Feelin' Groovy 11

I have MY books.

アプサラダンス鑑賞ディナー(2

2009-08-19 | 旅行
いよいよメインのアプサラダンス。



アプサラとは「天女」のことで、
遺跡の壁面にもあちこちでレリーフ↓が見られました。





手首、ひじ、足首、ひざなどがあらぬ方向にしなって、
独特の平衡感覚が求められそう。
演目については少しも予習してなかったので、
正直何をやっているのか分からずストーリーを想像するしかなかったのですが、
滑稽な面もあって面白かったですよ。

ポルポト政権時代に90%の踊り子や先生たちが処刑されたことを考えると
それほど長い時が経っていない今、
こうして普通に観られるのがまた感慨深いものでした。
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アプサラダンス鑑賞ディナー(1

2009-08-18 | 旅行
まだ終わってなかったのかよと、
そろそろツッこまれそうなカンボジア記のつづき。

えええーーっと、あの後・・・
そうそうプノンバケンで夕日を(見れなかったけれど)
見に行った後の話ですが。

まずクメールマッサージをやっていただいて
夕食に行ったわけです。

【カンボジアの伝統舞踊アプサラダンスを鑑賞しながらのディナー】

ビュッフェ形式だったので、
もはやどこ料理か分からないけれどたくさんの種類が並べられたお料理の中から
食べられそうなものを選んで、ダンスが始まるのを待ちます。



私は焼き鳥が好きなので
焼き鳥と思しき姿の串刺しをたくさんいただきました(写真右手前)。
味は日本のタレの焼き鳥に近く、身も引き締まっておいしかったですよ。
ちょっと気になるのが鶏にしては小さい気がしたので、
もしかするとスズメとか・・・カエルだったのかもしれませんけどね(ぇ

ちなみに飲み物は無難にと思ってリンゴジュース(写真右奥)にしたのですが、
熟してわたわたになったリンゴを絞ったまま、
一切、手を加えなかったのではないかというほど
水っぽくて生ぬるくて茶色い味がしましたよぉ~。

えぇ、はっきり言って、まずかったんです。

後で聞くところによると、カンボジアではリンゴは収穫できないそうで全て輸入。
まったくどうしてカンボジアでわざわざリンゴなんか頼んでしまったかと思うけれども、
でもでもこれには理由があってさ。
ホテルの部屋にウェルカムフルーツが置いてくれてあるじゃない?
そのフルーツの1つにリンゴがあったのよねぇ。
だから潜在的にこの辺りでリンゴが採れるような気分を刷り込まれたわけ。
ちゃんと考えればリンゴは涼しいところでしか栽培されてないわね~。

ま、そんなこんなでダラダラ文が続いてしまいましたので、
アプサラダンスは次項で。。。
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空気さなぎ と リトルピープル

2009-08-17 | 村上春樹
  説明しなくてはわからないことは、説明してもわからない。


これが『1Q84』(新潮社)の中で繰り返し出てくる言葉だ。


「予断を持たずに読んでほしい」という著者の意向で
内容が明かされずに刊行されたことを考え、
本をこれから読まれる予定の方は以下 注意して読んで(あるいは読まないで)ください。


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前記事で出した「空気さなぎ」と「リトルピープル」とは何かを含め、
『1Q84』を読んで受けた印象。


「空気さなぎ」は「観念」。
これは小説中にそのまま書いてなかったっけか?

そして空気さなぎはリトルピープルによって作られる。

「リトルピープル」も実体のないもの。
でも信じれば存在しているようにみえるもののことを指すと思った。
たとえば宗教だとか国家だとか…。

これらにはもともと善悪はない。
ただ最初正しいと思われたものが、
途中で正しくないものに変貌する可能性はある。

だから一度正しいと判断したらそのまま信じていくのは危険で、
生きる拠りどころは常に自分自身の中に求めなければならない、
ということを感じた。


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1Q84について

2009-08-08 | 村上春樹
やっと『1Q84』を読んだ。

この本ではおそらく

「空気さなぎ」と「リトルピープル」とは何か、

が問題とされるだろう。
本の中で具体的には明示されていない。
でもヒントがちりばめられているので、自分なりの着地点はあった。

その内容は残念ながら自分にとって新しい発見ではなかったけれど、
故意に明示せず、自分の頭で考え出させるのが
この本の目的であると考えられるので(*注1

そういう意味では

ベストセラーになっていることは喜ばしいことだ。
それだけ多くの人が今のこの現実を
自分の頭で考え、判断するきっかけとなっているはずだから。


*注1
   物語としてはとても面白くできているし、最後までぐいぐいと読者を
   牽引していくのだが、空気さなぎとは何か、リトル・ピープルとは何
   かということになると、我々は最後までミステリアスな疑問符のプー
   ルの中に取り残されたままになる。あるいはそれこそが著者の意図し
   たことなのかもしれないが、(後略)
                   (『1Q84』村上春樹著 新潮社)
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『悼む人』を紹介するなら今日だと思って。

2009-08-06 | 
8月6日、
広島への原爆投下の日。

愛媛県今治市では空爆で450人を超す人の死が記録されていることを
『悼む人』(天童荒太著 文藝春秋)を読んで初めて知った。

大きな事件や報道頻度が高いものに目がいきがちであることを痛感した。

知らず知らずのうちに
人の死に軽重をつけていないか―
そういう感覚は、生きている人に対しても差別をつけはしないか―――


この本では「見ず知らずの死者を、どんな理由で亡くなっても分け隔てることなく、
愛と感謝にかんする思い出によって心に刻み、その人物が生きていた事実を長く
覚えていようとする人」が主人公だ。

読んでいると偽善かと思ったりもする。

けれども主人公の母親の言葉がすべてだと思い直した。


  ある人物の行動をあれこれ評価するより・・・・・・
  その人との出会いで、わたしは何を得たか、何が残ったのか、ということが
  大切だろうと思うんです。
                   (『悼む人』天童荒太著 文藝春秋)




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