Feelin' Groovy 11

I have MY books.

悪の源

2008-07-11 | その他
一昨日の夕刊の辺見庸の文章が心にひっかかった。
それは読んだばかりの『悪人』の印象と似ていたからだ。


  秋葉原事件についてつづられたおびただしいブログのなかで
  <犯人は捕まったのに、なにが“真犯人”かわからないのが悲しい>
  という趣旨の若者の文章に私はひかれた。
  昔日との相違点はまさに、悪の核をそれとして
  指ししめすことのできないことなのかもしれない。
  どうやら資本が深くかかわるらしい“原発悪”が、ほうぼうに遠隔転移して、
  すべての人のこころにまんべんなく散りひろがってしまった状態が、
  いまという時代の手におえない病症ではないか。
  万人が被害者であり加害者でもある世界。
  たしかにそれくらい悲しい時代はない。
  (2008年7月9日の中日新聞夕刊「水の透視画法」より 太字:groovy)



秋葉原事件のことを書いている文章なのに
こうまでぴったりくるのは、
まさに今がそういう時代だ、ということ
私たちはその一部である、ということだろう。

私は実際に起きた事件に対しての細部の意見を
ブログには書かないことにしている。
正しいと思って書いたことが
誰かを傷つけることになるのが分かっているからだ。
通り魔やその家族、あるいは被害者やその家族、関係者、
必ず誰かを傷つける。

そうじゃないんだ、と彼らは言うだろう。

私はマスコミが報道していることしか知らないのに
何を意見することができるだろう。
そうして肝心の本当の悪はビクともしないんだ。

それでも発信していかなきゃいけないと思うことはある。

最終的に現れた事件の結果だけでなく、
そもそもの始まりにどんな悪があったのか、
そこを見極めていこうと。
そしてそこを一人一人が見直していくしかないんだと。

明日は明るい話題にしょう。。
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