CSI:科学捜査班シーズン5#3 天使の生き血

2015-09-27 06:30:07 | ドラマ/映画/ドキュメンタリー



 ある少女の誘拐事件が起きる。

 妹を迎えに行った姉のエイプリルが妹のアリシアが誘拐されたと母親に電話をしてくる。

 母親から連絡を受けたCSIが捜査に出向く。

 昼間のコンビニから姉が買い物をしている間にアリシアが誘拐された。

 母はエイプリルに会うと頬を平手で殴りつけ「何してたのよ」と怒りをぶつけた。

 グリッソムは、その母の怒りに驚きながらも、母のシビル・ぺロスの服に血が付いていることに気づく。

 母に血のことを告げる。



 私を疑っているのかと怒るシビルに家に帰って服を着替え、今着ているものを提出してほしいという。

 シビルはそんなことよりアリシアを探してといい、こんなものくれてやると、その場で服を脱ぎ捨て、グリッソムに投げつけた。

  アリシアの部屋を調べていると、彼らはアリシアが臓器サイトを見ていたことをPCから知る。13歳の子が見るには難しいサイトじゃないかという。宿題だったんじゃないいう話も出る。

 そこへ兄のダニエルが来る。

 アリシアはジミーという少年に初恋をしていたという。そして日記がベッドの下にあると教えた。



 ダニエルはその話をしている間もハンカチを持ち、出てくる鼻血を拭っていた。



 13歳のアリシア誘拐報道がテレビで流れた。



 そんなとき、キャサリンの娘が補導されたと連絡がくる。

 12歳の娘はヒッチハイクをして街へ行こうとしていた。何を言っても反抗的な娘のリンゼイにどう接していいのかキャサリンは悩む。

 ジミーにも話を聞く。

 そしてアリシアがアフリカ系の30歳前後の男に車に連れ込まれたんだと姉のエイプリルがいう。

 性犯罪の経歴があるマーロンが学校と消えたコンビニの間に住んでいたことから、逮捕される。

 メーガン(またはミーガン)法により、性犯罪者の居所は常に一般市民でもPCなどで検索できる。


 学校から迎えに姉のエイプリルが出かけたはずだ。

 しかしその日、アリシアは登校していなかった。

 そして姉のエイプリルには麻薬の売買で少年刑務所にいたという事実が浮かんでくる。

 アリシアの日記に「明日は手術」という書き込みがあった。

 兄の鼻血と言い、そのアリシアの書き込みから兄のダニエルが急性白血病だったことを知る。

 
 アリシアが遺体で見つかった。


 
 検視が進み、午後に殺されたのでは話が合わない。アリシアは午前中には殺されていた。

 姉のエイプリルが嘘をついたとして事情聴取をされることになる。



 あの家で子どもにはどの子が大事か順位が付けられていた。1番は2番目の子のダニエルだ。

 そしてアリシアの身体にあった傷から彼女は兄に骨髄を提供していたことが判る。

 グリッソムは生まれたときにアリシアの臍帯血を使うことは考えられると思う。

 しかしアリシアは兄の具合が悪くなるたびに4歳、7歳と2度の提供を繰り返していた。

 それはまるで生きるDNA工場だった。


 姉のエイプリルはダニエルと不適合だったため、彼女のあの家の中での価値は1番下だった。

 エイプリルは自分の犯行を否定する。


 アリシアは性犯罪の被害にあったと考えれたが、それはなかった。

 そして彼女は多量の抗うつ剤を飲んでいた。

 これは普段から母親が飲ませていたようだ。

 13歳の子が飲むにはきつい薬だ。

 大体、昼間のコンビニで少女1人を誘拐するということに無理がある。


 徐々に家族への疑いが深まり、アリシアがまた具合の悪くなったダニエルに脾臓を提供するのを嫌がったために母のシビルが思わず殺してしまった。しかし家に遺体があるのはまずい、それを隠すために性犯罪のマーロンが、学校とコンビニ、ぺロス一家との間に住むことを確かめ、彼に罪をなすりつけるためにひと芝居打ったのではと考え、シビルが取り調べを受けることになるが――――。

 ここから先、若干のネタバレが…。









 メーガン法(テレビではそのように紹介されていたので)を悪用した誘拐事件のでっち上げには違いない。

 この場合、その被害者として逮捕されたマーロンはいい被害としか言いようがない。

 ただ、1時期、どこの国だったか忘れたが、この手の話は実際にあった。

 上の子が病気で、誰も不適合の場合、生まれてくる子にそれを担わせるというケースだ。


 アリシアもダニエルを助けるため、人工授精で、兄に適合するようにして誕生した子どもだった。

 特にこの家族がヒスパニック系で、この系統独特の白血病の病気でもあり、400万人が提供する意志を示していても、200万人が適合するかどうかということになる。

 そうでなくても提供するという者が少なく、まして適合するとなると…その数はぐっと減る。

 母は自分たちが彼らはラテン系だからと語った。

 だからアリシアをそういう方法で産んだとしても仕方なかったと母は語る。

 今いる子が苦しんでいるのに、それを見捨てることはできない。


 しかし母親が犯人ではない…。


 そこは敢えてバラさない。


 ただ当時からそういう方法で子どもを産むことに倫理的な問題はないのかと言われていたが、見事にそこを突いた形になった番組作りだ。


 一見、メーガン法を使い、そちらに話を誘導しておきながら、実は…と適合させるために子を産んだという方向へ導いていく。

 話の作り方としてはその1つ1つの組み立て方が上手いとしか言えない。

 そしてそういう方法で生まれてきた子が、その運命を呪いながらも、兄を思い、提供し続けてきたこと…。

 そこは悲しい家族のストーリーだ。



 そしてキャサリンは娘にどうしてヒッチハイクをすることが危ないことか、街へ出て行くのが危ないかということを、凄い形で伝えた。

 親が自分の仕事になぞって教育するというのは、普通にあることだが、彼女の仕事の場合は犯罪が絡んでるので…。


 12歳の娘を遺体安置所に連れて行き、23歳で殺された女性の遺体を見せ、あなたより、大きな身体も力もあるのに、こうして殺されてしまうことがあると遺体を見せて教える。


 それ…子ども…トラウマになるぞ…


 しかし、それしかもう方法が思い浮かばないおかーたまなのであった。

 
 ここにあるのも1つの家族の形なのである。