大阪水曜ほっと集談会一世です。
還暦前から骨折や血液検査をすれば3項目以上は、数値が悪い。
これからもますます病と向き合うことが増えてくるように思う。
ただ心の病も体の病もマイナスばかりであるのだろうか?
私はそうは思わない。
毎日仕事で様々な人と会う。
年齢に関係なく心が優しい人だなと思う人には、
過去に自身が大きな病を経験されたり、
家族が病を抱えておられたことが多かった。
森田療法の創始者である森田正馬博士も幼い頃から病弱であられた。
最近テレビや雑誌で報道される芸能人や政治家のスキャンダルを見るたびに、
善悪は別にして病気をされた経験が無いのかなと思うことがある。
本日のタイトルは、思春期の頃愛読していたカトリック作家であり、
狐狸庵(こりあん)という愉快な雅号を持たれていた、
遠藤周作氏から着想をいただいた。
時々氏の古い著書を読み返したリしている。
一度だけであるが若い頃、狐狸庵先生の講演を聴いた。
狐狸庵先生の人生は常に病魔との闘いであった。
心の病と身体の病は違うけれど、それに対する姿勢は同じような気がする。
一言で言えば共存である。
狐狸庵先生も樹木希林さんも、病に抗うのではなく病と共に生きながら自覚を深められた生き方の達人である。
※以下遠藤周作氏の言葉より
病床で読む本は健康なときに読む本よりも心に一語一語くいこんでくる。
不安の気持ちが何かをつかもうと必死に心を本に集中させる。
現実生活では挫折しても人生の次元では収穫あるということは私のように生活と人生とかなり区別して考えているものには救いだった。
一元論ではなく二元論で物事を捉える考え方を、若き日の私は森田博士と狐狸庵先生から学んだ。
2025.1.7 一世
※遠藤周作氏著・ほんとうの自分を求めて・海竜社より一部抜粋