佳乃さんを殺した人ですもんね。私を殺そうとした人ですもんね。
世間で言われとる通りなんですよね?
あの人は悪人やったんですよね?
その悪人を、私が勝手に好きになってしもうただけなんです。
ねぇ?そうなんですよね?
(『悪人』吉田修一著 朝日新聞社 太字:groovy)
分厚い本だから何日かかけて楽しもうと思った目論見は崩れ、
またしても一気に読んでしまった。
いやー泣いた泣いた。。。
さてさて。
昨日装丁について幾分興奮さえして(?)お話しましたが、
装丁から想像していた話とはちょっと違いましたねー。
冒頭で引用した箇所は、
この本の終わりの部分。
最後に殺人者である祐一は「悪人」だったのか、という
疑問を投げかけている。
どんな理由があれど殺人はよくない。
罪は罪である。
けれども罪を犯したものだけが「悪人」なのではない。
表面化されない「悪人」は世の中にたくさんいて、
またそういう人こそ笑って暮らしていたりするのだ。
私たちはある1人を殺人者にしてしまう環境の一端を担っている。。。
と、ここまで考えて、
もっと考えると・・・・・
でも、でも・・・なのである。
読後、ほとんどの人が祐一のことを「悪人」とは言い切れないだろう。
そして大学生、増尾の方こそが「悪人」であると感じるに違いない。
しかし自分も祐一と同じ状況だったら
やっぱり殺人を犯してしまうよなぁとは思えない。
彼の言い分は、こうだ。
どんなに嘘だって俺が言い張っても、
誰も信じてくれんような気がしました。
(中略)
それが恐ろしゅうて、ついあんなことをしてしもうたんです。
分かるようで全く分からない。
これが、人を殺してしまうほどの強い動機になるのか・・・
自分の思考回路ではそういう結論にはならない。
誰も信じてくれなくて濡れ衣をきせられても、
真実を自分で言い続けるしかないのである。
少なくともこの祐一には、
信じてくれるであろう祖母までいたのに。。。
人を殺してはいけないことはみんな分かっている。
それでもなお、殺すというのはどういうことなのか、
今の私にはよく分からない。
*「しかし」あたりから
どう考えても話がそれていってますがwお気になさらぬよう
以下、作中より。
一人の人間がこの世からおらんようになるってことは、
ピラミッドの頂点の石がなくなるんじゃなくて、
底辺の石が一個なくなることなんやなぁって。
(『悪人』吉田修一著 朝日新聞社 )
世間で言われとる通りなんですよね?
あの人は悪人やったんですよね?
その悪人を、私が勝手に好きになってしもうただけなんです。
ねぇ?そうなんですよね?
(『悪人』吉田修一著 朝日新聞社 太字:groovy)
分厚い本だから何日かかけて楽しもうと思った目論見は崩れ、
またしても一気に読んでしまった。
いやー泣いた泣いた。。。
さてさて。
昨日装丁について幾分興奮さえして(?)お話しましたが、
装丁から想像していた話とはちょっと違いましたねー。
冒頭で引用した箇所は、
この本の終わりの部分。
最後に殺人者である祐一は「悪人」だったのか、という
疑問を投げかけている。
どんな理由があれど殺人はよくない。
罪は罪である。
けれども罪を犯したものだけが「悪人」なのではない。
表面化されない「悪人」は世の中にたくさんいて、
またそういう人こそ笑って暮らしていたりするのだ。
私たちはある1人を殺人者にしてしまう環境の一端を担っている。。。
と、ここまで考えて、
もっと考えると・・・・・
でも、でも・・・なのである。
読後、ほとんどの人が祐一のことを「悪人」とは言い切れないだろう。
そして大学生、増尾の方こそが「悪人」であると感じるに違いない。
しかし自分も祐一と同じ状況だったら
やっぱり殺人を犯してしまうよなぁとは思えない。
彼の言い分は、こうだ。
どんなに嘘だって俺が言い張っても、
誰も信じてくれんような気がしました。
(中略)
それが恐ろしゅうて、ついあんなことをしてしもうたんです。
分かるようで全く分からない。
これが、人を殺してしまうほどの強い動機になるのか・・・
自分の思考回路ではそういう結論にはならない。
誰も信じてくれなくて濡れ衣をきせられても、
真実を自分で言い続けるしかないのである。
少なくともこの祐一には、
信じてくれるであろう祖母までいたのに。。。
人を殺してはいけないことはみんな分かっている。
それでもなお、殺すというのはどういうことなのか、
今の私にはよく分からない。
*「しかし」あたりから
どう考えても話がそれていってますがwお気になさらぬよう
以下、作中より。
一人の人間がこの世からおらんようになるってことは、
ピラミッドの頂点の石がなくなるんじゃなくて、
底辺の石が一個なくなることなんやなぁって。
(『悪人』吉田修一著 朝日新聞社 )