皮肉な巡り合わせ、つかこうへい氏と蜷川幸雄氏

2016-09-11 05:25:45 | 戯曲塾



 CSでたまたま「野生の証明」と「Wの悲劇」を放送していました。

 両方とも古い映画です。


 先に「Wの悲劇」の話をしますが、これは蜷川氏が映画の中の脚本家を務め、劇中劇の演出家をしています。

 「野生の証明」はオーディションで頼子役に薬師丸ひろ子さんが選ばれました。

 元々友達と遊ぼうと神社の境内で待ち合わせをしていたときにスカウトされ、このオーディションに行き会います。その少し前に劇団に入ろうかと話をしていた矢先の出来事だったそうです。


 この映画の総指揮をした角川春樹氏は彼女を初めて見たとき、後光がさして見えたとおっしゃったようです。

 「野生の証明」は親を殺され、殺した男と親子として暮らす少女頼子を薬師丸ひろ子さんが演じました。

 彼女は、記憶を失っているけど、潜在意識の中では自分の親を殺した今は父と呼ぶ人を憎んでいる…そして彼女はそれをきっかけで未来が判るようになってしまう。

 本来は頼子役にはもっと相応しい少女がいたんだけど、角川氏が、その子は、これ1本で終わる。でも薬師丸なら、スターになれるとつかさんのおっしゃたそうです。

 表は投票制で、きっともう1人の子の方へ行ってしまう。けれど、つかさんの1票が薬師丸ひろ子さに入れば、流れが変わる。薬師丸さんが選ばれる。だから、どうしても入れてほしいと頼まれ、彼女に入れたといういきさつがあります。

 確かに今、見ても。普通の子なんだけど、でも何か人を惹くものがあるというか、何かを感じる少女ではあると思います。

 そして角川氏の言った通り、薬師丸ひろ子さんはそれをきっかけのスターへの階段を駆け上ります。

 20歳の時に演じた「Wの悲劇」で蜷川氏と出会います。



 女優・三田佳子、本気で怖っ。どうしてそこまで演じられるんだ?

 それ2本を続けて放送するのも、偶然と言えども皮肉なものだと思います。

 同じスターになる薬師丸ひろ子という女優を巡って2人の演出家が違う時期、違う作品で結ばれる。


 この世界は狭いと言ってしまえばそれまでですが、やはり何か皮肉ですね。

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