今回も蕪懸魚(かぶらげぎょ)です。蕪を鏑と書くこともあるようです。形は鏑のようにみえますので、むしろ鏑が元なのではないかとも思えます。下方にある巻いた部分の下につく、末広がり部分の数で並べてみました。部位名称は(1)にあります。
熊野神社拝殿(谷田町4503)
この懸魚の場合、末広がり部分はありません。懸魚上部の装飾物である六葉の飛び出した部分を「樽の口(たるのくち)」というそうです。いいかたちをしています。
鹿島神社本殿(内原町)
末広がり部分は1つです。六葉部分が三つ巴紋の装飾になっています。その下にはハート型の「猪目(いのめ)」があります。
天神社本殿(元吉田町 常照寺裏手)
これも1つです。巻いた部分は少し彫下げられただけです。巻いた部分は太くておおらかな表現です。六葉は天神の梅鉢紋になっています。この場合は「六葉」ではなく、五角形になります。
住吉神社本殿(東前町2-874)
これも1つですが、二本の曲線であらわされています。線は隅まで行っていません。
素鵞神社(米沢町720)
末広がり部分は2つです。三本の曲線で2段が表現されています。これは矢じりのように見えますが、「鏑」というのはこうした形から付いた文字なのでしょうか。
香取八幡本殿(川又町561)
これは3つです。カマキリの頭部を思わせます。六葉等のない、シンプルなかたちをしています。
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