場末の雑文置き場

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被害者の口を塞ぐ社会

2017年06月04日 | 政治・社会

顔を出して性被害を訴えた女性に対して、案の定ネット上では中傷の嵐だった。

最初からでっちあげと決めつけて、彼女を嘘つき呼ばわりしている人間は非常に多かった。慰安婦問題でも痴漢問題でも同じようなものを見てきたから全く驚きはない。
性被害のでっちあげって、たしかにフィクションの中では多いよな。それで悪女幻想か何かを持ってしまって、現実でもそうだと思いこんでしまうような人が少なからずいる。現実とフィクションの区別がついていないんだな。

男と二人で飲むということはセックスOKのサインだから後から文句を言うのはおかしい、という意見も多かった。そういう思考の人間がいることは理解しているが、それが常識みたいに言われるのは違うだろ、と思う。勝手な不文律を作らないでほしい。セックスならしたいとはっきり言えば済む話だ。そうすれば行き違いも起こらない。

更にアホらしいのは、彼女が韓国人だとか整形だとか言ってる奴。仮にそうだったとして、だったらなんだと言うんだ。犯罪が犯罪でなくなったり罪が軽くなったりするのか。そんなわけないだろ。

日本って、そもそも性犯罪に限らず、訴えることへの忌避感が強い社会だと思う。金目当てと言われて非難されたり、レイプ・痴漢・モラハラ辺りならでっち上げ扱いされたり。しおらしい、模範的だと思われるような被害者でいる限りは同情もされるが、そこから外れると途端にバッシング。

あと日本には傷物という概念もあって、性被害に遭うのは恥ずかしいこと、隠しておくべきこと、みたいな空気もある。そういうのがあるから、顔まで出して被害に遭ったことを世間に公表するなんて恥知らずだ、もっと萎縮しているべきなのに、っていう感じで彼女に反発している人も多いんだろうな。
いじめと同じで本来、恥ずかしいのは被害を与えた側であって受けた側ではないはずなのにね。


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