見上げると光を反射しながら
うろこ雲がまるで生き物みたいに波打って遠くまで続いていて、
こういうものを見るときは
これから先のいつでも気持ちは同じに違いない、
私からこういうきれいなものを奪うことだけはだれもできない、
まるで決心をするように私はそう思った。
(『彼女について』よしもとばなな著 文藝春秋)
「完璧な絶望が存在しない」(風の歌)というのは
こういうことなのかと思った。
うろこ雲がまるで生き物みたいに波打って遠くまで続いていて、
こういうものを見るときは
これから先のいつでも気持ちは同じに違いない、
私からこういうきれいなものを奪うことだけはだれもできない、
まるで決心をするように私はそう思った。
(『彼女について』よしもとばなな著 文藝春秋)
「完璧な絶望が存在しない」(風の歌)というのは
こういうことなのかと思った。