と聞き、その方も訪ねました。その方のなくなったご主人が、生前に山から採ってきたことがあると。その山(一応ポイントは教えて頂いた)は道もなく、ヒグマの巣窟である由。

何らかの形での北米からの人為である可能性が強いことは確かだとしても、そうとも言い切れない、幾つかのモヤモヤした疑問が残ります。

翌年も、雑誌ビーパルの編集長氏を伴って再訪しましたが、手掛かりは得られず、もちろん見つけることは出来ませんでした。その存在に関しては、未だに謎のままです。



そんなわけで、黄色いカタクリには思い入れがあって、2005年夏、ロッキー山脈のグレーシャー国立公園で野生の黄色いカタクリE.grandiflorum(グレーシャー・リリー)に出会ったときは、それはもう感動しました。もちろん、どっさりと写真を撮ったのですが、後に不慮のアクシデントで、ほぼ全ての写真が消失してしまった(たまたま残っていた2枚を表示)。

むろん、日本のカタクリそのものの写真も、ギフチョウ・ヒメギフチョウ絡みを中心に(比較的最近撮影したデジタル写真も含み)山のようにあるのですが、今回は探し出す手間を省くため、手許にあった古いポジフィルムからのスキャン写真のみを示しておきます(いつか機会があればいろんな写真を紹介していきたいと思っています)。








グレーシャー・リリー

Glacier National Park Jul.31,2005












カタクリ(白花/赤花)

山形県大蔵村肘折川 May 10,1982








カタクリ

新潟県浦佐町 May 4,1986








長野県白馬村









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中国および日本のユリ科(狭義)植物 14  Notholilion ギボウシモドキ 假百合属

2024-05-12 16:08:26 | 雑記 報告


ネコの話題はご法度みたいなので、ここんとこGを上回る嫌われぶり(一平氏といい勝負だ!)のカメムシちゃんの話題。相変わらずボロカスに言われていますね。でも、100人に一人ぐらいは擁護者もいます。



pla****さん

>半世紀も生きて来てカメムシが臭いと思った事がない!手でつまんで外に逃してる。おかしいのは、他の人はカメムシを見つけた時にだけ臭いと言うが、気が付かないで近くにカメムシがいるのに臭いと言わない!何度もその様な場面に出くわしたけど、カメムシが臭いなら近くにカメムシがいる時点で臭いと言うはずでは?

【共感した 2/そうは思わない27】



bil****さん

>テーブル掃除機でそっと吸引してあげ、外で解放してあげる。殺虫剤も高くなったし、むやみに殺生すると地獄に落ちるので ひかえたい。

【共感した0/そうは思わない25】



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精神的な病気(医療)というのを、僕は原則信じていないのです。むろん病理的に“異常”を説明できる(ただし正常/異常の認識は別問題として)症状もあるのだろうけれど、大半は観念的に植え付けられた“症状”に過ぎないと思っています。“依存症”なんて、その典型。人類、全て何らかの依存症(ただし誰も気が付かない)なわけで、

それを恣意的に拵えた枠組の中で捉える(異常)か、外側にほったらかしにしておくか(日常と解釈)に過ぎないと思います。



でもまあ、明らかに精神の?病気ではないか、と思われる例もあります。その一つが“過食症”。僕は、典型的な過食症患者だと思っています。半額弁当に出会ったら、安くて美味しそうなので2つ買う。今夜と明日の食事。しかし、まず間違いなく一度に食っちゃいますね。幾らお金に困っていても、あるいはお腹がいっぱいであっても、目の前に食べ物があると、ついつい無くなるまで全部食べてしまう。何度反省しても、同じ失敗を繰り返す。いや、食べるものが無くても、それはそれで平気なのです。あると食べてしまう。これは病気なのだと認識しています。

しかし、例外もあります。冷蔵庫に入れておく。あるいは目に付かないどこかの物の影に隠しておく。すると、100発100中、存在を忘れてしまうのです。そして、日にちが経ち過ぎて廃棄という破目に(実はなんでこんなことを書き始めたかというと、たった今、その事態に遭遇)。

痴呆症、ではないのですよ。若い頃からずっと同じことを繰り返してきました(「若年性痴呆」と言われればそれまでですが)。



それにしても、若者は年寄りをすぐに痴呆症と決めつけてしまう。これは大変な差別、ハラスメントではないのでしょうか?

もっと問題にされて然るべき、と思うのですが。



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ユリ科の話 假百合Notholilion属 假百合N.bulbiferum



ユリ科ユリ亜科ユリ連ユリ亜連には、ユリ属、バイモ属、ウバユリ属のほか、もう一つNotholilion属があります。外観のイメージ(上記4属の中では最もユリらしくない)から、僕は“ギボウシモドキ”と仮称しています。

草丈1メートル前後、多数の花が太い茎に総状に咲くことはウバユリ属と共通。ただし個々の花は前後に短く、花冠が大きく開きます。また、樹林周辺ではなく、高山草原(やや湿性)に生育します。

旧ノモカリス属(ユリ属Saluenense-clade)同様、東アジア(ヒマラヤ~中国西部)の高山に少数の種が分布。中国西南部(四川・雲南とその周辺地域)に、N.macrophyllum大叶假百合(草丈が低く花被片先端は緑を帯びない)、N.ccampanulatum钟花假百合(通常紅花)、およびN.bulbiferumm 假百合(花被片先端が緑色)の3種。ヒマラヤ地方(ネパール、カシミール、アフガンなど)にN.thmsonianum。そして中東周辺(イラン、イラク、トルコなど)にN.koeiei(紅花種)。

























四川省塔公-八美 alt.4200m付近 Jul.24,2010














雲南省香格里拉近郊 alt.3500m付近 Jul.29,2015





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読者の方々へお願い

2024-05-11 16:24:16 | 雑記 報告


読者の方々へお願い



残り全財産(500円+3000円-2000円-540円)2000円弱の中から、380円を使って、Wi-Fi受信のためスタバに籠っています。



西日本新聞(本紙)で今日紹介して貰った「近所の森と道端の蝶・福岡編」の受注を受けるためです(室内ではWi-Fiはほとんど使えない)。



まあ、ブログをはじめてから20年余、これまで何度も“お願い”はしているのですが、一度たりとも反応して貰ったことがありません。薄情極まりない(;´д`)読者の方々には期待していないのですが、背に腹を変えられず、懲りずにお願いする次第です。



主な対象は九州北部在住の方ですね。1億人のうちの500万人ぐらいかな? このブログの読者の20分の1ぐらいの方だと思います。







昨日、某支援者に「中国胡蝶野外観察図鑑」4000円の売り上げがあったことを正直に伝えたら、その中から電話代2000円を即刻払え、と。今すぐ払えないなら電話を取り上げる、と言います。今が一番大事な時(明日、電話で注文があるかも知れない)なので、あと2日(月曜まで)待ってくれ、とお願いしたのだけれど、ダメだ、こっちに支払うのが最優先事項だ、と。それでATMに行って4000円を引き出そうとしたのですが、手数料110円に2円足りなくて3000円しか引き出せなかった。泣く泣く2000円を支払って、バス代払って、残り1900円余からドリップコーヒー380円オーダーして、今日はここで籠城して、本の受注に備えます。



ちなみに11日午後3時現在、受注ゼロです。



そこで、読者の皆様(ことに九州在住の方々)にお願い。本買ってください。一冊売れると、(郵送料を差し引いて)700円がゲットできます。今の僕にとって、700円は大金なので。



ご注文を頂ければ、そのお金で印刷を行い、約1週間後には配送できます(手許に3冊あるので先着3名には即刻郵送可)。



と言っても、このブログの読者なんているのでしょうか?

実は、最低一人はいるみたいで、読者と言うよりも、準公的機関の方ですね。(一昨日)このブログを読んでクレームがあり、詳細は略しますが、ある事柄について記した記事を全部削除するように、との指示。



お上の言うことには逆らえないので、あや子さんにお願いして関係記事の部分を(前後の無関係な記述ともども)全削除しました。



それは良いのですが、そのためここしばらくの旧記事については、その内容に様々な整合性の不具合が生じることになってしまっています。



純粋に僕のブログを楽しみにしてくださっている方(たぶんそんな人はいないだろうけれど)におかれましては、その旨、ご了解を願います。



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ちなみに「ある事柄」というのは、大谷君/一平さんに関しての話ではありません。



一平氏事件は、おそらく大多数の方々の認識とは全く異なる(そして遥かに大きな)次元の問題を内包しています。



それは、「なぜ人類の世界から戦争が無くならないのか?」ということと、根源的な部分で直結しています。



僕は、大谷選手を(一平氏も)応援しつつ、残りの(たぶん僅かしか残っていないでしょうが)人生をかけて、問題の本質を追求し続けて行く覚悟でいます。








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中国および日本のユリ科(狭義)植物 13 ウバユリ属Cardiocrinum

2024-05-11 13:07:50 | 雑記 報告

中国および日本のユリ科(狭義)植物 13 ウバユリ属Cardiocrinum

「製本直送」の売り上げ(「中国胡蝶野外観察図鑑」)は4000円でした(1万3000円を期待していたのだけれどそれは来月回し)。携帯電話をお借りしている方から、2000円の電話代支払いを要請され(待って貰うことは出来ない)、残り2000円、14日の水道代2400円が払えなくなってしまいます(無慈悲にも期限を過ぎれば即刻止められる)。明日の西日本新聞での紹介による購読希望者(「近所の森と道端の蝶」)がどれくらいいるか、にかかってきます。手許に3冊準備できているので、とりあえず3冊売れれば、なんとか水道代に回すことが出来ます。

自己責任とはいえ、なんでこれほどまでに虐げられなきゃならないのか、
この間来た三世からのメール、
>ジョージもだいぶ人から酷い目に遭わされてますが、青山さんはその上をいくのではないかと思ってます。生き抜く方法を可哀そうな若者に伝えていくのも青山さんの使命、社会の窓からの使命だと思います。

思わず、うん、と頷いてしまいました(-_-;)。

ジョージの気持ちが(一平さんの気持ちも)痛いほどわかります。

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【プレバト】ゆりやん 俳句で衝撃「5点」夏井先生が激怒「日本語としても腹立たしい」意味不明の迷作 浜田雅功は大喜び (msn.com)


僕はこの人、大嫌い、というか、大の苦手だったのですが、今回の件については、同情を禁じ得ません。

そういえば、水原一平氏も以前は苦手だったのですね。
どうやら、嫌いな人が虐められていると、加担したくなる、という変な志向があるみたいです。

“消しゴムが 白き水面に ボウフラを”

いい句だと思うけれどなぁ~~

「頑張って勉強して、消しゴムを何回も消すと、消しカスがたくさん出る。それが白いノートにたくさん積もっていると、ボウフラのように見えるという句です」

ちゃんと理屈も通っているし。

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ユリ科の話 Genus Cardiocrinum 大百合 ウバユリ属  C.cordatum/C.giganteum

ウバユリ属も、バイモ属同様に、ユリ属とごく近縁な関係にあります。でも姿は異様、、、怪異と言っても言い過ぎではないでしょう。

多数の種が繁栄するユリ属、バイモ属と違って、日本からヒマラヤにかけての、ごく少数の種(3種)から成ります。

ウバユリの花は、細長い(ほぼ閉じたように見える)花冠が真横に突き出し、淡緑色をしています。開花盛期でも、花の咲く前、あるいは咲き終えた後と、見紛えてしまいそうです。でもよく見ると、なかなかに趣があります。

豪壮な茎はしばしば人の背丈を超し、葉は茎の下半部に付き、単子葉植物としては例外的に丸く幅広く、網目上の脈を持っています。

2021年夏、東京のアパートから歩いて行ける距離の狭山丘陵の一角で、ウバユリの野生群落に出会いました。ドッサリ写真を撮っておいたのだけれど、メモリカードが壊れてしまって、写真を復元することが出来なくなってしまいました(お金さえかければかのうなのですが)。それで残念ながら、ここでは紹介できません。

ウバユリは、日本列島(サハリンなどを含む)固有種で、中国大陸東部~中部には、ウバユリとヒマラヤオオウバユリの中間的な外観の荞麦叶大百合C.cathayanumが分布しています。

四川省ミニャコンカ中腹(海螺溝alt.3000m付近)の原生林内で出会ったヒマラヤオオウバユリC.giganteumは、葉や花の姿はウバユリと共通するも、遥かに巨大で、花色もカラフルなので、ずっと存在感があります。

*注:前半の「ゆりやん」と、後半の「ウバユリ」は、全く関係がありません。書き終えてから。同じ「ユリ」であることに気付いた。何の意図もない、全く偶然の邂逅です。






ウバユリ(オオウバユリ) C.cordatum var. glehnii
群馬県水上町Jul.5,1985




ウバユリ(オオウバユリ) C.cordatum var. glehnii
長野県上高地 Aug.4,1992






ウバユリ(オオウバユリ) C.cordatum var. glehnii
岐阜県白山 Jul.29,1998




ウバユリ C.cordatum
群馬県榛名山 Jul.23,1985




ウバユリ C.cordatum
東京都武蔵村山市 Aug.3,2021














大百合ヒマラヤオオウバユリC.giganteum
四川省ミニャコンガ海螺溝 alt.2800m Jul.4,2009




ヒマラヤオオウバユリ。若い株の花。




ヒマラヤオオウバユリ。左に巨大な根生葉が見える。








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今年のシルビアシジミ

2024-05-10 08:11:40 | 雑記 報告


去年7月2日に、偶然、公園の入り口(裏口)で出会ってから、9月26日のラスト・チェックまで観察を続けていました(ちょうどカメラが壊れてからだったので余り良い写真は写せていない)。

生育地は(隣接した)3ポイントの、ミヤコグサが生える半径1mほどの範囲。


秋に、どのポイントも草がきれいに刈り取られて、丸裸になってしまった。絶滅が危惧されながらも、しぶとく生き延びてきた蝶なので、心配はないと分かってはいても、今年も無事出会えるかどうか、気にはなります。


第一化は4月から出現するはずなので、3日に1回ほど発生ポイントに立ち寄って、チェックを続けてきました。しかし、いつまで経っても姿を現しません。少々心配になってきました。




去年とは、大きく異なる点があります。ミヤコグサが、去年とは比べ物にならない圧倒的な量で咲いているのです。しかし、シルビアシジミの姿は有りません。飛んでいるのは、ヤマトシジミとツバメシジミばかり。

それと、去年ミヤコグサを見たのは、発生ポイント周辺だけだったのが、今年はあちこちで見かけます。しかも、去年のように、ポツンポツンとではなく、一面に咲いている。


僕のアパートから公園入口のシルビアシジミ発生ポイントに行く途中の、公団アパート群の道路との間の斜面には、去年も咲いていました。でも、流石にこんな開け過ぎた環境にはいないだろうと、スルーしていたのです。




今年は、その公団アパートの庭一面を、ミヤコグサが覆っています。在来植物が、このような一面の群落を造る例は余り無いように思います。シルビアシジミがいないだろうことは端から承知のうえで、この異様とも言える大群落を、念のため記録しておこうと写真を写し始めたら、なんとシルビアシジミがやって来た。それも複数頭。

かなり汚損した♂だったので、たぶん4月上旬から発生しているのでしょう。毎日のように通っていたのに、こんなところにいるはずはない、とチェックを疎かにしていたので、出会えなかったのだと思えます。




ミヤコグサにしろ、シルビアシジミにしろ、実態が良くつかめない、変てこな生物である、という思いを強くした次第です。






以下、いずれも2024年5月9日。






僕のアパートから徒歩2分半。ミヤコグサが一面に咲いています。
















明後日(5月11日土曜)の朝、住民総出で草刈りを行う由。僕も参加して、事情を話して、一部を残してもらうよう、交渉を予定しています。






僕の部屋の窓から。中央辺りの団地群の中庭が発生地です。






団地住人の80歳のお婆さんと四方山話をしていたら、チャバネセセリがやってきました。5月のチャバネセセリも、結構貴重なのです。






そのあと、公園を半周して部屋に戻ったのですが、去年撮影出来なかった51番目の種、イチモンジチョウに(去年写し損ねたのと同じ場所で)ばったり出会いました。慎重を期して近寄るのを躊躇していたら、すぐに飛び去って(去年同様)戻って来なかった。余り良い写真ではないけれど、とにもかくにも写すことが出来たので、ホッとしています。













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中国および日本のユリ科(狭義)植物 Ⅻ バイモ属2 クロユリ/コシノコバイモ

2024-05-09 21:23:18 | 雑記 報告


今日は良いことが2つありました(シルビアシジミ復活と51種目の蝶の撮影)。それについては後述。





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ユリ科の話

Genus Fritillaria 2 クロユリF.camtschatcensisとコシノコバイモF.koidzumiana



クロユリ(ミヤマクロユリ=以下同) 北海道大雪山 Jul.27,1986



クロユリ 北アルプス常念岳



クロユリ 白山 Jul.29,1998







コシノコバイモ 新潟県長岡市 May 5,1986




























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中国および日本のユリ科(狭義)植物 Ⅺ バイモ(クロユリ)属1 暗色貝母/川貝母

2024-05-09 07:46:42 | 雑記 報告



制球力、修正力、そして総合力。

とにかく基本ですね。

プロ野球選手としては小柄な部類で、威圧感もなく、特に球のスピードが速いとかでもなく、一見した感じでは、なぜこれほどダントツの成績を残せているのかよくわからない気もする山本由伸選手が凄いのは、基本が完璧という点にあると思います。

当たり前のことなのだけれど、その当たり前が難しい。

野球だけではなく、全てにおいて言えるでしょう。50歳余年上の僕も、山本君を見習わねばなりません(殊に修正力)。



なんだかんだ言っても、大谷君と由伸を獲得したドジャースは、流石に強いです。問題はポストシーズン。大谷君に“力み”が出なければ良いのですが。



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ユリ科の話

Genus Fritillaria 1 暗紫貝母F.unibracteataと川貝母F.cirrhosa



僕が中国と日本で撮影したユリ属の種の紹介は前回までです。この後9回は、ユリ属以外の狭義のユリ科植物を紹介していきます。



最初の2属、バイモ(クロユリ)属とウバユリ属Cardiocrinumは、ユリ属にごく近縁で、ユリ属とともにユリ亜科のユリ連(さらにユリ亜連)に所属します。

よくクロユリのことを、「ユリと名が付くけれどユリではない」という言い方をしますが、それは違います。ユリ属に含まれていないとしても、ユリにごく近縁の植物であることは確かなので、「ユリ」であると考えても、必ずしも間違いとは言えないのです。

*ちなみに「ユリ」という種名の植物は存在しません。ただし中国ではLilium brownie(日本名:ハカタユリ)が、「百合」に相当します(「野百合」ともいう)。

一方、ユリ属とは類縁的に遠く離れた広義の(旧分類体系の)ユリ科植物の中には、姿もユリに似て、00ユリと名付けられた種が幾つもあります。それらに関しては「ユリと名が付くがユリではない」と言うことが出来るでしょう。クロユリやウバユリの場合とは、置かれた状況(関係性の距離)が全く異なるのです。



線引きの問題もあります。少し前までは、ユリ連の中でもNomocharis属、バイモ属、ウバユリ属の3属がユリ属に非常に近縁で、研究者ごとに、それぞれの属をユリ属に併合させる提唱が成されてきました。

現時点の解析結果においては、このうちNomocharis属の各種が、ユリ属の幾つかのグループの種と同一分枝に位置づけられることが判明したため、次の2つの処置のどちらかを選択する必要に迫られることになりました。

①Nomocharis属と同一分枝に入るユリ属の種と、それ以外のユリ属の種を、別の属とする。それ以外のユリ属も、バランスを考慮すれば、多数の属に分かれることになる。Nomocharis属の名が残る可能性はあるが、場合によってはユリ属の名は消滅してしまう可能性も出て来る。

②ユリ属の中にNomocharis属を併合する。

まあ、②の選択が、妥当なところでしょうね。



では、Nomocharis属同様に、ユリ属にごく近いと考えられるバイモ属やウバユリ属はどうなるのか、というと、

両属とも、ユリ属のいずれかの種と単系統を構成することはないことから、

③ユリ属に組み込む。

④そのまま独立属として据え置く。

の2つの選択肢が成り立ちます。

④を選ぶにしても、Nomocharis属に於ける①の場合のように、複雑な再構築をしなくて済むのです。

ということで、現行のユリ属をそのまま生かすには②の処置を選ばざるを得なかったNomocharisとは違って、(ユリ属に併合しなくてはならないという必然性はないことから)従来通り、バイモ属、ウバユリ属も生かすことが出来るわけです(むろん、ユリ属に併合する、という見解が有っても良い)。



バイモ属には、2つの名の知れたメジャー植物が含まれます。漢方の代表種のひとつバイモ(貝母)と、高山植物として人気のクロユリです。ただしバイモ(貝母)は日本では移入植物で、自生はしていません。自生種はよく似たコバイモの一群で、地域ごとに幾つもの種(亜種や変種とする見解もある)に分けられています。また、クロユリも、複数の下位分類群に分かれます。



今回は、中国西南部山岳地帯に分布する2種、次回は、日本のクロユリとコシノコバイモを紹介していきます。



ところで、このシリーズの冒頭に、「狭義のユリ科の大半はユリ属の種が占める」と記したように記憶していますが、正確に言うと、そうとも限らないのです。確かに、日本や中国など東アジアに於いては、そのように捉えることが可能ですが、ユーラシア大陸の西部や北米大陸を視野に入れれば、ユリ属に匹敵する種数を擁する属が幾つかあります。バイモ属もその一つで、ユーラシア大陸の西半部では、(同じくユリ連の一員であるチュ-リップ属やチシマアマナ属とともに)ユリ属を上回る繁栄を遂げています。



バイモ属は、中国植物志によると世界に130種、うち中国に20種、日本には(コバイモ類を細分した場合)10種前後が分布します。

中国で僕が撮影した2種は、四川省と雲南省の、いずれも標高4000m超の高山岩礫地に生育していました。

雲南省の白馬雪山では、前回、前々回に紹介したユリ属の小型種、尖被百合Lilium lephophorumや小百合Lilium nanumと同じ地域(ただし生育地はそれぞれ重ならない)に生えていました。四川省の雪宝頂でも、白馬雪山とほぼ同じような環境に生えていました。

前者を暗紫貝母Fritillaria unibracteata(分布:四川・青海・甘粛)、後者を川貝母Fritillaria cirrhosa(分布:四川・雲南を含むチベット高原~ヒマラヤ地方周辺地域)と同定しておきますが、確信はありません。


















暗紫貝母Fritillaria unibracteata

四川省雪宝頂(峠) alt.4200m付近 Jul.4,2005






暗紫貝母Fritillaria unibracteata

四川省雪宝頂(黄龍渓谷) alt.3200m付近 Jun.24,1989

*峠頂の個体とはかなりイメージが異なりますが、一応同じ暗紫貝母として扱っておきます。


















川貝母Fritillaria cirrhosa

雲南省白馬雪山(峠) alt.4100m付近 Jun.16,2009








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中国および日本のユリ科(狭義)植物 Ⅹ 小百合Lilium nanum

2024-05-07 20:55:26 | 雑記 報告






《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース



「日本が世界でも唯一無二の素晴らしい国であって、私たち(もちろん僕も含めて)国民が誇りに思う」ことと、

「過去の過ちを反省し、今再びそこに向かいかねない懸念を指摘する」ことは、全く別次元の問題です。



大谷君は、今日も大活躍で、その事自体は僕も嬉しくて仕方がありません。でも、それとこれ(水原一平氏事件の本質的な問題を考える事)は、別の、かつ真摯に向き合わなくてはならない問題なのです。

上の記事は、特別な(目新しい)ことを言っているわけではありません。ごく日常的な、当然の話です。それでもってヤフコメ民は、この記事を、皆が普通にやっていることに対しての悪意に満ちた揚げ足取り、と声を揃えて断裁します。

しかし、このような、日常のありきたりな現象が、多くの付属事項を伴いつつ、余りに非日常的な、とんでもない“悪事・事件”へと膨らんできたのです。

一平氏の全ての行動軌跡を「悪」として断罪するならば、そこに至る様々な現象や背景をスルーしてしまうことは、余りに身勝手なのではないかと思うのです。

大谷君には(彼自身の為にも)、心の中に「自分にも責任がある」といった自覚を秘めていて欲しい、と願うばかりです。



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ユリ科の話

Lephophorum clade 2 小百合



前回の尖被百合L.lephophotumと、今回の小百合L.nanumは、同じcladeに分類されます。奇怪な花の形の尖被百合に対して、小百合はごくシンプルな姿をしています。

僕は長い間、クロユリ(バイモ属)の一種だと思い込んでいました。クロユリを含むバイモ属もユリ属にごく近縁なので、まるっきり間違っている、と言うわけではないのでしょうけれど、本種が特にクロユリと(血縁上の)関連が深いと言うわけでもないようです。

種としては、チベット高原を中心に、ヒマラヤ地方から中国西南部に広く分布していて、大半の地域集団は、クロユリに似た青紫~赤紫~濃ピンクの花色。例外的に、白馬雪山で見る個体のみが全て黄色で、変種・黄花小百合var. flavidumとされています。

白馬雪山では、尖被百合とほぼ同じ環境(シャクナゲ低木群落内)に生えていますが、微環境は異なっていて、

尖被百合が周りの樹木と接しない砂礫地面上に生えるのに対し、本種の生える周囲はシャクナゲをはじめとした矮生樹木に囲まれています。




























雲南省白馬雪山 alt.4300m付近 Jun.15,2009








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中国および日本のユリ科(狭義)植物 Ⅸ 尖被百合Lilium lephophorum

2024-05-06 20:34:46 | 雑記 報告


大谷君、いや、もう、、、4の4で2ホーマー、こういうのを無双状態というのでしょうか。

再び打率トップに躍り出て、ホームラン数もトップに並びました。気が早いとは言え、三冠王を期待してしまいます。

ただ、やはり打点が問題、今日の3打点を加えても、トップとは8差があります。今日の試合の4安打も、全て得点圏にランナー無しですし。

勿論ヤフーコメントは、大絶賛の嵐です。この活躍を鑑みれば、当然としか言いようがありません。ただし、相変わらず得点圏打率が低いことを危惧するコメントもチラホラありました。これも当然なのですね。数字がそう示しているわけですから。そしてどのコメントの主も、批判が目的で言っているわけではなく、大谷君を応援している故の叱咤激励であることが分かります。

けれど、そのようなコメントに対しては、“アンチ”である、という誹謗が容赦なく浴びせ掛けられます。怖いですね。



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お金、全くありません(😂)。今週末には、西日本新聞(本紙)で「近所の森と道端の蝶・福岡編」を紹介してくれることになっています。購買希望者の問い合わせ先として、僕(Photo-office MOEGI)のメールアドレスと電話番号が記されています。一冊約1000円の純利を得ることが出来るので、数冊売れれば何とか今月の生活(食費)が可能になります。



一体、どのくらいの注文があるでしょうか?(これまで自分のブログでの自著紹介では一冊も売れたためしがないですし)ゼロという可能性もあります。一方、正規の出版社からの僕の刊行物は、常に少なくとも数千冊は売れている。それを考えれば(九州では最大手のメディアの一つではあるわけだし)、100冊ぐらいのオファーは期待しても良いのではないかと。せめて10冊は、と思っています。



10冊売れれば、実利1万円なので、今月は遣り過ごせそうです。

しかし、大問題があります。

仮に注文が来たとしても、それに応えることが出来ない。

印刷代の予算は全くないので、注文が1冊であろうが1000冊であろうが、指を加えて見ているしかありません。何のために紹介して貰っているのか、意味がなくなってしまいます。



誰も協力はしてくれないのですね。自己責任だ、と。もっともです。もっともだけれども、悔しいです。自己責任といえども、手をこまねいていたわけではなく、必死に頑張ってはいるのです。けれど、回りの人々は、「道楽の延長」ぐらいにしか認識していないのですね。



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ユリ科の話 

Lephophorum clade 1  クッツキユリ 尖被百合 L.lephophorum



Lephophorum cladeは、外観が顕著に異なる複数の種から成っています。殊にここで紹介する2種は、著しく異なります。どう考えても同じグループに所属するとは思えないのですが、DNA解析でも同一群に所属することが示されているので、その結果に従わざるを得ません。

ただし、花被の外観が極端に異なることを除けば、他は諸々の点でほぼ共通します。分布圏(中国西南部などの高地帯)や生育場所(写真を撮影した白馬雪山ではほぼ同じ場所に生育、ただし微環境は異なり、全く同じ所に見られることはない)、開花時期、花や茎の大きさ(共に草丈10㎝前後)、花色(共にクリーム色)等々。


それにしても、この尖被百合L.lephophorumの花被の奇怪さ(花被片先端が全てくっつく)は、他に類を見ません。


世界でも有数の、不思議植物の一つだと思います。


























雲南省白馬雪山 alt.4200m付近 Jun.14,2009






雲南省白馬雪山 alt.4200m付近 Jun.22,2005








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中国および日本のユリ科(狭義)植物 Ⅷ ユンナンベニユリ滇蜀豹子花 Lilium forrestii

2024-05-06 07:53:09 | 雑記 報告



日曜日は、寝坊しない限り、朝8時過ぎに部屋を出て、徒歩45分かけて市役所前の教会に行き、日曜礼拝に赴きます。

カトリックの教会とプロテスタントの教会があって、僕にはその区別がつきません。それで両方に顔を出すのです。

カトリック教会は朝9時から、プロテスタント教会は10時半からということで、ハシゴが可能です。

不謹慎かも知れないと言うことは承知の上ではありますが、僕の母親(明治の末年生まれ)などは、仏壇と神棚とキリスト教の祭壇が並べてある居間で、座布団を移しながら、それぞれお祈りしていたものですから、それに比べればまだましな方ではないかと、勝手に納得しています。

お察しの通り、信心があるわけではありません。義理人情です。

カトリックのほうは、信者さんを通じて、携帯電話やフィルムスキャン機材などの提供者を紹介して頂き、プロテスタントのほうは、急病で苦しんでいる時に、牧師さんが病院まで付き添ってくださったりしました。

それらの恩に報いるため僕に出来ることは、日曜ミサに出席し続けることぐらいかと(両方掛け持ちの件については、プロテスタントの牧師さんは、いいですよ、比べてみるのも、もっとも他の人には言わないで置いた方がいいですね、と)。

カトリックのほうは、良くも悪くも形式重視で重苦しく、1時間余、ひたすら我慢の子です。それもまあ良いのではないかと思っています。プロテスタントのほうは、一転してフランクで、それまでの緊張感から解放されます。牧師さんの説教が、様々な例え話などに飛び火したりして、毎回面白いのです。



キリスト教発祥前後の舞台は、中東(主に西半部)から地中海東南岸(ギリシャ辺りまで)にかけて。それは野生生物の典型分布パターンと、ほぼ完全に重なります。

例えば(東アジアのギフチョウに対応する)モエギチョウ。

モンシロチョウの祖先集団。

様々な果物や野菜の祖先集団。

今取り上げているユリでは、マドンナリリーやマルタゴンリリーの在来分布地。

ほとんどの生物が、東アジア(中国西南部横断山脈周辺と日本列島に2つのターミナル)と対応するこの地域に、起源を発しています。

もっとも、それらの時代は数100万年単位の過去に遡るのですが、現代の人類に連なる(キリスト文明を含む)歴史は、せいぜい数千年単位、全く異なるのですね(ただし、種としてのホモ・サピエンスの歴史は100万年単位に及ぶ可能性があります)。なのに、実態は重なっている(僕は“時間のフラグタル”という概念で捉えたいと考えています)。



それはともかく、聖書は、様々な諍い(裏切りとか葛藤とか)の物語で構成されているようです。早い話、紛争・戦争ですね。その舞台が、現在の紛争地帯と、すっぽりと重なる。見事なまでに一致しています。人類は、何千年と同じことを繰り返し続けているわけです。

正義、平和を叫びつつ、なのに、なぜいつまで経っても戦争が無くならないのか。

人々が頑なに平和を望んでいることが、戦争が無くならない原因です。

平和な世界が成就する唯一の方法は、自らにとっての平和を放棄する事、選択肢はそれしかないと思います。

そしてそれは、絶対に出来ないわけですね。

人類が亡滅する寸前に、その事に気が付くのかも知れません。



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全く無関係の話です。



ネットニュースを検索していたら、

「カメムシはゴキブリより嫌われている」

という話題を目にしました。

セミ(半翅目)大好き人間の僕としては、兄弟分*のカメムシがそんなに嫌われていることに、少なからずショックを感じます。昔はそれほど嫌われてはいなかったような、、、。一部の種が発する匂いだって、確かに強烈ではあるけれど、一方的に“悪臭”と決めつけてしまうのは、なにか抵抗を覚えます(カメムシの一種であるアメンボのように“飴に似た香り”と形容されていたりするし)。

匂いに関しては、いつの頃からか、“嫌な匂い”という感覚が、空気伝染的に広がっていって(無意識同調)、特定のコミュニティ(例えば日本人)共通の概念として意識の中に刷り込まれてしまった、と言えるのではないでしょうか?

*以前は半翅目は同翅亜目(セミやウンカ、およびアリマキ)と異翅亜目(カメムシ)に分けられていたのですが、最近の見解では、カメムシも意外にセミと近縁であることが判明しています(従って亜目分割は成されない)。



コメント群(全て「カメムシ大嫌い」で統一)の中に、「カメムシは根絶するべき」という意見がありました。

賛成者多数の中にあって、

>「根絶」だなんてあんまりでしょ。 カメムシの気持ちも考えなさいよ!

という、真っ当な意見もありました。

しかし、その意見には、膨大な数の「そうは思わない」が押されていた。

やりきれないですね(;´д`)。



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ユリ科の話

Saluenense -clade



旧・Nomocharis属です。バイモ(クロユリ)属、ウバユリ属、Notholilion属と共に、ユリ属に近縁の側系統に位置づけられてきましたが、単系統の属としては成り立たず、ユリ属の一分枝に集約されることが判明して、現在ではユリ属に併合されています。系統分枝上、葉緑体DNAに拠る解析では大理百合などが所属するBakerianum cladeに、核DNAに基づく解析ではヨーロッパに繁栄する数少ないユリ属の一群のCandidum(マドンナ・リリー)cladeに、それぞれ近い位置に示されています。

実に美しい花の咲く一群で、中国西南部-インドシナ半島北部-ヒマラヤ東部に分布する5種前後から成っています。

林縁などの湿地上に、丈の低い茎の頂に大きく派手な色彩の花が下向きに咲きます。撮影は、体を伏せて茎の根元付近からカメラを上向きに構えねばならず、体中が泥んこになってしまいます。



僕個人的に嬉しいことは、属が置き代わって(ユリ属に併合されて)も、旧来の”Nomocharis”時代の中国語名称(滇蜀豹子花または開弁豹子花)が、そのまま併用されていることです。

地方名の持つ意味合いは、学名の持つ意味合いとは全く異なる次元で成り立っている、という、“非科学的処置の重要さ”が、研究者たちも分かってきつつあるように思われます。

特に和名は無いように思われますが、僕は以前から“ユンナンベニユリ”の名で通しているので、ここでもその名を使用しておきます。



なお、中国植物志では、種名がforrestiiからapertumに変更されていますが、ここでは便宜上、旧名のforrestiiを当てておきます。

Nomocharis forrestii=Lilium forrestii=Nomocharis apertum=Lilium apertum=滇蜀豹子花=滇蜀豹百合=開弁豹子花=開弁百合=ユンナンベニユリ
















雲南省香格里拉近郊(碧塔海) 2005.6.20






雲南省香格里拉近郊 2005.6.19






雲南省香格里拉近郊 2005.6.18







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近況報告 2024年5月4日 カワトンボなど

2024-05-05 15:12:07 | 雑記 報告









コチャバネセセリが一心不乱に吸い戻し行動を行っていた(指でつついても止めなかった)その横の樹の梢に、カワトンボがとまっていました。地味さ究極のセセリチョウばかり紹介したので、口直し?に奇麗なカワトンボの写真をアップしておきます。










と言っても美しいのは♂で、多くの昆虫同様に、♀はうって変わって地味です(考えてみれば、♀のほうが煌びやかな人間って、ちょっと変ですね)。










カワトンボの分類は非常に複雑で、幾つもの種に細分されています。しかるに最近の知見では、必ずしもその細分は妥当ではないのではないか、という示唆もなされていて、一周回って元の一種に統合し、そのうえで改めて細分に取り組む、という方向性も示されつつあるようです。






















3年前のちょうど同じ頃(2021.5.6)に東京のアパート近所(青梅市霞丘陵)で撮影したカワトンボ。

気にいっているので何枚か再掲載しておきます。








これはミヤマカワトンボ(2021.6.6)。













今日撮影したシダの葉に止まるカワトンボと同じような構図の写真を以前撮影したことを思い出し、探してみました。中国桂林で常宿にしていたユースホステルの受け付け嬢の故郷が、広西壮族自治区と湖南省の省境の芙蓉村というところで、そこから山道を一日がかりで登った峠の上に、ゴヨウマツの一種の自生株があるという情報を得ました。山腹の農家に泊めて頂き、五葉松の探索に向かったのですが、他にもいろいろ成果があって、その一つがこのカワトンボです(2009.5.20)。もちろん日本産とは別種だと思いますが、まだ同定はしていません(中国では他にもカワトンボの撮影をしているはずなので出て来次第紹介します)。








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